探査機でここまでわかった太陽系 ―惑星探査機とその成果― (知りたい!サイエンス)

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774147123

作品紹介・あらすじ

太陽系はどのようにしてできたのか、地球以外の惑星はどのような環境を持ち、生命は存在するのか。数え切れない疑問を解くために、最先端技術を注入したさまざまな探査機が惑星に送り込まれてきた。月探査をはじめ火星、水星、木星、土星、金星など、惑星探査により明らかにされた最新の事実を取り上げる。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年(2011年)6月にハヤブサがサンプルを宇宙から持ち帰ってきて日本中が盛り上がりましたが、太陽系の惑星に今まで多くの探査機が行ってそれなりの成果を上げているようです。

    この本では太陽系を構成する惑星についてわかったことが整理されています、また私が子供の頃には太陽系に含まれていた冥王星が太陽系から外された件なども取り上げてあり興味のある本でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・地球、月系の角運動量のみが他の惑星の比較して異常に高く、しかも材料物質が同じなのかを矛盾なく説明するには、原始地球の頃に火星サイズ(地球の10分の1)の天体が衝突したと考えるのが合理的(p48)

    ・月の表側と裏側では地形に大きな違いがある、裏側は高地で、表側は低地でありクレーターも少ない(p53)

    ・火星の大気の95%は二酸化炭素、窒素、アルゴンのほか、微量の水蒸気もある、重力は地球の3分の1程度(p62)

    ・火星にある火山(オリンポス山)は高さが2万7000メートルもあり、太陽系では最大(p91)

    ・火星は40億年くらい前では温暖で湿潤であったが、それ以降は乾燥して冷たい気候になった(p108)

    ・木星や土星がほかの惑星よりも大きいのは、その主成分が太陽系の元素存在度(水素、ヘリウム)が高い割合(98%)だから(p134)

    ・木星のメインリングは幅が6000キロで厚さは数10キロもあり、厚さは土星のものより大きい(p150)

    ・リングには絶えず粒子が供給されていなければならないが、木星の近傍を回っている衛星に隕石がぶつかて、そのときに飛び散った破片が供給源になっていると考えられている(p152)

    ・土星の大気の組成は水素(96%)とヘリウム(3%:質量比は24%)である(p170)

    ・土星の衛星であるタイタンの地表面にメタンがあることは、生命の前駆物質が存在していることを示す(p187)

    ・金星は質量は地球の80%、重力は地球の90%、平均密度は95%と非常に地球と近いが、地表環境は大きく異なる、大気圧は92気圧、硫酸でおおわれた分厚い雲や、大気が殆ど二酸化炭素なので、表面温度が500度に近い(p218)

    ・アメリカの惑星探査は物理学者、化学者が中心であるので、リモートセンシング技術により全球を軌道上から観測するのがメイン、ソ連は地質学者や化学者がメインであり軟着陸が目標(p235)

    ・金星には直径2キロ以下のクレーターはない、これは大気があるので小さい隕石が落下しても大気との摩擦により燃え尽きることを意味する(p236)

    ・冥王星は太陽系小天体の1つであるTNOの親玉という位置づけであったが、2005年に発見されたエリスは冥王星よりも大きく、これをきっかけに冥王星は惑星から準惑星となった(p267)

    2011年8月27日作成

  • 【新刊情報】探査機でここまでわかった太陽系 ―惑星探査機とその成果― http://t.co/nuqkksV 538.9/マ 数々の疑問を解くために、最先端技術を注入したさまざまな探査機が太陽系内の惑星に送り込まれてきた。惑星探査により明らかにされた最新の事実を解説する

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著者プロフィール

1946年静岡県生まれ。
1972年東京大学博士課程修了。
複雑理工学、地球惑星科学専攻。
現在、東京大学大学院教授。
著書 『宇宙人としての生き方』
『お父さんと行く地球大冒険』(以上岩波書店)
『惑星科学入門』(講談社)
『一万年目の「人間圏」』(ワック)
『地球・宇宙・そして人間』(徳間書店)
『宇宙誌』(徳間書店)など多数。
テレビ出演・雑誌等で活躍中。

「2005年 『「人間圏」の未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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