正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~ (ぐっと身近に人がわかる)
- 技術評論社 (2010年9月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774143507
作品紹介・あらすじ
現代人の多くが心に抱える不安障害という病気について精神科専門医・元衆議院議員、水島広子先生が正しく解説。読むだけでも不安が軽くなるように書かれています。
感想・レビュー・書評
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不安はただの感情。正しく使えば、自分を守ってくれる。問題なのは、自己肯定感。ここが揺らぐと、病気に繋がる。
不安が強い親は、不安が強い子育てするし、遺伝もあり、不安が強い子が育ちやすい。
不安が募る時は、怖れず、正しく休む。物事から距離を取り俯瞰する。回避はしない。今を生きることに集中する。過去からの過程を褒める。いたずらに未来を見つめ焦らない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぼくは全般性不安障害を治療中で、不安障害の基本を知りたくて手に取った一冊。不安は何のためにあるか?という素朴な疑問から、具体的な病気の解説や治療法まで、一通りのことが読みやすく書かれている。いわゆる家庭の医学書のような病気の解説書という雰囲気ではなく、読んでいく内に不安障害の知識が自然と入ってくる構成になっているところもよかった。
サブタイトルの「不安を理解し怖れを手放す」という言葉にとても納得した。「単なる感情である限りは、ただの不安なのですが、不安を怖れてしまうと、『不安のお化け』になるのです。」不安は生きていく上で大切な感情で、必要な時に出てくるもの。それでいいんだよね。
「解決できる不安と感じるしかない不安を区別する」
「不安は不安として表現されるだけではない」
など、不安の中身を解説してもらえたことで、客観的に考える基礎が学べた。
あと、呼吸の話も参考になった。「鼻で息をしている限り、過呼吸になることはまずありません。」というのは盲点だった。一分間に十回の呼吸(三秒間で息を吸い、三秒間で息を吐く)というコントロール方法も知ることができてよかった。
対人関係についての不安で解説されていた「役割期待のずれ」もよくあるなあと。「曖昧なコミュニケーション」「わかっているはずだという思い込み」「相手の言いたいことを確認しないで理解した気になっている」「黙っている」というずれを広げるコミュニケーションはやってしまいがちなので注意したい。
不安障害で悩んでいる患者さんはもちろん、その人にどう寄り添えばいいかわからないという方にもわかりやすい一冊だと思う。 -
不安障害についてを易しく解説する本です。不安自体は身の危険を知らせる正常な感情ですが、これによって日常生活に支障が出ると不安障害です。不安障害は、不安に対する怖れ、つまり不安に対して不安感を感じる悪循環によって起きるとのことです。その際は、不安であることを問題視するのではなく、不安が起きたとき自分が何を認知しているのかを客観的に見ると良いそうです。僕も強い不安性でなかなかこういった視点を身につけるのは難しいですが、改善の手立てになるといいなと思います。
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わかりやすくまとめられている本だった。
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よくある無理やりポジティブに持っていくような本ではなく、不安を実物大に捉えましょう(コントロール感覚を持ちましょう)という方法がとても納得できた。不安の構造を知り、自分の現在の状況と理想の形がわかっただけでも、読後不安が軽減された気がした。具体的な方法は簡略的に書いてあったので、認知行動療法と対人関係療法を別の本でもう少し学んでみようと思う。
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不安障害の入門書に、とても最適だと思う。
わかりやすい言葉と、図などもあり、読みやすい。
不安障害でなくても、心配性の人にも役立つ本。 -
基本に返れました。
読んで少しだけ、不安を手放せれたかなと。 -
不安障害を分かりやすく説明された本。
不安障害は通常の人にもある特徴であるが、病気としてとらえることで、トラブルを解消し、コントロール感を持つためには重要である、という論旨である。
治療としては薬物治療、認知行動療法、対人関係療法の3つがあり、作者は対人関係療法で有名な方である。
対人関係療法では役割期待のずれに着目して、役割期待の調整という考え方でコミュニケーションのずれを解消していくアプローチをとっている。 -
不安と回避の悪循環の構造は理解できるのだが、回避しない場合にさらに状況が悪化するリスクについての説明がない。が、入門書としてはよくできていて、不安というものの正体というか、分類・識別は可能になる。但し、対処法については不十分か。素人による解決は難しそうだし、さらに悪化する可能性もあるので、やはり専門家による診断・治療が必要だろう。