大気の進化46億年 O2とCO2 -酸素と二酸化炭素の不思議な関係- (知りたい!サイエンス)
- 技術評論社 (2011年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774147840
作品紹介・あらすじ
酸素と二酸化炭素、この2つの物質は、地球と生命の歴史に深くつながりがある。生物によって生み出され蓄積される酸素、地球黎明期から存在する二酸化炭素。地球と生命は、この2物質によって振り回されたといっても過言ではない。酸素と二酸化炭素に隠された46億年の歴史とは?そして地球と生命の運命は。
感想・レビュー・書評
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酸素と二酸化炭素の変遷から読み解く壮大な地球史。
特に近年になって研究の進んでいる全球凍結(Snow Ball Earth)をめぐる急激な(と言っても何十〜百万年単位の)気候変動と酸素と二酸化炭素の濃度変化のストーリーは秀逸です。
以前に地球史について学んだことがあったが、地球上の酸素濃度が過去に最大35%もあったとか、逆に恐竜時代は今より酸素が薄かったとか、今の地球とは全く別の気候だったころの地球の物語に惹き込まれていきます。
こんなにも激動の地球環境を知るにつれ、地球上に人間が生きられそうな時代は、ここ最近のほんの数百年しかなかった事実を思い知らされます。
そんな人間が「地球にやさしい」だの「環境にやさしい」だの言ってるのは、おこがましいというか、実に馬鹿げたことですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
46億年の地球環境の変遷を、大気、特に酸素と二酸化炭素の循環に着目し、説明した一冊です。
地球環境の変化と生物の誕生について述べた本は多々存在しますが、酸素と二酸化炭素に焦点を当てたものは初めて読みました。
それぞれの循環を考えた上で、海洋、土壌、ならびに生物の増減や気温の急激な変動をこれだけうまく説明できるのは驚きでした。
終盤には地球外生命体の存在の可能性についても言及しています。
決して強く主張はしていませんが、この本の理論では一般に信じられている大気の問題に対して別のアプローチができるなあ、と感じました。
全球凍結の話や、マンガン鉱床や酸素が生じた時代の鉱床の話題など、とても興味深いエピソードがありました。