- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784773897159
感想・レビュー・書評
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若き日のチェ・ゲバラの南米大陸旅行日記。
主な舞台となる国はアルゼンチン、チリ、ペルーです。
前半は若者の放埓な旅日記といった趣きですが、後半に入ると旅先で見聞きしたものへのシリアスな洞察が多くなり、のちの革命家として一面を伺わせまるものに変わっていきます。
モーターサイクルと題しながら、バイクでの旅はせいぜい序盤四分の一程度で故障している時期も多いため、あくまでバイク旅行記を楽しみにして本書を手に取る方はご注意を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
革命家「チェ•ゲバラ」としてでなく、23才のゲバラとアルベルトという2人の医学生による、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ベネズエラを巡る放浪記。タイトルには「モーターサイクル」とあるが、ポデローサⅡ号は、途中で壊れ、あとはヒッチハイク、イカダ、密航の旅となる。
男2人の図太く、タフな旅行だが、
文学的な表現や、ユーモアが利いた比喩が多くて面白い。訳し方も上手なのだと思う。
印象的なのは、ペルーで誕生日を迎えたゲバラが、祝ってもらったお礼の演説のシーン。
最終的にはアルベルトはベネズエラのカラカスに留まり、ゲバラは帰国し卒業。再びアルベルトに会いに旅を始めた途中でカストロと出会って革命に加わったそうな。 -
チェ・ゲバラが医学生の頃の一人の友人との旅行記。旅行中にゲバラが感じていたことが読者にリアルに伝わってくるような語り口が心地よい。ゲバラは旅を通して、貧しい人々に必要なことは、自身の医学的な知識よりも、何世紀もの間踏みにじられてきた彼らの尊厳を取り戻せるような社会を創造することなのだという意識を高めていく。
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南米の革命家として、あまりにも有名なアイコンになっているチェ・ゲバラが、まだ革命に身を投じる前、冒険好きな医学生だった頃に、友人と二人で南米を旅したときの日記だ。
南米の貧しさと格差について考える、後のゲバラの活動の片鱗を思わせるような叙述もあるにはあるけれど、どちらかというと、瑞々しい視線で様々な国を訪問し、不平や不満も言い、ズルもして、女の子に浮かれたりもして、タカリながら旅をするゲバラの可愛らしさが印象的だった。
この、感受性の強く、優しさも狡さもある青年が革命家になるのか、と思うと不思議な気持ちになる。
今もなお、多くの問題を抱えているだろうに、なぜかあまり社会問題として語られることのない南米について、より詳しく知りたくなった。 -
チェ・ゲバラが弟と南米を旅するところから始まる。チェ役の俳優が好きで観たのもあるんですが最後まで見入ってしまいました。彼らの旅の道中で出逢う人々、そして人間が持つ温かさというかそれがとても自然に描かれているので、映画と言うより、ドキュメンタリーを観ているような感じ。それが良い味を出していたかもしれません。
DVDが発売されているだろうけど見つかりませんでした。(涙) -
この本は若きチェ・ゲバラと兄貴分のグラナードがブエノスアイレスから、ベネズエラのカラカスへらい病(あえて使います)の治療法を求めてぼろバイクで南米を縦断する物語である。
密航やら、なにやら、やんちゃなチェがそこにいるが、同時に当時グラナードを尊敬し、医療でこの世の中が良くなると考えていたまじめなチェもそこにいる。そして、旅の中で貧しい人々、どうしようもない虐げを視るに従い、医療ダケではなく社会に興味を持っていくきっかけをつかむ物語だ。
革命家としてのチェも魅力的だが、ここにいる多感で、時には自分をコントロールしきれない荒削りな若きチェもとても魅力的だ。
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買ったばっかりなのです
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映画にもなった、革命家が医学生だった頃のバイク旅行記。青春時代の希望と不安が入り交じる成長の記録としても秀逸。