パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

著者 :
  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774138978

作品紹介・あらすじ

ソフトウェア設計の定石集デザインパターン、アジャイルな開発手法XP(エクストリームプログラミング)、知のコラボレーションシステムWiki、半世紀にわたる歴史物語、すべての起源は、建築家アレグザンダーにあった。

感想・レビュー・書評

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  • 『個人的な生活に置いて、平均的な生活に従うことを強制されていると個性を保てない』
    家族で生活しているときの居間は、
    父にとってはテレビを見る場所・
    母にとっては本を読む場所・
    子どもにとってはゲームをする場所と様々な解釈があり、
    その機能はオーバーラップして存在している。
    そんな場所で「テレビを見ること」しか許されていなければ、多様な価値観は形成できない。
    『良い都市とは、その人が個性的に生きることが許されているものである』
    そういう構造を創るための方法論とは?

    個人的にはそのまま「理想の構造」についての考察が続けば嬉しかったが、歴史的な流れに力点を置いて話が進んでいった。
    そういうのを期待している場合、後半に関してはおススメできない。

  • Thu, 13 May 2010

    アレクザンダーのパターンランゲッジの話しは,研究室でもよく聞いていた.しかし,そこと Wiki , XP(エクストリームプログラミング)との関係性は見えていなかった.
    ようは,アレクザンダーのパターンランゲッジというよりかは,
    利用者参加の建築,街づくりという点であろう.

    ソフトウェアでこそ,それが必要というところで,
    Wikiの話になっていくのだが,
    これらのキーワードを縦糸で紡いでいるところが,面白い一冊ではある.

    ただ,その縦糸が必然の,必要不可欠な縦糸かというと,そうともいいきれないように,受け止められた.

    ある意味で,一つの解釈であり,その解釈でみると,
    これらの流れが,関係づいてみえるということだろう.


    ちなみに,アレクザンダーのパターンランゲッジはセミラティス構造を
    押しているが,それでさえ,要素還元論的な心象を受ける.

    まあ,ともあれ,利用者参加は,あらゆる局面で重要である事は,もはや明らかであり,その縦糸はよく分かる一冊であった.

  • 江渡さんの本。読んだことなかったので読んでみた。
    Wikiのルーツについて、源泉にさかのぼってものすごく詳細にかかれていた。
    パターン・ランゲージも読みたい。

    --
    人工都市がツリー構造になってしまう理由は、人間の認識能力に限界があるから
    『XPエクストリーム・プログラミング入門』
    40時間ルール:週40時間以上働かない。これを2週続けて超過しない
    Wiki Wiki Web の Wiki とは「すばやい」「quick」のハワイ語

  • デザインパターン、Wiki、XPの起源について。これを知ったから新たな何かを出来るようになるような書籍ではないですが、今やシステム開発での利用が常識となりつつあるこれらのものがどのように生まれたか知ることは自分の思考のヒントになるのではないでしょうか。

  • パタンランゲージのことを勉強したくてこの本を読んだ。
    第一部は、ソフトウェアに全く関係なく、アレグザンダーの建築のことが述べられている。
    パタンランゲージに興味なかったら頭に入っていなかっただろうと思うと、今のタイミングで読んでよかった。

    パタンランゲージの片鱗だけでも理解できただろうか。もっと奥深そうだなぁ。

    -引用-
    アレグザンダーの思想の中心にあった価値観は、無名の質を備えた建築を作り上げることでした。無名の質とは、古い年の調和した街並が備えている生き生きとした建物や町が持つ特性です。
    ベックは無名の質を備えたソフトウェアを目標とし、カニンガムは無名の質を備えたWebサイトを目標としたのだと言えるのではないでしょうか。


    パターンと同じように、ここの意味や社会的背景、組み合わせ規則といった性質を持つものがほかにもあります。それは「単語」です。人は単語を組み合わせて文を作ります。このような活動と概念の集合を言語と呼びます。...そのために、1つの建築活動に必要なパターンの集まりを「パターンランゲージ」と名付けたのです。

    6つの原理
    1. 有機的秩序の原理
    2. 参加の原理
    3. 漸進的成長の原理
    4. パターンの原理
    5. 診断の原理
    6. 調整の原理

  • 無名の質の漸進性。
    アレグザンダーのパターンランゲージに始まり、その思想がwikiやxpやデザインパターンへとつながる。
    都市は生き物であり、建築から見えたパターンに込められた意図の表出化がソフトウェア世界につながる歴史の連なりが見事。
    tracがめちゃくちゃ懐かしかった。
    wikiにしろ共同編集のナレッジ場は作り続けないと形を成さないし、
    xpもプラクティスであってルールとして使うとうまくいかない。
    また、デザインパターンも全てのパターンを表しているというより、自らのパターンの礎として捉えると。
    名前をつける重要さ慎重さがソフトウェア業界にもあるが、アレグザンダーから繋がってるのかもと思えるお話だった。
    思考の手掛かりとして概念の話として参考になるし、手元のアレグザンダーの難解な著作を読み直す気になった。

  • 09/8/29
    小山龍之介 推奨

  • TVで 江渡さんのことを知ったので、本を読むことにしました。

    ・ デザインパターン、XP(エクストリーム・プログラミング)、Wiki
    ・ Alexander,Christopher

    読むつもりが、今は必要性がないので気が乗らず、返却しました。
    こういう本があるとわかっただけでも収穫です。

    2014/06/03  予約 6/5 借りて読み始める。ぱらぱらっとみて終わる。

    内容と著者は

    内容 :
    1960年代の建築家クリストファー・アレグザンダーによる「パターンランゲージ」を起源とするデザインパターン、Wiki、XP。
    建築の世界で生まれた思想がソフトウェア開発の世界で花開くまでの過程をたどる。

    著者 : 江渡浩一郎 → Login etolab@AIST
    1971年生まれ。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
    独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センター研究員。

  • あとで書く。

  • サイエンス
    コンピュータ

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著者プロフィール

(ニコニコ学会β実行委員長・プログラム委員長)
1997年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2010年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。メディアアーティストとして、「sensorium」でアルス・エレクトロニカ賞グランプリを1997年に受賞。国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員として「利用者参画によるサービスの構築・運用」をテーマに研究を続ける傍ら、2011年11月に「ニコニコ学会β」を立ち上げた。おもな著書に『進化するアカデミア』(イーストプレス)、『ニコニコ学会βを研究してみた』(河出書房新社)、『パターン、Wiki、XP』(技術評論社)。

「2016年 『ニコニコ学会βのつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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