上手な教え方の教科書 ~ 入門インストラクショナルデザイン

著者 :
  • 技術評論社
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本棚登録 : 263
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774174617

作品紹介・あらすじ

「教えること」を教える先生が書いた、教え方の教科書の決定版!「教えることの科学と技術」であるインストラクショナルデザインの理論が、語りかけるようなやさしい説明と楽しいマンガで、するするわかります。

感想・レビュー・書評

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  • インストラクショナルデザイン(教育工学とでも訳すべきか)の基本を学べる正しい入門書。
    いわゆるビジネス本とは異なり最小限の分量ではあるがきちんと学術的な内容にも触れていて、この分野の知見に広くアクセスすることが可能。こういう配慮はありがたい。
    他方で、章の冒頭に毎回漫画が挟まってくるのだけど、これは学術寄りの体裁である本書にはいらなくない?このレベルの内容を読み下せる読者が漫画を求めるかな?小説仕立てのストーリーを挟む程度で十分だったのでは?
    学術書寄りの入門書であるためよくあるビジネス本に特有の成功例的な具体例の羅列はない。そのためある程度自分の現場で具体的に理論を生かすやり方を考えながら読まないとあまり意味がない。そのため読後感はややハード。より簡単な著者の類書から読んでおいてよかった。

  • この本そのものは、上手な教え方、できているのかな。
    受動的な学びよりも、能動的な学び。
    だけど、学ぶ側を能動的にできるかどうかは教える側にかかってる。
    学びをデザインする。
    なんとなくでも読み進められるのですけど、しっかり理解するには何度も読み返す必要があると思います。多用してあるカタカナ語の定義確認も含めて。
    それはともかく、誰よりも早く出社するのがあるべき新人の姿ってのはやめた方がいいと思いますよ。

  • 『上手な教え方の教科書』
    向後先生の本です。
    教え方の教科書だけに、各項目が短く楽に学べます。

    私の領域は、主に解剖学を通して「認知技能」学び方を学ぶ認知的方略の教授ですが、これまでの教え方が間違いではなかったことの確認ができました。
    そして、これからの教え方に深みが出たことが感動です(^^)

    私にとって新鮮な用語が沢山使われていますが、逆に興味がそそられます。

  • ビジネス

  • インストラクショナルデザインの入門書です。インストラクショナルデザインの書籍は、少し難解な本もありますが、この本を入口にされると分かりやすいと思います。

  • 「インストラクショナルデザイン(Instructional Design
    、ID)」とは、「科学的に良い教え方を追求する学門」つまり、「何かをうまく教えるための技術と科学を扱う学門」とのこと。

    「学問」と言っているとおり、結構ガチな、教科書的なお話なのだけど、マンガを使ったり、図表を挿入したり、学習しやすくする工夫がされている本だと思う。(この本の構成こそまさに「インストラクショナルデザイン」なのかもしれない)

    インストラクショナルデザインの基本前提は、「①学習は多くの変数に左右される」「②にもかかわらず、効果的に学習を支援する方法はある」「③そして、その支援の方法は常に改善できる」とのこと。
    最近人に教える機会が多いが、本当に、「多くの変数に左右される」ということは実感する。しかし、効果的な教育方法を知り、それを改善していくようにしたい。

    「説明の技術」の項目に説明されていた、「一度に提示する情報の量を抑える」ことは効果的だと思う。説明するときには心がけていきたい。

  • かなりよかった。自分のやりたいことがここにあるのだと思った。「教える」は学校だけじゃなくて、自分の考えを伝えたり相手の行動を変えてもらったり、色々な所で使う技術。1回読んだだけでは全部理解しきれなかったけど何回も読みたい。

  •  確かに考えてみたら世の中で教わる場所は多々あるのだが教える場所というのはないね。

     単純に考えて自分が今まで教えられた方法で人に教えるということがいかにダメなことかは理解した。しかし、その点踏まえてよくよく考えてみるとその教わってきた相手教えてくれた人たちが皆教え上手だったかといえばはっきりと違うといえる。

     教える、教わるの関係、究極的に言えば教わることによりその教わったことが自分で無意識にできるようになるかだと思う。

     そうだとするとこの本の教え方もいまいちだと判断してしまう。自分勝手の妄想だろうか?

  • 漫画からスタートしていたので軽い本かと思いきや、タイトルと相違なく間違いなく「教え方の教科書」(漫画部分はわりとオマケ程度の厚み)。
    学校での授業の教え方とかそういうのに限らず、例えば部下に指導するとか自分の子供に言い聞かせるとか、そういうところへの「教え方」も含まれる。
    既に書かれているが、各章末の「確認問題」は本の作り的に納得感のあるうまい構成だった。

    ただ、この本は良くも悪くも正しく「教科書」であって体系的に「教え方」の仕組みを教えるものであって、そこからの応用についての内容は薄い。
    教え方の実例等をもっと深く掘り下げたい場合は、他の書籍を確認したほうが良いかもしれない。

  • 学習は単純ではないが、効果的な支援方法はあり、常に改善できる。運動技能は少しづつ、フィードバックしながら。認知技能は短期記憶から長期記憶への移行を考慮。態度はコミュニティへの参加から価値体系を学ぶ。

    「教える」ということに関するサイエンス、テクニックの全体像とキーワードを知ることができる。マンガによる導入、教科書的な説明、確認問題で万全の構成なのに、カタカナ語が多く若干理解しづらい。

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著者プロフィール

向後 千春(こうご・ちはる)
1958年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。
専門は教育工学(特に,eラーニング,インストラクショナルデザイン),教育心理学(特に,教授法,生涯学習,作文教育),アドラー心理学(その実践と実証研究)。
著書に『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』『アドラー“実践”講義』(技術評論社, 2016, 2014),『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版, 2014),『上手な教え方の教科書 入門インストラクショナルデザイン』(技術評論社, 2015),『教師のための教える技術』(明治図書出版, 2014),『200字の法則 伝わる文章を書く技術』『いちばんやさしい教える技術』(永岡書店, 2014, 2012),『統計学がわかる』『統計学がわかる【回帰分析・因子分析編】』(技術評論社, 2007, 2008)など。

「2016年 『18歳からの「大人の学び」基礎講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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