神国日本のトンデモ決戦生活: 広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772603874

作品紹介・あらすじ

総動員体制をつくりだすために、信じられないくらいトンデモな情報が覆っていた。旅行やお菓子や化粧品や薬、婦人服や信仰、結婚、出産、学校、職場、ラジオ体操や受験勉強、などありとあらゆるところまでプロパガンダがあふれていた。図版200点以上で示す笑えるようで笑えない戦時下生活。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史
    広告
    戦争

  • 負けると分かって戦争をすること自体トンデモ国だ。そんな国だから生活の隅々までトンデモな事が推奨されるのだろう。今は独立国でありながら植民地のようなであるトンデモ国になっている。

  • ほんの七十年ほど前に本邦はこれだけトンデモをやらかしていたのかと頭を抱える.しかし,今また決して過去の事だと嗤えないない状況になってきている.

  • jpn 日本

  • 北朝鮮あたりの雑誌や新聞って、今もこういう感じなんじゃないだろうか、とふと思う。並べてみたら面白そうだ。
    こういう世界に住みたくないなあ。でも、住んでいる時にはわからないのだろうか? あるいはぼくらの世界も、別の世界から見たら違って見えるのだろうか?

    しかし、これだけの資料を集めてそれなりに研究しているのに、芸風が「嘲笑」ってどういうこと? 別に深刻ぶったり真面目くさったりする必要はないけれど、この薄気味悪さと表裏一体のじわじわくるおかしさを伝える方法は、ほかにもいくらでもあったろうに。下世話だし、「今のギャグはどこが面白いのかというと・・・」と解説されているみたいで、しらけた。残念。

  • 大東亜戦争中の雑誌や広告を通じて、リアルな当時の風潮を明らかにする本。実際問題として、我々はその時分の空気を知らない。左翼は国家に抑圧されて、国民は犠牲者的な時代だといい、右翼は古き良き日本が存在し、戦争には敗れたが理想は高かったのだ、と言う。しかしこの本はそれらの幻想を吹き飛ばすものだ。なにしろ日本が発行する本や雑誌なので、悪意が入る余地が無く、これらは相当売れていたようだから、一般市民の考え、雰囲気を相当程度代弁していることは間違いない。特にネトウヨの人には信じたく無い社会が見えてくる。当時はマナーも最悪で改善キャンペーンが度々行われていた。今でこそ信じがたいが、列車の中は床といい通路といいゴミが散乱しひどい状態。中国を笑えない状況だ。それにしても当時の日本は上から下まで行っちゃっている。米英に対する異常な劣等感と敵意。アジア諸国に対するあからさまな優越感。一方向に殆ど全国民が向いてしまう不気味さ。戦局悪化に正比例して支離滅裂になってくる行政・軍部・マスコミ。いずれも現代においても全く変わっていないこの国の姿が悲しい。戦争中華美な服装はダメといって、銀座で鋏を持って女性の綺麗な和服の長い袖を切り取ってしまう大日本婦人会のおばさんたちや、時局に合わないと上流階級の婦人を糾弾する投書を送るおじさんたちが出現しまくる。こんなことも形を変えて現代でも日常的に行われている訳で、この国がなかなか変わらない理由が見えてくる。右翼も左翼も必読の書としてあげたい。

  • 「大東亜戦争」当時の日本の狂った日常を蒐集したもの。
    今だから笑えるが、実に恐ろしい。
    著者の解説には、ところどころ気になる表現があるものの、とりたてて腹を立てるようなものではないが、冗談の通じない、頭の固い人には向かないかもしれない。

  • 戦争中は天皇を神格化して、
    国家神道をすすめ、
    アメリカやイギリスを「鬼畜米英」と文化を否定した…
    とまでは聞いていたが、

    ここまですさまじかったのか…と感じた本でした。

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著者プロフィール

1974年生まれ。フィルム製版工などを経て、現在は編集者として勤務。著書に『「日本スゴイ」のディストピア』『「愛国」の技法』(ともに青弓社)、『神国日本のトンデモ決戦生活』(筑摩書房)、『原発ユートピア日本』(合同出版)など。

「2018年 『まぼろしの「日本的家族」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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