あの人の声はなぜ魅力的なのか ~惹かれる声と声紋の科学~ (知りたい!サイエンス)

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774148540

作品紹介・あらすじ

声には不思議な特性があり、それを意識することで説得力のある声や、聞きやすい声を身につけることができる。

感想・レビュー・書評

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  • とはいえやはり魅力的な声とは「個人の好み」なのですね。普段何気なくやり過ごしていることをこうして科学の目で、客観的に観察するのは勉強になります。

  • 日本人は低くて響きがある声をいい声と感じる

    ポイントとなる言葉を繰り返す
    ポイントで話す速度を落として少し強めの声で話す
    コップ一杯の水で空気を通りやすくする、大きく口をあける、腹筋を鍛える
    1/f揺らぎとは:周波数と振幅

    生まれて初めて見たり聞いたりすることに敏感に反応して興味を示す:定位反射

  • 机上と実践、声紋の見方まで解るとより楽しそう

  • 1/fの揺らぎについて分かったような分からなかったような。でも解説はされていた。私の理解力が乏しいのだろう。

  • 数年前に中学卒業30周年の同窓会に出席したときに感じたのですが、私も含めて外観は変わってしまっても声はあまり変わらないようで、話をしてみて誰だか思い出したことを記憶しています。

    著者である鈴木女史は、声紋の研究を長らく続けていて、それを犯罪捜査にまで活用されているようです。

    この本には発声を上手にする方法や、「カラオケを上手に歌う歌い方」(p25)なども紹介していて興味の惹かれる内容もあり楽しく読ませてもらいました。特に、声をオシャレにするポイント(p147)は取り入れようと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・振込詐欺のポイントは、1分間に530字くらいの早口(一般には350字程度)でまくしたてておきながら、ポイントとなる単語のみは、300字くらいのスピードに落として印象付ける(p13)

    ・ヒトラーの演説も迫力があったが、腹式発声をしながら、リズムと「間」を巧みに使い分けていた(p16)

    ・声帯を振動させた空気は、咽頭、口腔、鼻腔などの声道(共鳴体)を取りながら、共鳴をおこし、数種類の周波数成分が放出されて混ざり合うことで「声」として聞こえる仕組みになっている(p25)

    ・鼻からの声と、口からの声が合流する、口から12センチ離した位置が、両者の声が融合して完全な声になるので、カラオケ時のマイクの位置として最適(p25)

    ・110デシベル以上の声で、1秒間に500-600回の振動数を与え続けることで、ワイングラスを破壊することが可能になる(p40)

    ・波の進行方向と同じ方向に媒質が振動するものを縦波という(p59)

    ・媒質(空気)の圧力変化、つまり粗密の振動の変化こそが、音の正体(p61)

    ・音の三要素は、高低・強弱・音色である、高低は周波数、強弱は振幅、音色は波形で測定する(p63)

    ・音色とは、基音と倍音(基音の倍数からなる周波数)の混ざり方で波形が決まり、音色を決めることになる(p68)

    ・モスキート音(17000HZ程度の高周波数)は、コンビニエンスストア近くにたむろする若者グループを撃退するためにイギリスで開発されたもの、20代後半になるとほとんど聞こえなくなる(p86)

    ・救急車のサイレンが近づくことは、過去に出した音に追いつく(音速が車速よりも速い)ので周波数が増加して高く聞こえる(p88)

    ・一定の周期的波形をもった音は、基本周波数の整数倍の倍音(正弦波)に分解できる、これはフーリエが提唱した理論(フーリエ解析)であり、フーリエ変換を用いて導き出せる(p97)

    ・自分が聞いている声は、声帯の振動や声道での振動が、骨を伝わって鼓膜や聴覚神経に届いたものが主になり、まったく違う経路により伝わってきた振動であり、低音が強調された、こもった声になる(p109)

    ・ヘリウムガスの中では、軽いため気圧が低くなり音速も速く(空気の3倍)なる、そのため声帯は振動しやすくなり周波数が高くなり、声は高めに変化する(p111)

    ・声の老化防止法は、カラオケを歌うこと、歌詞を覚えて歌唱するという行為は、声を若返らせるだけでなく、脳の活性効果も期待できる、声帯の緊張のさせ方、息の出し方、継ぎ方等、すべてが脳からの指令(p125)

    ・声をオシャレにするポイントは、音圧・話速・腹式発声・イントネーション・高周波成分である(p147)

    ・高周波成分の発声のポイントは、子音を、はっきりと発音すると、声に清潔感が感じられる(p150)

    2011年12月17日作成

  • 【新刊情報】あの人の声はなぜ魅力的なのか http://bit.ly/tDtwWA 491.3/ス その人の声をきけば、誰の声かわかるように、声は個性を特徴づける大きな要素である。音の研究・開発に携わってきた著者が、声の不思議な特性を解き明かす

  • 普段、耳にする人の声には、うっとりするいい声から、聞きづらい声もある。では、この違いはなにが違うのだろうか。また私たちは聞き覚えのある声であれば、複数の人が話していても、だれとだれの声かがすぐ分かります。私たちの聴覚に訴えてくる音とはいったい何なのだろうか。本書では、声や音の秘密を探るために科学的なアプローチをし、エピソードを交えながら、普段何気なく耳にしている音声の正体をわかりやすく解説していきます。科学警察研究所で、数多くの事件や事故の真相解明を手掛けてきた筆者ならではノウハウを公開します。身近に役立つ発声術も公開します。

  •  音の正体とは空気の圧力変化、疎密の振動変化である。いい声とわるい声の違いはなにか。結論からいうと好み、印象の問題に過ぎない。一方で、聞き取りやすい話し方、聞き取りにくい話し方は明確に違う。通常周波数が高い声は聞き取りやすい。デパートの呼び出しなどの多くは女声のアナウンスであることから経験的にも私たちは知っているだろう。とはいえ、いい声だと感じる人が多いような声がある。それは低く響きがある声だ。しかし、低い声というのは身長や声道など所与の条件に規定されているため、元々高い声の人が低い声を出すのは困難だろう。そこでより「いい声」にする方法を著者は提示している。

    【声をおしゃれにする5つのポイント】

    1 音圧 「強調したいフレーズや言葉は声のトーンを上げて話す」
    2 話速 「相手や話すポイントにあわせてスピードを変える」
    3 腹式発声を心がける
    4 イントネーション 断言するときは語尾を強調するなど
    5 子音の「かきくけこ」「さしすせそ」をはっきりと発音する。

    声質はやはり天性のものがあるので、どうにもできないが、声のおしゃれを施すことでアポステオリにいい声にすることはできるのだ。

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