人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに

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制作 : 小野木明恵 
  • インターシフト (2017年6月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695565

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人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてにの感想・レビュー・書評

  • <肉食が私たちを人間にした>

    食べ物がほかに豊富にあっても、
    肉食にこだわる欲求を「肉飢餓」という。

    健康にも地球環境にも良くないと言われても、
    人類は肉を愛し、やめられない。

    いったい、なぜ私たちは肉に惹きつけられるのか?

    ・ヒトの進化
    ・文化や象徴
    ・セックスと権力
    ・おいしさの秘密
    ・栄養の真実
    ・菜食主義の失敗
    ・アイデンティティ
    ・売り方の戦略
    ・・・

    壮大(250万年)なスケールで、
    肉がもたらしてきた恵みと虚構を解き明かす。

    急速に肉食化が進むアジア、
    食肉が足りなくなり、環境も悪化する地球の近未来。

    人類の肉への愛と妄想は、はたしてとめられるのか?
    本書は、新たな食スタイルによる、栄養ステージの転換を提唱する。


    詳細はこちらへ・・・
    http://www.intershift.jp/w_meat.html

  • 人類はなぜ肉食をやめられないのか マルタ・ザラスカ著
    持続可能な発展への問題提起

    2017/7/22付日本経済新聞 朝刊

     暑い夏、スタミナをつけるには焼き肉が一番という声を聞く。しかし、動物性タンパク質であろうと植物性タンパク質であろうと、栄養価は変わらないのではないか。でも人間は、肉も食べる雑食性じゃないか。肉を食べることには意味があるはずだという反論も予想される。本書は、そうした話題をめぐる問題提起の書である。







     われわれホモ・サピエンスの起源は20万~30万年前とされている。ホモ属という大きなグループ(広い意味での人類)自体の起源は、250万年ほど前だ。それまで草食動物だった祖先は、たまには肉、おそらくは死肉を漁(あさ)って食べるようになったことで躍進した。その習慣が、大きな脳を発達させる道を開いたらしい。


     大きな脳はたくさんのエネルギーを消費する。そのため、生の植物食だけでは、大きな脳の維持はかなわない。人類が火を使って植物を調理するようになったのは、たかだか80万年前。それ以前に実現した脳の大型化は、肉食のおかげらしいのだ。おまけに、協同の狩りや獲物の分配は社会性の発達ももたらしたことだろう。


     ならば、人類は肉食動物なのだろうか。そうともいえない。調理法を獲得した後は、植物食でも栄養の確保は満たされるようになった。狩りの獲物は特別なごちそうとなった。農耕が開始されると、家畜をめぐるタブーも生まれた。


     タブーは生態学的、経済的な理由によって生じたという。豚肉の禁忌は、豚を飼うための穀類と水が不足する地域で、牛肉の禁忌は、労力としての牛が必要な地域で生じたという。インドに菜食主義者が多いのは、タブーのためではなく、必要な栄養を満たせるほど豆類が豊富だからなのだという。


     現在、穀類で育てた家畜の肉を食べるのはきわめて不経済な行為である。しかも肉の消費量は拡大の一途だ。今こそ殺生への反感を理由とする菜食主義ではなく、地球規模の持続可能な発展のための菜食奨励が求められる。肉食は、害こそあれ、益は大きくないと著者は主張する。肉食の賛美は、文化的な偏見に根差すものだとも。ただし、菜食主義をめぐっては、感情的な対立に走るのではなく、理性的に議論すべきだという。真剣に受け取るべき提言である。




    原題=MEATHOOKED


    (小野木明恵訳、インターシフト・2200円)


    ▼著者はサイエンス・ジャーナリスト。「ワシントン・ポスト」などに寄稿。




    《評》筑波大学教授


    渡辺 政隆

  • 原題:MEATHOOKED: The history and science of our 2.5 million-year obsession with meat
    著者:Marta Zaraska
    訳者:小野木明恵

    【メモ】
    著者のサイト
    http://www.zaraska.com


    【内容】
    壮大(250万年)なスケールで、肉がもたらしてきた恵みと虚構を解き明かす。
    急速に肉食化が進むアジア、食肉が足りなくなり、環境も悪化する地球の近未来。人類の肉への愛と妄想は、はたしてとめられるのか? 本書は、新たな食スタイルによる、栄養ステージの転換を提唱する。
    http://www.intershift.jp/w_meat.html


    【目】
    はじめに なぜ肉に魅了されるのか 006

    第1章 肉食動物の進化の物語 018
    肉食の誕生/菜食だったヒトの祖先/肉食へ転換したわけ/ヒトの身体は肉食向きではなかった/狩りのやり方

    第2章 肉が私たちを人間にした 042
    自己顕示・駆け引き・セックス/大きな脳と社会生活/地球各地へ散らばる力/対立遺伝子E4/肉は特別だった

    第3章 肉食の栄養神話 066
    肉飢餓/タンパク質神話/鉄分、亜鉛、ビタミンなのか/肉食と菜食の健康を比べる╱生殖能力への影響

    第4章 惹きつけられる味の秘密 090
    風味の知覚/芳香と脂肪/「うまみ」とパンダ/味覚の遺伝子

    第5章 肉をおいしくする方法 113
    神戸牛と黒豚/ストレスが肉質を悪くする/コストと品質をめぐる戦い/冷却収縮/柔らかく、ジューシーにする強化剤

    第6章 もっともっと欲しくなるように 135
    「夕食はビーフ」/隠れたコスト/業界からの圧力╱ハンバーガー対オプラ

    第7章 人は食べたものでできている 156
    文化と象徴/本当の男は肉を食べる/セックスとのつながり/富と権力/民族のアイデンティティとして

    第8章 菜食主義が失敗したわけ 181
    ピタゴリアン/肉食とキリスト教/ケロッグとグラハム/世界初のベジタリアン団体/肉への回帰/なぜ普及しなかったのか

    第9章 ベジタリアンになる人、 なりにくい人 204
    「ベジ」になる理由/遺伝子の影響?/不協和低減戦略」/習慣・料理の技術・社会的な支持

    第10章 肉のタブーがある理由 228
    なぜ特定の肉はタブーなのか/馬肉が嫌われるようになったわけ/犬を食べる習慣/賢い動物だから食べない?/すべては経済の問題か/文化的な標識

    第11章 急速に肉のとりこになるアジア 251
    アジアの肉への飢えは満たせるか╱栄養転換╱インドのピンク革命╱中国の食糧安全保障

    第12章 肉食と地球の未来 276
    肉税・文化的な変革/肉のない地球/肉の代替品を求めて/培養肉をスーパーで/素晴らしき新世界/おいしい模造肉

    エピローグ 栄養転換ステージ5へ 301

    謝辞 306
    解説 310

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人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてにの作品紹介

<肉食が私たちを人間にした>

食べ物がほかに豊富にあっても、
肉食にこだわる欲求を「肉飢餓」という。

健康にも地球環境にも良くないと言われても、
人類は肉を愛し、やめられない。

いったい、なぜ私たちは肉に惹きつけられるのか?

・ヒトの進化
・文化や象徴
・セックスと権力
・おいしさの秘密
・栄養の真実
・菜食主義の失敗
・アイデンティティ
・売り方の戦略
・・・

壮大(250万年)なスケールで、
肉がもたらしてきた恵みと虚構を解き明かす。

急速に肉食化が進むアジア、
食肉が足りなくなり、環境も悪化する地球の近未来。

人類の肉への愛と妄想は、はたしてとめられるのか?
本書は、新たな食スタイルによる、栄養ステージの転換を提唱する。

★『Nature』誌 ベスト・サイエンス・ブックス(週間)
★リチャード・ランガム(ハーバード大学人類学教授)推薦!

『ウォール・ストリート・ジャーナル』『タイム』
『ワシントンポスト』『ディスカバーマガジン』『サイコロジー・トゥデイ』ほか、
多数メディアで絶賛!

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::著者:: マルタ・ザラスカ
サイエンス・ジャーナリスト。『サイエンティフィック・アメリカン』『ワシントンポスト』
『ニューズウィーク』『ニューサイエンティスト』など多数のメディアに寄稿。

::訳者:: 小野木明恵
翻訳家。訳書は、ジョン・メディナ『ブレイン・ルール』 、ジョン・パウエル『響きの科学』、
ディードリ・バレット『加速する肥満』など多数。

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::目次::

はじめに: なぜ肉に魅了されるのか
第1章: 肉食動物の進化の物語
第2章: 肉が私たちを人間にした
第3章: 肉食の栄養神話
第4章: 惹きつけられる味の秘密
第5章: 肉をおいしくする方法
第6章: もっともっと欲しくなるように
第7章: 人は食べたものでできている
第8章: 菜食主義が失敗したわけ
第9章: ベジタリアンになる人、なりにくい人
第10章: 肉のタブーがある理由
第11章: 急速に肉のとりこになるアジア
第12章: 肉食と地球の未来
エピローグ: 栄養転換ステージ5へ

人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてにはこんな本です

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