校長は見た!酒鬼薔薇事件の「深層」

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著者 : 岩田信義
  • 五月書房 (2001年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772703499

校長は見た!酒鬼薔薇事件の「深層」の感想・レビュー・書評

  • (2015.09.06読了)(2015.09.04借入)
    1997年の神戸児童連続殺傷事件の犯人である少年Aが通っていた神戸市立友が丘中学校校長を務めていた方の書いた本です。
    少年Aに関する本をいくつか読んだので、他にもあるかなと、図書館の蔵書検索で検索してみたら、この本がヒットしたので、借りてきました。
    事件の渦中にある学校の校長先生というのは、どんなのだろうと思って興味深かったのですが、興味に応えている部分もあるし、期待外れの部分もあります。
    校長先生というのは、学校の長ではあるけれど、教育委員会の下部組織という感じで、いわば会社組織なら支店長という感じなのでしょうかね。
    バックがついているので、ある意味では、心強いけど、ある意味では煩わしいというか面倒くさいというか。
    事件が発生すると、まず、生徒をどうするか、行事をどうするか、生徒やPTAに対する説明をどうするか、教育委員会への連絡、など、考えたり決めたりしないといけないことが、結構ありますネ。会社でもいろいろありますが、プロがいるので、学校ほど大変ではないでしょう。
    犯人の家族、被害者の家族も、マスコミの取材攻勢には、大変な思いをしたようですが、校長先生も大変だったようです。驚いたのは、第一発見者の学校管理員が容疑者と疑われ、家の近くにマスコミの方が張り付いたということです。逮捕の瞬間を撮りたかったようです。事件の常道ということのようです。
    土師淳君の事件の前に、山下彩花さんの事件があったわけですが、その際、目撃者の証言から、犯人が友が丘中学校の制服を着ていたので、生徒の顔写真を見せてくれないかと依頼された時、個人情報なので見せられないと断った件について、校長先生はどう書いているか興味がありました。
    一般の人からの依頼の場合は、断るのが常道で、警察から依頼があれば、提供すると答えたと書いてあります。従って、警察が本腰を入れて捜査しなかったのが、土師淳君の事件につながったということです。友が丘中学の生徒かどうかも分からなかったし、とも書いています。生徒の写真を見せてもらうようお願いした方は、友が丘中学の制服を着ていたので、と書いているのですが。
    本の内容の主力は、マスコミの報道内容の検証に注がれています。
    土師君の頭部は、最初、学校の塀の上に置かれ、その後正門の柵の手前の地面に置き直されたとか。不審な男が目撃されたとか、男の身長は170センチぐらいとか、ブルーバードが目撃されたとか。遺体が見つかったタンク山のアンテナ基地の南京錠が取り換えられていたとか。真相は謎です。
    少年Aが逮捕された後は、少年Aが先生から体罰を受けていたという報道を執拗に繰り返したのが、朝日新聞ということで、そのことに、著者はかなりかみついています。
    実際には、少年Aに対する先生からの体罰はなかったということで、他の新聞では、そのことには、触れていないとのことです。
    朝日新聞としては、犯行動機として先生の体罰に対する恨みという筋書きにより学校現場の糾弾をもくろんだのでしょうが、筋違いだったようです。
    記事のねつ造だったサンゴ事件や証言の裏を取らずに掲載するという朝日新聞の昔からの体質をよく表しているようです。朝日の読者の求めに応じた記事を書くように努めている、ということなのでしょう。

    【目次】
    第一章 校長は見た
     正門の変
     電話が使えん
     マスゴミの包囲
     ほか
    第二章 深まる事件の謎
     落ちた?頭部
     消えたブルーバード
     学校を指す挑戦状
     ほか
    第三章 マスコミ狂騒曲
     根もハもない記事
     「朝日」の捍造記事
     つくられた「学校への憎悪」
     ほか
    第四章 マスコミ撃退法教えます
     セオリー①取材拒否
     セオリー②事前検閲
     セオリー③映像拒否
    第五章 結びに代えて

    ●第一通報者(24頁)
    なぜ管理員が疑われていたのか? それは頭部発見の第一通報者であり、再三の事情聴取を受けていたからである。
    第一通報者が疑われる点では松本サリン事件と似ていた。
    ●マスコミ(31頁)
    波のように押し寄せ、藻のようにからみつくマスコミ、クラゲの大群にも似たガセネタ・誤報を浮遊させるマスコミ、ゴミの山とタバコの吸殻を学校前に撒き散らすマスコミ、学校関係者を苦しめ保護者を混乱に陥れるマスコミが、現場校長に「対決」を強いたのである。
    ●生徒の写真(93頁)
    ショックハンマー事件の直後、被害者の父親から、友が丘中学に電話があった。
    「生徒の写真を見せてほしい」
    というのである。
    「警察に届けてもらえば、警察の捜査には協力します」
    と答えた。
    その時点では、「学生服の若い男」が友が丘中学の生徒であるかどうかは分からなかった。
    Aに限らず、どの生徒の写真にしろ、当の生徒の保護者に無断で、他校の保護者に見せることは、人権問題になりかねない。
    ●少年A(100頁)
    Aの名はこの事件(ショックハンマー事件)の直後に浮上した。「彼がやったのではないか」の風評が、生徒や教職員の間からだれ言うとなく広がった。
    Aには、問題行動が飛び抜けて多かった。正確に書けば、風変わりな行動が多かったのである。
    彼は他の生徒のシューズを隠し、燃やしていた。テニスのラケットで他生徒の頭を叩くという行為もあった。何もしていない相手の後ろから、いきなりラケットで叩いたのである。カッターナイフで他生徒の自転車のタイヤも切る行為もあった。

    ☆関連図書(既読)
    「彩花へ―「生きる力」をありがとう」山下京子著、河出書房新社、1998.01.02
    「彩花へ、ふたたび―あなたがいてくれるから」山下京子著、河出書房新社、1998.12.25
    「彩花がおしえてくれた幸福」山下京子著、ポプラ社、2003.11.09
    「淳」土師守著、新潮文庫、2002.06.01
    「「少年A」この子を生んで……」「少年A]の父母著、文芸春秋、1999.04.10
    「少年A矯正2500日全記録」草薙厚子著、 文芸春秋、2004.04.10
    「犯罪被害者の声が聞こえますか」東大作著、新潮文庫、2008.04.01
    「なぜ君は絶望と闘えたのか」門田隆将著、新潮文庫、2010.09.01
    「天国からのラブレター」本村洋・本村弥生著、新潮文庫、2007.01.01
    (2015年9月7日・記)
    (「MARC」データベースより)amazon
    サカキバラ事件の渦中で、校長の見た数々のマスコミ報道に関する「謎」。犯人像の明らかな違い、遺体発見の場所、見当違いの犯行動機。報道の裏に隠された学校バッシングに対し、友が丘中学校元校長が語る警告の書。

  • 酒鬼薔薇事件を学校側から見た本かと思ったら
    大部分はマスコミ、特に「朝日」の報道に対する報道批判だった
    ちょっと思ってたのと違った

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校長は見た!酒鬼薔薇事件の「深層」はこんな本です

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