- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772604635
作品紹介・あらすじ
アンネと同じ年に生まれ、広島で被爆し、戦後その体験を世界に伝え歩くとともに、アンネのいとこや親友ハンナさんらとの面会、アウシュビッツ収容所やオランダ、ドイツへの訪問を重ねながらアンネ・フランクとナチスによるホロコーストを研究してきた著者が描くアンネの生涯と戦争の現実。
感想・レビュー・書評
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アンネの日記が最初日本に紹介されたときは、ナチスに虐げられるなか、けなげに生きた少女としてのイメージが強烈だった。そんな苦難にも負けずに綴られた日記の素晴らしい表現力を味わうようにと学校では教わった。
しかし、本書は当時の時代状況のなかで、アンネがどのように生きたのか、その15年の人生を、客観的に分かりやすく伝える格好の書だと思う。著者はアンネと同じ年に生まれ、1945年に広島で被爆し、戦後その体験を伝えるとともに、アンネやホロコーストの研究をしている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アンネらがアメリカに行かなかったのは、お母さんが馴染みのあるドイツから遠くに離れたくなかったことと、アメリカがそれほどユダヤ人を受け入れなかったこと。アインシュタインのような大物くらい。オランダとベルギーが積極的に受け入れた。
オランダ人はナチスに抵抗して、黄色い星にJoobと書いていた。Joodでなくて。それで咎めたドイツ兵を文字が読めないといってバカにしていた。さすがダッチだ。 -
『アンネの日記』はとうの昔に読みました。その後、アンネの伝記もいくつか読みました。だから、私はアンネ・フランクについて、「わかっている」つもりでいました。けれど、知人からすすめられた『アンネ・フランク その15年の生涯』を読んで、私は衝撃を受けました。
この本には、アンネの生きた時代、アンネの暮らした町、アンネ・フランク本人について、知らなかったこと・知りたかったことが、ページを繰るごとに書かれているのです。
オランダ女王が反戦エールを送っていたことは実は知りませんでした。驚きと大きな喜びが入り混じった感動を覚えました。また、差別と戦争で混乱する状況を憂うだけでなく、その状況を「黙って見過ごした人」に対するアンネの批判的な目が衝撃でした。
読後、話しの筋を確認するためにもう一度最初からページを繰ってみました。下段には、著者の視点でつけられた注釈が細かく付けられています。それを追ってみただけでも、たくさんの新たな発見がありました。
まさにアンネ・フランクの実像に出会える一冊、あらためてアンネ・フランクとその生きた時代を探るのに最適の本だと思います。 -
289.3-フラ 300178704
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著者の黒川万千代さんは、アンネと同じ年に生まれ、15歳のときに広島で原爆を生き延びました。戦後、原爆の語り部として世界各地を歩かれます。ヨーロッパでは、ナチスの収容所跡を訪ね、特にアンネの足跡をたどり、アンネを知る人々に話を聞いてきました。
アンネのついて、「知りたかったこと」「知ってるつもりだったこと」がとても良く分かる一冊です。
中学生から読めます。脚注が充実しているので、大人まで、ひろくお薦めしたい本です。