白亜紀の生物 下巻 (生物ミステリー(生物ミステリー プロ))

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774175416

感想・レビュー・書評

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  • ついにシリーズも中生代の終わりに差し掛かった。
    ブラジル、アラリッペ台地から出土する3D状の良質な魚類・昆虫類の紹介からスタート。翼竜の多様性も眼を見張るものがある。北米は当時、ララミディアとアパラチアに東西別れており、意外にも細長い大陸のララミディアにT-Rexを始めとする大型種がいたとのこと。サメやエイの進化も印象的で、頂点にいたクレトキシリナが滅んでからモササウルス類の大型種が世界中に広まって海を制覇したそうだが、最大のサメを追いやった要素が何だったのか気になる。2010年にモササウルスに尾鰭が報告され、海のオオトカゲの復元図が一転してクジラっぽい形態に変更されたとは知らなかった。大堂の恐竜について新たな驚きとしては、エドモントサウルスに1000個を超える歯が予備で控えていたこと。ワニ形状への収斂進化の例としてチャンプソサウルスってのがいるのも初見だった。恐竜の代表格としてティラノサウルスの紹介も細部に渡り、3万Nを超える噛む力や、他の恐竜を圧倒する成長率など豊富な情報。1年で700kgも体重が増えるとは・・
    インドのコプロライトにはイネ科植物が存在した証拠としてプラント・オパールが見つかっているとのこと、今後彼の地でも発掘や研究が進むことを期待したい。
    最後はやはり第5の大量絶滅について。小惑星の衝突が三酸化硫黄を放出し、それが硫酸となって表層海洋を含め酸性化を推進した、といったシナリオが紹介されている。生き残ったものと滅んだものの差についての考察も面白い。25kgより大きなものは生き残れなかった、というのは以前から言われていたが、10mmを超える卵は浮遊性でないため、小さい卵をたくさん産むアンモナイトは滅び、大きめの卵を少なく産むオウムガイへ生き残ったとの説も興味深い。

  • ふむ

  • 多様性の許容による安定。隕石さえ来なければ。「ティランノサウルス」という表記に初めて遭遇。

  • イラストを見ているだけ楽しい。ということは文書の方は流し読み。

  • 生物の歴史の山場、サビ。恐竜の隆盛と絶滅。最新知見が盛り沢山なので知のアップデートにおすすめ。

  • 請求記号 457.357/Ts 32

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著者プロフィール

著者:土屋健
オフィス・ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者、サブデスク(部長代理)を経て2012年に独立し、現職。近著に『怪獣古生物大襲撃』(技術評論社)、『前恐竜時代』(ブックマン社)、『生命の大進化40億年史 中生代編』(講談社)など多数。

「2023年 『も~っと! 恐竜・古生物ビフォーアフター』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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