ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥

  • インターシフト
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695534

作品紹介・あらすじ

ニワトリ無くして、人類無し!

なぜニワトリは人類に欠かせないパートナーとなったのか?

古代から近未来まで、ニワトリとともに
歴史・文化・科学を巡り、地球各地を巡る、驚きの文明論

・なぜ古代から人類とともにニワトリは世界各地へ広まったのか
・私たちの健康・医療に果たしてきた知られざる役割
・神や悪魔の使いから、生贄の儀式まで、なぜ深く信仰とかかわるのか
・ダーウィンの進化論など、科学の発展をいかに陰で支えたか
・平等社会や、女性の地位向上にどのように貢献したか
・世界を席巻した食用ニワトリは、アメリカでいかに作られたか
・NASAの火星移住計画に、ニワトリが選ばれたわけ

多大な恩恵を受けてきた、この恐竜の小さな末裔たちのことを
私たちは余りにも知らない。

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::著者:: アンドリュー・ロウラー
ライター。『サイエンス』『ナショナル・ジオグラフィック』
『ニューヨーク・タイムズ』などの雑誌や新聞で、多数の記事を執筆。
「ベスト・オブ・サイエンス・アンド・ネイチャー・ライティング」賞などを受賞。

::訳者:: 熊井ひろ美
翻訳家。訳書は、『次の大量絶滅を人類はどう超えるか』『ドライ・ボーンズ』
『老化の進化論』『ロレンツォ・デ・メディチ暗殺』など多数。

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::目次::

はじめに: ニワトリを見れば、世界が見える
第1章: 野生の原種を探して
第2章: 神の使いの鳥
第3章: 二本足の薬箱
第4章: 人類の移住ルートを知る鍵
第5章: 闘鶏の熱狂
第6章: 女王の趣味から大流行へ
第7章: ニワトリの起源と進化
第8章: 小さな王
第9章: 癒しの力
第10章: 産業ビジネスへの進展
第11章: 影の都市
第12章: 快適で健康な環境を
第13章: 生まれ故郷の森へ

::絶賛::

心奪われ、魅了される、驚くべき細部にあふれた物語。
——『ウォール・ストリート・ジャーナル』

なぜニワトリが世界を渡ったのか、壮大な真実が明かされる。
——『サイエンス』

あまねく存在するニワトリがもたらす問題について、新たな洞察を与えてくれる。
——『ネイチャー』

感想・レビュー・書評

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  • 鶏肉大好きだし 昔勉強もしたので手にとってみました。
    思ったとおり 授業のテキストになりそうな 内容でした。

    ニワトリって どこでも見かけた事があると思っていましたが バチカン以外世界中で飼われているそうです。

    この本は ルーツを辿っていましたが
    はっきり限定できていませんでした。
    というのも ニワトリ(その原種)は いつ頃から人と係わったのかについては
    骨などが殆ど残っていないそうです。
    確かに、人がある程度食べて その辺に捨てたとしても
    野犬などが食べちゃって・・・・
    だから 品種改良とか進化の様子が未だにわからないそうです。

    とはいえ 古代エジプトなどの 絵などからは
    高貴な鳥として 扱われていた事が残っています。
    そして日本などでは アマテラスさんなどの 使いとして宗教にも使われるようになったけど いつからか 生贄にされたり 祈祷に使われて 殺されて でも、そのニクは 貧困者への 食事として提供されてるようです。

    アメリカでは 奴隷にされていた人達が 唯一飼えた ものが ニワトリでした。
    牛とかは飼ってはいけなかったそうです。
    そして 牛などよりも 手軽に飼えたので 女性でも飼育できて
    良い収入源になったようです。
    そして フライドチキンのレシピが広がりそれと共に売上も上がっていきました。
    戦時中は 兵隊さんには 牛などの肉を 提供するので 庶民は鶏肉という方針だったようで ますます ニワトリが人気上がりました。

    更に ニワトリは 卵も含めて 栄養素もたっぷりあるので 古くから薬としても重宝されていたようです。

    しかし、現在では 大量生産の為に 
    薬品を投与した ブロイラーや 動けない状態の ブロイラーが 沢山いるけど どうやら 動けない方が 仲間内でつっつき合うことを防ぐのに良いらしいけど 私は なんか こういう飼い方は 嫌だけど 大量に鶏肉が必要ならば 仕方ないのでしょうかねぇ。

    今後 ニワトリが 快適な状態で 沢山飼育できるように 研究を続けていってもらいたいと 思いました。

    ニワトリについて 学びたいと思う方に お勧めの本でした。

  • ニワトリの歴史を追っている本。文化史・歴史に対しての比重が大きく、直近の「工業生産品」としてのニワトリに対する比重は小さい。
    ジャーナリストらしく現代のニワトリ業の闇に触れようとする際の過程・触れ方は流石ではあるものの、やや学問チックな部分の触れ方について厳密性にかけるのは致し方ないところ。
    日本人的には秋篠宮殿下の専門がニワトリに関連することだったというのは興味を引くところではある。

  •  タイトルにあるとおり、ニワトリは人類との関係の深い生物である。現在は食料として、常に200億羽が飼育されており、どの家畜よりも多い。飼育が工業化された中、卵にいたってはある地域だけで生産量が年間1兆超える。1兆!目に見える個体の数として「兆」という桁が出てきたのは初めてだった。
     そんなニワトリと人間の関係は、長いのだが、食料として飼育されたのはそう古くなく、飼育が工業化されたのは大戦後である。本書で扱われる人とニワトリの関係は、ニワトリ自体が人類や文明や歴史を知る良いテーマになっていることに気付く。
     また、本書をとおして感銘を受けた点は、生物学との適切な距離感である。まず、恐竜にニワトリのルーツを発見した箇所。何が発見されたのかが示されており、まだまだ調べることがあるという科学的に誠実な事実の紹介になっている。
     次に、家畜としてのニワトリの起源に関する発見は、科学的発見そのものの本質を描いている。特に、その後の異なる発見を対置した評価にも触れられており、どのように発見が事実として固まっていくのか見通しが得られる。(なお、この発見者は驚くべき日本人である。)
     そして、ニワトリ飼育の工業化を生んだ科学への本質的な批判の視点の提供である。これらの点は他書、特に生物の専門書では得られないような総括的な視点、常識的な視点、人間的な視点を与えてくれたものと思う。
     しめくくりニワトリの健康、そして良好な人間との関係の継続に関する章では、科学や工業に行き過ぎたこの社会において、研究者が人間的であることが示される。ここで紹介される研究者たちは、研究成果が家族・故郷へ及ぶことの希求、自然に対する畏敬と感謝、こういった当然の感情を持っており、研究の動機となっており襟を正す思いにさせられた。

  • 献本にて頂く。

  • 教養が試される本。
    セキショクヤケイから家畜化されたニワトリはどのように世界(主に欧米)に拡がり文明の中に浸透していったのかを丹念な取材で明らかにします。
    歴史上の地名や人名がたくさん出てくる上に、鶏の品種名や取材した人物の描写まで出てきます。さらに、意味の解り辛い悪文がところどころトラップのように潜んでいます。難解で脳みそが沸騰しそうな本でした。歴史や地理の素養があればもうちょっと楽に読めたのかなあ?

  • 現在地球の動物性たんぱく質供給の多くを担い、常時200億はがいるらしいニワトリの由来を調べた本。以外とわかっていないことが多くて、原種は東南アジアの赤色野鶏でおそらい。秋篠宮の専門がニワトリで、以前遺伝子が解析される以前にこの家畜化について一回だけ家畜化されたということに関わる論文を出したらしい。
    現在の品種改良されたニワトリは、もともとは食用というよりも宗教や闘鶏が主たる理由のようであって、東洋と西洋のニワトリがイギリスで掛け合わされたのが主な契機となった。現在のブロイラーのような47日間で2.6kgになる一方餌は1kgもいらない。一方1950年では70日でその半分強の体重で1.5倍の飼料だった。

  • ニワトリを巡る文化誌で、進化・宗教・産業・科学等、いかに多方面にかつ深く人類とニワトリが関わりあってきたかを、世界中の痕跡から探ります。

    いつの間にか人間とともに暮らすようになったニワトリが、民族と供に移動し、宗教における特別の存在となり、社会の都市化と近代産業化において、良質なタンパクを多量かつ安定して供給する役割を果たすようになりました。

    現在、地球上には200億羽のニワトリが生息し、これは鳥類では2位のコウヨウチョウの20億羽を引き離す数です。雌鶏は1年に1兆個の卵を産み、鶏卵用に産まれたヒヨコのうち、雄として産まれてしまったヒヨコはアメリカだけで年間2億羽以上がすぐに処分されてしまうというニワトリの運命は、「絶滅する運命ではなく増殖する運命——それは絶滅よりも悪い運命」と言えるかもしれません。

    一方で、こうした世界的な動きに対し、手間も金もかかりますが、地場の品種を快適な環境で育て、原産地統制呼称を許された動物福祉に適合し美味なチキンを育てる/選ぶ動きも広がっています。安価に供給されたタンパク質により生活の質が向上し人々が救われた側面もあり、一概に善悪を語ることはできませんが、こうした大量産業化とエシカルの分化は現代文明の至る所に見られ、この点も正にニワトリが人類の文明を反映している証と言えます。

    その他にも、奴隷や女性が養鶏により生計を立てられるようになり、平等な社会の参画者になった歴史や、ワクチンの製造をはじめ保健医療に果たしている役割、東南アジアへの野生で暮らすニワトリの先祖を探す旅等、様々なテーマからニワトリを記述したこの本は、人にとっていかにニワトリが欠かせない存在かを思い知らせ、このニワトリの愛おしさを感じさせてくれることでしょう。

  • ★紀伊國屋じんぶん大賞2017(ベスト7!選出)
    ★武田鉄矢さん、岡崎武志さん、絶賛紹介!
    ★NHK総合TV「あさイチ」、『朝日新聞』などで紹介
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    <ニワトリ無くして、人類無し!>

    なぜニワトリは人類に欠かせないパートナーとなったのか?

    古代から近未来まで、ニワトリとともに
    歴史・文化・科学を巡り、地球各地を巡る、驚きの文明論

    ・なぜ古代から人類とともにニワトリは世界各地へ広まったのか
    ・私たちの健康・医療に果たしてきた知られざる役割
    ・神や悪魔の使いから、生贄の儀式まで、なぜ深く信仰とかかわるのか
    ・ダーウィンの進化論など、科学の発展をいかに陰で支えたか
    ・平等社会や、女性の地位向上にどのように貢献したか
    ・世界を席巻したニワトリは、アメリカでいかに作られたか
    ・NASAの火星移住計画に、ニワトリが選ばれたわけ

    多大な恩恵を受けてきた、この恐竜の小さな末裔たちのことを
    私たちは余りにも知らない。

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著者プロフィール

ライター。『サイエンス』『ナショナル・ジオグラフィック』
『ニューヨーク・タイムズ』などの雑誌や新聞で、多数の記事を執筆。
「ベスト・オブ・サイエンス・アンド・ネイチャー・ライティング」賞などを受賞。

「2016年 『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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