大気の進化46億年 O2とCO2 -酸素と二酸化炭素の不思議な関係- (知りたい!サイエンス)

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774147840

作品紹介・あらすじ

酸素と二酸化炭素、この2つの物質は、地球と生命の歴史に深くつながりがある。生物によって生み出され蓄積される酸素、地球黎明期から存在する二酸化炭素。地球と生命は、この2物質によって振り回されたといっても過言ではない。酸素と二酸化炭素に隠された46億年の歴史とは?そして地球と生命の運命は。

感想・レビュー・書評

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  • 酸素と二酸化炭素の変遷から読み解く壮大な地球史。

    特に近年になって研究の進んでいる全球凍結(Snow Ball Earth)をめぐる急激な(と言っても何十〜百万年単位の)気候変動と酸素と二酸化炭素の濃度変化のストーリーは秀逸です。

    以前に地球史について学んだことがあったが、地球上の酸素濃度が過去に最大35%もあったとか、逆に恐竜時代は今より酸素が薄かったとか、今の地球とは全く別の気候だったころの地球の物語に惹き込まれていきます。

    こんなにも激動の地球環境を知るにつれ、地球上に人間が生きられそうな時代は、ここ最近のほんの数百年しかなかった事実を思い知らされます。

    そんな人間が「地球にやさしい」だの「環境にやさしい」だの言ってるのは、おこがましいというか、実に馬鹿げたことですね。

  • 46億年の地球環境の変遷を、大気、特に酸素と二酸化炭素の循環に着目し、説明した一冊です。

    地球環境の変化と生物の誕生について述べた本は多々存在しますが、酸素と二酸化炭素に焦点を当てたものは初めて読みました。
    それぞれの循環を考えた上で、海洋、土壌、ならびに生物の増減や気温の急激な変動をこれだけうまく説明できるのは驚きでした。

    終盤には地球外生命体の存在の可能性についても言及しています。
    決して強く主張はしていませんが、この本の理論では一般に信じられている大気の問題に対して別のアプローチができるなあ、と感じました。
    全球凍結の話や、マンガン鉱床や酸素が生じた時代の鉱床の話題など、とても興味深いエピソードがありました。

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著者プロフィール

監修:田近英一(たぢか えいいち)
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・教授。理学博士。東京大学理学部地球物理学科卒業。東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了。専門は地球惑星システム学、比較惑星環境学、アストロバイオロジー。地球や惑星の表層環境の進化や変動、安定性に関する幅広い研究を行っている。2003年第29回山崎賞、2007年日本気象学会堀内賞受賞。公益社団法人日本地球惑星科学連合理事・前会長。日本学術会議第三部会員/地球惑星科学委員会委員長。著書に『凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語』(新潮社)、『地球環境46億年の大変動史』(化学同人)、『惑星・太陽の大発見 46億年目の真実』(新星出版社、監修)等がある。

「2023年 『大人のための図鑑  新版 地球・生命の大進化 -46億年の物語-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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