人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を探険する
- インターシフト (2015年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772695473
作品紹介・あらすじ
<すぐそこにある材料の内なる驚異の宇宙へ>
・ガラスが透明なのはなぜ?
・スプーンには味がないわけ
・世界一軽いモノって?
・電子書籍のインクの秘密
・映画も音楽もプラスチックのおかげ
・チョコレートの美味しさの元
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私たちの身近にある材料の驚くべき秘密を明かす、超話題作!
★年間ベストブック
・『ニューヨークタイムズ』紙
・amazon.com (サイエンス部門 TOP8)
・『フィナンシャル・タイムズ』紙
・『オブザーバー』紙
・『フィジクス・ワールド』誌
★『ニューヨークタイムズ』ベストセラー
★英国王立協会 ウィントン賞受賞
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::著者:: マーク・ミーオドヴニク
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の「材料と社会」学部教授。
『タイムズ』紙による英国で最も影響力のある科学者100人に選出。
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::目次::
はじめに:すぐそこにある材料の内なる宇宙へ
第1章:頑強……文明を変えた強くしなやかな「鋼鉄」
第2章:信用……記憶や愛を刻印する「紙」
第3章:基礎……社会の土台として進化する「コンクリート」
第4章:美味……「チョコレート」の秘密
第5章:驚嘆……空のかけらを生む「フォーム(泡)」
第6章:想像……映画も音楽も「プラスチック」のおかげ
第7章:不可視……なぜ「ガラス」は透明なのか
第8章:不可壊……「グラファイト」から世界一薄く強固な物質へ
第9章:洗練……技術と芸術が融合した「磁器」
第10章:不死……九八歳でサッカーを楽しむ「インプラント」の私
第11章:人工……材料科学の未来
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::絶賛::
ありきたりで取るに足りないと思われる材料の、隠された驚異を教えてくれる。
――『ニューヨークタイムズ』
才気にあふれた本書は、われわれの世界の見方を変えてしまう。
――『ウォールストリート・ジャーナル』
材料科学者である著者は、読者を魅了する情熱とともに、モノの背景をなす歴史と科学を説き語る。
――『サイエンティフィック・アメリカン』
あまり書かれたことのないテーマについての壮大な物語であり、魅惑と愉悦にあふれた本。
――『ポピュラー・サイエンス』
近代世界を築きあげた材料についての驚嘆すべき報告。
――『フィナンシャル・タイムズ』
感想・レビュー・書評
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人類の歴史がいかに材料に規定されてきたかがわかる、非常に面白い本でした。
鋼鉄、コンクリート、ガラスなど、現代社会の基本となっている素材の多くが、古代ローマ発祥というのが驚きです。
プラスチックの歴史や、炭素の性質の多様さ(炭素繊維、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドなど)にも興味を惹かれました。
セルロースナノファイバーという新素材の番組をつくる際、大いに刺激を受けました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
身の回りのモノと科学の力
2015/11/15 3:30 朝刊
「材料科学」というと地味でとっつきにくい印象を受けるかもしれない。しかし、テーブルは金属やプラスチック、本は紙、住居はコンクリートやガラスでできているなど、身の回りには科学の力で優れた性質を持つようになった材料であふれている。本書は日々の生活でお世話になっている10の材料を例に取り、生い立ち、改良の歴史、進歩の可能性などをわかりやすく解説する。
まずくて口にできないカカオの種が、いかにして世界の人を魅了する味わいをもつチョコレートという食べ物に変身するのか。どんな化学反応が決め手になるのか。砂粒に多く含まれる石英から作られるガラスはなぜ透明なのか。強化ガラスはどのような物理現象を応用して開発され、銃弾をも食い止めるまでに進化したのか。
種明かしで化学式なども時折登場するが、難解さを感じさせないのは著者自身の経験に基づいて物語を展開しているからだろう。高校時代にカミソリの刃で背中を切られた経験をきっかけに、材料に興味をもった。以来、金属材料に関心を抱きジェットエンジン用の合金の研究で博士号を取得したという。未来にはまだまだ面白い材料が登場し、人生をもっと豊かにしてくれるかもしれない。そんな期待を抱かせる。松井信彦訳。(インターシフト・2100円) -
「紙」「鋼鉄」「チョコレート」など様々な物質の構造や特徴を面白く綴った本。
科学的な面は多いですが数式的な話は無く、ゆるゆる楽しませていただきました。 -
材料科学の入門書、読者の興味を惹くようにそして数学の知識がほほなくても読み進んでいけるように工夫してくれている。
科学と化学への興味を引き立ててくれる良書
原子の世界へ常に引き戻して材料を考えさせる工夫がわかりやすい。
特に最終章は重要なことをたくさん教えてくれる。ここだけでも読んでおくと良いと思った。 -
材料科学に関する本
身の回りに材料が溢れていてそれは様々な特性を持つ上にそれが日々の生活に必要不可欠であるのに我々は無意識であるのは筆者の指摘の通り
金属加工の歴史は紀元前からあるのに理論が確立したのは産業革命も過ぎた19,20世紀.そう思うと経験的,実践的学びの蓄積ってすごい大事だな
(その最たる例は日本刀というのもまた面白い.炭素の含有量が少なくとても頑丈.しかもそれを五感で判断していた.まさに職人技)
鋼鉄は鉄(Fe)と炭素(C)の合金
ステンレス金属は鋼鉄にクロムが混じり,酸素と反応した酸化クロムが膜を作るから
スプーンに味がしないのも酸化クロムが金属との接触から守っているから
酸化クロムめっちゃ大事.
髭剃りのジレット”なまったら捨てれば良いほど安い金属で研ぐ必要がない髭剃りを作ろう”
金属が変形できるのは変位があるから.
純金の装飾品は極めて稀.金は柔らかくて傷がつくから.
紙,微小繊維の集合体 昔は高価だった(今は湯水のように使うけど)
電子書籍の印字:ヤヌス粒子.オセロのように白黒.ひっくり返して文字を表現
エアロゲル 超高性能断熱材 半透明
ゼリー=内部骨格+それを埋める液体.
チェレンコフ放射:
荷電粒子が物質中を移動する速さがその物質中の光の速さよりはライト機に放たれる光
宇宙塵の回収(流れ星だと燃えてしまう)
プール(ビリヤード)はクロッケーの室内版(ゲートボールの原型)だから緑の芝を模した台を使う
ボールの原材料はもともと象牙,加工可能で耐久性があり着色もできる
2900万年前のツタンカーメンの装飾品ー>ガラスのスカラベー>これは人口でできたものではない,ー>隕石衝突のエネルギーでできた自然ガラス ロマンあるな
ローマ人もガラス,ワイングラスや鏡を作った.ワイングラスがあることでワインに色合いや透明度という評価軸が生まれた
炭素:鉛筆にもダイヤモンドにもなる.ダイヤは価値を認識されているけど表現や創造に欠かせないのはグラファイト
ダイヤモンド:デビアス社が掌握. 婚約指輪としての共同幻想を樹立,供給を絞って価格高騰
ダイヤモンドに対する信仰が科学の発達とともに崩れ去るのは神の死と似たものを感じる.歴史や創作には登場し続け,共同幻想が細々と生きているが立場は苦しい. -
<すぐそこにある材料の内なる驚異の宇宙へ>
・ガラスが透明なのはなぜ?
・スプーンには味がないわけ
・世界一軽いモノって?
・電子書籍のインクの秘密
・映画も音楽もプラスチックのおかげ
・チョコレートの美味しさの元
私たちの身近にある材料の驚くべき秘密を明かす、超話題作!(出版社HPより)
◆◇工学分館の所蔵はこちら→
https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT22023217 -
請求記号 501.4/Mi 48
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面白かった。図書館の本。
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サイエンス