スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)
- 技術評論社 (2015年3月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774172361
感想・レビュー・書評
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複数の企業のスクラムの導入事例とよくある問題への解決策が書かれている。導入の壁にあたった時には、これらの解決策はスクラムマスターには救いのように感じるだろうと思うが、実際はこれらは解決策ではなくて対応例だろう。
組織固有の複雑な事情もあるだろうし、所属する組織や事業の特性や一緒に働いている一人一人に目を向けてた上で、責任をもって問題に対応しフィードバックを見て判断するのは自分であるということを忘れないようにしたい。本の感想というか、自戒を込めて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スクラムのお勉強。
■組織パターン
繰り返し発生する構造的な形で、あるコンテキストにおける問題を解決するもの。何らかの全体の全体性あるいはシステムに寄与し、美的あるいは文化的な価値を反映する。
■パターンのフォーマット
・状況
・問題
・空気
・解決
■インセプションデッキの10の課題
・我われはなぜここにいるのか?
・エレベーターピッチを作る
・パッケージデザインを作る
・やらないことリストを作る
・「ご近所さん」を探せ
・解決案を描く
・夜も眠れなくなるような問題は何だろう?
・期間を見極める
・何を諦めるのかをはっきりさせる
・何がどれだけ必要なのか
■ユーザーストーリー
「〈ユーザー〉として、〈達成したいゴール〉したい。なぜなら〈理由〉だからだ」というフォーマットで要求をシンプルかつ簡潔に記述し、プロダクトオーナー側と開発チーム側との対話を促進するプラクティス。
ユーザーストーリーは、機能の細部を表現できるほどの情報量を持つことができません。そのため、実際にどのような画面になるのか、どのような挙動をするのかという情報は、文章に頼らず、プロダクトオーナーと開発チームの会話を通じて引き出されることになります。この過程を経ることで、プロダクトオーナーの意見だけでなく、開発チームの持つ経験や知識もプロダクトに反映させることができ、プロダクトの品質向上につながります。
良いユーザストーリーを作るには、INVEST(Independent:独立している、Negotiable:調整可能である、Valuable:ビジネス価値がある、Estimable:見積り可能である、Small:手ごろなサイズである、Tastable:テストが可能である)を満たすとよいとされています。 -
スクラムという言葉を使うことになった由来が日本の論文でもあったことは知らなかった。ラグビーの試合も思い出すとなるほど確かにと思う表現ではある。複雑で変化の大きないまの時代に知っておくべき方法論だが、実践は簡単ではない。トライ&エラーを積み重ねていく必要はあるし、またやはりどの開発方式を取るにしろ、プロダクトオーナーの役割や、関係者とのコミュニケーションの重要性は変わらない。
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<b>【一口感想】</b>
「アジャイル開発手法のひとつである『Scrum』のポイントと日本での実例を把握するのには最適」
<b>【3行要約】</b>
・前半はスクラムそのものの解説、中盤は日本での実例、後半はよくある疑問やポイント
・スクラムの解説は必要十分
・リファレンスというよりは概要を掴む資料としての本
<b>【所感】</b>
会社の書庫にあったものを流し読みしただけ。
スクラムの概要を掴む目的として前半だけなら30分、後半と合わせても1時間もかからない。
中盤の実例はお好みで。
実践入門とあるが、実際にこの書籍だけで完全にスクラムを履行できるとはすこし考えにくい。
スクラムの根底にある部分であったり、具体的な導入イメージがちょっと掴みにくい。
またどこでハマりやすいとか、必ずぶつかる壁や訪れるステップみたいなものも同様だった。
そういう意味でこの本は、いわゆる「管理者層」が「スクラムのイメージを掴む」という意味では最適の本かもしれない。逆に実際に現場でスクラムを導入したいと考えているリーダーや現場のメンバーが、未経験者ながらこの本一冊のみでプロジェクトにスクラムを導入するのはちょっと厳しい気がする。この本をきっかけとして概要を知り、詳しいところを抑えるには別の本も必要ではないだろうか。
ただ、やはりスクラムを正しくチームに導入したいならアジャイルコーチの存在は必須だとは思う。