馬場のぼるこどもまんが集

著者 :
  • こぐま社
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本棚登録 : 37
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772190510

感想・レビュー・書評

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  • 11ぴきのねこシリーズで有名な馬場のぼるさんが、シリーズ発表前に漫画家として発表していたこども向け漫画。
    コロッケらいおんと、ブウタンが可愛かったなぁ。優しい世界。
    コロッケって、この世代の方達にとっては思い入れのある食べ物なんだろうか。コロッケが出てくるお話、多いですよね。

    馬場さんが半生を振り返る記事が最後に載っており、お父さんの話が印象的だった。
    「質素倹約をムネとしていた父は、お国のタメにせっせと買い込んだ国債をゴッソリ抱えたままスッカラカンになり」(敗戦により、国債は価値を失った)、という記載。さらりと書いてあるけど恐怖の一文だ。
    現代の年金システムの将来ではないのか…と不安になったのでした。
    しかし、馬場さんの語り口はひょうひょうときていて、それを大きく批判したりもしない。ただ、そういう事実があった、というだけ。いやむしろ、その状況にすら楽しみを見出していたようにすら感じた。
    戦争中、戦後という時代は、本当に「生きること」だけで精一杯になる時だったのだろうと思う。
    そんな時代を生きた馬場さんが、動物と子どもに向けた優しい目線を感じられるお話たち。

    子ども向け作品というのは、「古い、新しい」とか「はやりすたり」はないですね。
    5歳の息子も、とても楽しく読んでました。私より先に読み終わり、「これ、おもしろいはなしいっぱいあるよ」「おれ、ブウタンが一番気に入ったよ」と言ってましたよ。

  • マンガだけれど、大人の私にも刺さりまくる素晴らしい一冊でした

  • ”11ぴきのねこ”の馬場のぼるさんの児童漫画集。
    コロッケらいおん、ブウタン、ポストくん、山から来た河童など。

    ほのぼの(*´∀`*)

  •  絵本「11ぴきのねこ」シリーズの著者、馬場のぼるの初期のまんがを集めた1冊。
     とにかく素晴らしいのひとこと。優しさと、ほんわかとした愛情がたっぷりと入った作品集だ。
     何よりも、描かれている線が人間味あふれるもので心地いい。書名は「こどもまんが」だけど、これは心がささくれてしまった大人向けに最適の本。

     収録されているのは
     「ころっけらいおん」「ブウタン」「ポストくん」「山から来た河童」「ウサギ汁大作戦」。

     どれも、戦いとか争いの要素を含みながら、でも結局は許しあい、相手を理解しようという込められている。

     個人的に好きだったのは、不思議な後味、切ない寂しさを残す「山から来た河童」。こんな漫画が少年雑誌に載っていたというのが驚きでした。

     他に本人の自伝などのエッセイも入っていて、資料的にも興味深い。

  •  「11ぴきのねこ」でおなじみの馬場のぼる氏、没後10年の出版。代表作「ころっけらいおん」はじめ、絵本ではなく、まんがです。自伝まんがもあります。
     本当に昭和を感じさせるまんがです。

  • コロッケライオンが好きすぎる。これ読んで母親にねだって作ってもらったのがコロッケ初体験じゃなかったっけ。ちくまの全集に収録されていたものとほぼ同じだったがあれは普通に手に取れないしな。

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著者プロフィール

1927年、青森県三戸町に生まれる。1949年、上京し漫画家としてスタートした。漫画『ブウタン』で第1回小学館漫画賞、『11ぴきのねこ』で第15回産経児童出版文化賞、『11ぴきのねことあほうどり』と日本経済新聞連載の漫画『バクさん』で第19回文藝春秋漫画賞受賞。『絵巻えほん 11ぴきのねこマラソン大会』で、イタリアの子どもたちが選ぶイタリア・ボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞。一連の業績に対して、1993年に日本漫画家協会賞文部大臣賞、1995年に紫綬褒章受章。2001年没。

「2023年 『馬場のぼるのおえかき教室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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