プロセッサを支える技術  --果てしなくスピードを追求する世界 (WEB+DB PRESS plus)

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774145211

作品紹介・あらすじ

自身でプログラムを書きコンピュータシステムをより効率的に動かしたい、という人を対象にしたプロセッサの解説書。プロセッサに搭載されている高性能化技術および内部構造、働きを中心に解説し、どのようなプログラムを書けばプロセッサの実力を引き出せるかも説明を行った。なお、プロセッサの設計と言うと、AND、ORなどの論理回路を用いた論理回路レベルのハードウェア設計を連想されるかもしれないが、本書では論理回路よりもハイレベルのプログラマとのインタフェースとなる「マイクロアーキテクチャ」と「命令アーキテクチャ」に焦点を当てている。

感想・レビュー・書評

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  • 1章 プロセッサとコンピュータシステムの基礎
     コンピュータを構成する主要素を説明
      ・プロセッサ
      ・メモリ
      ・入出力装置
    2章 プロセッサの変遷
     省略
    3章 プログラマのためのプロセッサアーキテクチャ
     マイクロアーキテクチャ
      パイプライン
      キャシュ
       速度低下を引き起こすスラッシングの対策など
      RISCとCISC
      演算器の高速化
       分岐予測
     プロセッサの利用範囲を広げるアーキテクチャ
      ・仮想化
     x86 Nehalemアーキテクチャのプロセッサ
      x86の詳細説明
    4章 仮想化サポート
     ユーザーの分割、サーバー稼働率の向上に寄与する仮想化について説明
    5章 マルチプロセッサの出現と普及
     まずはスレッド、マルチスレッドについて、マルチプロセッサについての説明があった。 
    6章 プロセッサ周辺技術
     メインメモリ
     入出力装置の接続(PCIバス)
    7章 GPGPUと超並列処理
     GPUの概略説明と必要性、画像処理から超並列処理への遷移
    8章 今後のプロセッサはどうなっていくのか?
     すべては熱(消費電力)が支配する

    プロセッサの中身を知っておくと高速に処理できるプログラムを書ける。

  • CPUなどのプロセッサに関するアーキテクチャと,仮想化やメモリなどの周辺技術に関する参考書.プログラミング中ほとんど意識しないが,しかし絶対に知っておいた方がいいプロセッサやキャッシュの仕組みを多様な図を使用して解説している.真空管やドラム式メモリなどの歴史も載っており,読み物としても読みやすい.いまやバズワードとなったクラウドになくてはならない仮想化技術や,スパコンでの実績から注目度が日増しに高くなってきているGPGPUの特徴も記載されている.

  • Intel Core i 世代のマイクロプロセッサまでカバーする最新のマイクロプロセッサ解説書だ.
    残念なのは図による解説が少ないことだ.
    マルチプコア・共有キャッシュ等については,2004年刊だがCQ出版社「マイクロプロセッサアーキテクチャ入門」を併読されるようお勧めする.今でも基盤は変わっていない.
    仮想化に関しては,たとえばIDGジャパンの「サーバ仮想化テクノロジガイド」2008刊などの併読をお勧めする.

  • 雑誌やWEBなどでメモリやCPUのスペックがらみの話を読んでもいまいち理解できなかったのだが、本書ではそれらの記事ではいちいち解説してくれない事柄まで包括して説明してくれているのでこの分野での基本的なことは抑えることができたと思う。
    本書のシリーズに共通して言えることだが、基本が抑えきれていない私のような人に対して最終的に少し踏み込んだコアな部分も理解できるような構成、展開となっているところがとても良い。

    内容的には、マイクロアーキテクチャの話が特にためになった。
    マイクロアーキテクチャを知ることによりメモリ、CPUを効率的に利用するための勘所を得るだけでなく、優れた実績のある方式として、一般的なプログラムに対して処理を高速化するためのヒントとなるので、学ぶ価値は非常に高いと思う。

    キャッシュ・TBLの話、マルチスレッド、マルチコア、マルチソケットの話、特にキャッシュコヒーレンシをとるための方式の話はおもしろい。

    ただ、メモリアーキテクチャや外部IFの話はまだ敷居が高く感じた。

  • 既に発売から10年が経過しているが、プロセッサに関わる技術の分かりやすい本としては今でも良本と呼べると思う。
    さすがにNehalemの細かい記載は懐かしいが、メモリ周りから仮想化まで、非常に詳細かつ分かりやすい。
    内容的には、情報処理試験で学ぶこととかなり重複するが、ここまで分かりやすく説明してくれる試験用教科書は無いと思う。

    私の本業に係わることも有り、星5つの評価としておく。

  • 基本的な内容が多い。仮想化、GPGPUあたりは割と最近の話で参考になる。

  • 「コンピュータ設計の基礎」と同じ著者。
    内容も濃くて、なかなかです。

  • AND演算、論理回路、半加算器と順を追って説明を、というわけではなく、プロセッサ・メモリ・入出力装置とアーキテクチャの外観を示してからのパイプライン・キャッシュ・分岐予測と技術の詳細を解説していく表題の通りプロセッサ本。

    メモリ管理機構や割り込み処理など基盤となる技術要素に留まらず、仮想化サポート・Nehalemアーキテクチャ・マルチプロセッサのような最近の技術まで広範囲にカバーしているが、これがまぁ難しい。
    ページテーブル、TLBキャッシュ、仮想記憶、多階層化と順を追って構造を辿る間はすんなり読み進められるが、『センスアンプの読みだした1行分のデータの中の列デコーダで選択された部分に対して与えられたデータを書き込んでから、行デコーダで選択された行に書き戻します。』とキャッシュ、アドレス、ポインタ、デコーダみたいに物理レイヤのひとつ上の処理を辿る段で一気に置いて行かれる。

    昔読んだ詳細Linuxカーネルやカーネル2.6解読室などと非常に近いレイヤであるので、並べて読むと互いに補完できていい気がする。とはいえ自分にはもう一段、詳細な説明のレイヤが欲しいところであるが、この辺りは読める本を探すよりも、むしろ自分で作って触ることが正道だと思われる。
    裏を返せば「作るのには敷居が…。」と思っている人こそ、本書を読むべきだろう。どこをどう歩いても敷居に当たるならば、進める方向に進んでみよう。

  • 初心者ですが、一つ一つの意味がしっかり書かれています。
    とても読みやすいです。

  • 値段に対してものすごい内容の濃さの一冊。真面目に読むと数ヶ月かかりそうなので、斜め読みなので、また読み直したい一冊。手元にあって損はない。

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著者プロフィール

●著者Hisa Andoシリコンバレーで、1990年代に先端プロセッサの開発に従事。現在はフリーのテクニカルライターとして、プロセッサやスーパーコンピュータ関係の報道や解説を中心に活動している。『コンピュータ設計の基礎』(マイナビ出版、2010)、『プロセッサを支える技術』(技術評論社、2011)などコンピュータアーキテクチャ関係の7冊の著書がある。また、ブログでプロセッサ関係の話題を紹介している。博士(工学)。●特別寄稿(3.3節)西川 善司 Zenji Nishikawa(トライゼット)●技術監修(5.2~5.4/6.2/7.1~7.2/8.4節の一部)成瀬 彰 Akira Naruse(NVIDIA)

「2021年 『[増補改訂]GPUを支える技術 ――超並列ハードウェアの快進撃[技術基礎]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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