地名は災害を警告する ~由来を知り わが身を守る (tanQブックス)
- 技術評論社 (2013年1月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774154299
作品紹介・あらすじ
震災により防災意識が高まった今、自分の住む土地の安全度を確認したい、という声が多くきかれるようになった。本書は地名の由来を知ることで、過去にあった災害を読み解き、自然とうまくつきあいつつ、最悪の事態を回避する知恵を提供する。引いて便利な災害地名リストを収録。
感想・レビュー・書評
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歴史
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「典型的な災害地名である」「水害地名だ」ばっかりで笑ってしまう。でも、単に災害を示唆する地名を上げていっているだけ以上の深さがない。結局それほど直接日常的な防災に繋がる内容ではなくて、豆知識のレベル。同じ地名を繰り返しあげるのにもうんざりした。各所に発表した文章をまとめるならうまく編集して欲しい。近所にある「廿里町(とどりまち)」は崩壊地名の自動トリなんだろうけど、斜面もあるしまあ多分そうなんだろうなと思った。
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いやはや。地理と日本史、おもしろかったですよ。
でも、これ真に受けると、日本全国全部が
災害地名で、住むところは無くなりますがな。
そんな勢い。
確かに本文で書かれているとおり、
災いは人が住むから災いとなるし、
地球の営みに比すれば、
一人の体験はほんの100年分くらいなのはわかる。
必要以上に煽られているように感じた。 -
東日本大震災後この手の出版が相次いでいる。興味があったので何冊か読んでみた。本書については若干がっかりした。『昔の人は災害の危険を地名という形で残していたのに、それを活用出来なかっただけでなく、「想定外」と逃げるのは言語道断』というのが筆者の主張である。
そうすると市町村合併や宅地開発によって新しい地名に変更したのは悉く「悪」ということになるらしい。私も古い地名はなるべく残したいと思うが、住民にとってはあまりイメージ良くない地名の変更は切実だ。例えば私の住む八戸市には、かつて「悪虫(あくむし)」という地名があった。宅地開発されるにつれ、何とかしてほしいという要望から「千田町(せんだちょう)」に変更されたと聞いている。
また、ずいぶん「災害地名」「水害地名」「瀕水地名」という言葉を多用している。きちんと根拠を示している場合もあるが、曖昧だったり全く根拠が示されなかったりで、これではごじつけではないかと思われても仕方がない。
残念なことは広島市の水害の前に出版されている為、それについては書かれていない。広島市の時にネットでも災害地名が話題になっていたので、これを筆者はどのように書くのか知りたかったところだ。 -
過去の災害に由来しているであろう危ない地名を細かく解説。
しかーし、関東(東京)の地名が主なので、地方に住んでる者にはあまり役に立たず。
危ない地名を全部覚える訳にもいかないし。
とりあえずは、巻頭カラーのとこだけコピーして手許に置いておくことに。
迅速測図をネットで見てみよう。 -
確かに過去においての災害などが地名に残っていることもあるのかもしれないがいかんせんそのこじつけ方がなかば強引なんではないかと思うところもしばしば、結局結果論として持ち出して来たらどこの地名も危険でありまた安全だろう。そこが少し残念だ。
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表題の通り、地図(地名)から読み解く災害の歴史を中心に、特徴的な地名をヒントにするだけでなく、過去の地図、写真等の資料を有効に読み解き、近い将来に必ずやってくるといわれる東南海地震等に対応するための手引書。
東日本大震災でも証明されたように、過去の地名や街道筋、街並み等の記憶を忘れなければ、想定外の事態が避けられた場所がかなりあったのかもしれない。
景観地理学や地名を読むということについての知識が全くないのであれば、ぜひ一度読むことをお勧めします。特に、地震が想定される地域にお住まいの方、お勤めの方についてはより強くお勧めします。
過去の知恵を学習し、実地に活かすことによって、少しでも被害が少なくなれば、それが本書の一番言いたいことだと思います。