子乞い―沖縄孤島の歳月

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著者 : 森口豁
  • 凱風社 (2005年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773629064

子乞い―沖縄孤島の歳月の感想・レビュー・書評

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  • テレビドラマ「瑠璃の島」を見て以来、ずっと気になっていた鳩間島。今回訪れる機会があったため、事前に本書を読むことにした。
    読む前は「瑠璃の島」の爽やかなイメージを想像していた。しかし、読み進めるうちに、人口減少にあえぐ小さな島の生き残りをかけた営みは、きれいごとだけでは語れない現実的な問題を浮き彫りにしていた。たまたま、その後に西表島でガイドをしている方からきいた「西表島は、仕事があって、健康であればいいところ」という言葉もまさに本書で提起している人口減少地域の問題に合致していた。
    この現象は、今後過疎化、少子化が進む日本でも増えてくるであろう。仕事や子供を社会に生み出すことの重要性を感じる一冊であった。

  • 沖縄の人頭税、妊婦が岩を飛び越えて自分もろとも子供を下ろされる、琉球王国時代の悲しい歴史...学校の歴史だと沖縄戦の悲惨さは習うけれど、それ以前の歴史についてほとんど知らなかったから、暖かい温暖な気候と子沢山でおおらかな人々というイメージしかなかった。
    沖縄県民が今も本土をどこか憎んでいるような話を聞くと、戦中のことや戦後の分断による経済格差が原因なのかとどこかで思っていたけれど、人頭税による島民の移動、それにより何百年も繰り返し引き離される家族や恋人、その惨い歴史を知って、それを全然知らなかったことが結構ショックだった。

    この本で描かれる問題は江戸時代と一緒で沖縄が本土復帰したがために、再び人々の移動が始まり、島の住民が減っていき、島の最後の行政機関である小学校の存続のために、子供を外部に乞い、痛切な思いで親元から引き離すという、連綿と続く現実。

    当時成海璃子のフレッシュさで話題にはなっていたけれど、見てなかった瑠璃の島の原作だったらしい。今は話題になったことで、小学校存続のために別の対策が採られるようになったみたいで良かった。
    連れてこられた少年少女の前向きさが救いだけれど、過疎の密な人間関係の中で新しくやっていこうとする若者の苦悩や、島を守ろうとする年寄り達、離島の暮らしというものがよくえがかれているノンフィクションだった。
    ドラマも見てみたいと思う。

  • 幼い頃、ドラマ「瑠璃の島」を見て、鳩間島の自然やそこに住まう人々の海と共にある生活に強い憧れを抱いた。
    石垣島から北に五キロ、周囲四キロ、人口42人の小さな島。
    島民は島の存続のためにあれこれ手をつくすも、現実は冷酷に島を置き去りにする。
    現在は石垣島との定期便が作られ、観光客も年間一万人を超えるほどの観光地になった。学校も海浜留学を取り入れ、存続している。
    島の活性化を島民が夢見る一方で、海は変わらずそこに存在し続けている。島民が守りたい伝統とは一体なんなのだろうか。

  • ドラマ「瑠璃の島」や漫画「光の島」の原作になった実話です
    島の存続のため、その中心となる学校を廃校にしないために島外から色んな事情を抱える子供たちを里親として育てる…
    文章で書くとそれだけですが、現実にそれがどれほど大変なことなのにかは想像も容易いことですね

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子乞い―沖縄孤島の歳月を本棚に「積読」で登録しているひと

子乞い―沖縄孤島の歳月の作品紹介

80年代初頭、小学生がたったひとりになった鳩間島の住民は、親戚の子を島外から借りてきてまで小学校を存続させようとした。いまでは全国各地から居場所を失った子どもたちがこの島へやってきて、自分らしさを回復して帰っていく。でも子どもたちは、はたして海や空の青さだけに癒されるのだろうか。TVドラマ「瑠璃の島」前史。

子乞い―沖縄孤島の歳月の単行本

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