みんなから みえない ブライアン

  • くもん出版
4.19
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本棚登録 : 180
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774323978

作品紹介・あらすじ

ひとりで絵を描くのが大好きなブライアンは、クラスのみんなから「みえない」みたい。
休み時間のキックボールにも誘われないし、ランチの時間もひとりぼっち。
そんなある日、クラスに転校生のジャスティンがやってきました。
やっぱりクラスで少し浮いているジャスティンに、ブライアンは短い絵入りの手紙を書きます。
それがきっかけで、チームでおはなしを作る宿題に、一緒にとりくむことになって・・・
みえなかったブライアンが、少しずつ変わっていきます。

きっとどこのクラスにもいる「なんとなく目立たない子」が主人公。
ちょっとした勇気や、小さな優しさがきっかけで、みんなが自分らしく輝けることを、
あたたかいタッチで伝える、アメリカからの翻訳絵本です。

感想・レビュー・書評

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  • 絵が上手くて物静かでユーモアがあるのに、大人しくて目立たないから、クラスメイトの視野に入りにくいのですね。排除されてる訳ではなくても、「見えてないんだ」と感じる切なさが、絵の無彩色で表現されていて、身につまされます。転校生のジャスティンに、得意の絵入りの手紙を書く勇気を出せてよかった! 

  • ★結末まであらすじを書いています。

    ブライアンは、目立たないから、先生やみんなから、見えない存在だ。キックベースにも入れてもらえないし、ランチの時には、自分が呼んでもらえなかった誕生会の話で、みんなは盛り上がる。自由時間になると、ブライアンは、一人大好きな絵を描く。ある日、転校生のジャスティンがやってきた。ジャスティンがお弁当に持ってきたプルコギを見て、みんなが笑った。ブライアンは、次の日、「プルコギおいしそうだったよ。」と、絵入りの手紙をジャスティンのロッカーに入れる。授業で、先生が、二人組か三人組を作りなさいと言う。エミリオが、ジャスティンと組んだから他の子を探しなと言うが、ジャスティンは、三人組になろうと提案する。三人で、写真を見てお話づくりをする課題に取り組む。ブライアンが絵を担当し、協力して発表でできた。ランチの時間、今まで寂しい思いをしてきたブライアンを、ジャスティンが誘い、三人で食べる。(32ページ)
    ※絵の色調が優しくていいです。はじめは、ブライアンは一人白黒でしたが、ジャスティンが話しかける場面から、色がつき始めます。(エミリオに拒否されたときは、白黒でしたが。)
    まず、「みんなからみえないブライアン」の表現にドキッとしました。どのクラスにも、おとなしく、目立たない子がいますね。その存在の無さ、寂しさにピッタリの表現だと思います。そして、みんなから無視されるつらさを知っているブライアンだからこそ、みんなから笑われるつらさがわかる。だから、ブライアンは勇気を出して手紙を出し、それを受け止めたジャスティンが誘う。この友達関係っていいなあ。出会いって大事だし、きっと出会いはあると思わせてくれる展開がいいですね。
    この絵本を読むと、子どもの頃の私を思い出します。私も、おとなしくて、自分から友だちに話しかけていくタイプではなかったから、その所在なさはよくわかります。そして、いじめられたこともありました。
    小学校時代には、友だちはあまりいなかったけれど、中学校になって、私と同じような家庭環境の友だちと、親友になりました。ジャスティンのような存在でした。友だちができたことで、少しずつ、周りのカラーの世界に入って行けた気がしました。その子とは今も友だち関係は続いています。
    来年からは、小学校でも、読み聞かせを始める予定です。高学年で読みたいですね。きっと私のような子ども達はいると思うので。先生たちにも勧めたいですね。

  • 小学生の頃の自分がいた。読んでいると、思い出しつらかった。経験しないとわからない見えないつらさ。見つけてくれた友達がいてよかった。

  • 休み時間は、入れて欲しいと意思表示していても、みんなの遊び仲間に入れてもらえない。授業中、グループを作れば余り者になってしまう。お昼休みは、みんなは自分の知らない話題で盛り上がり、話に入れない。
    そんな「みんなから見えないブライアン」の前に、ある日、ジャスティンが転校してきます。クラスの子達は、お昼休み、ジャスティンのプルコギ弁当を「プール・ゴキ弁当?まずそう!」などと囃し立てて嗤います。ブライアンはジャスティンの気持ちを察し、嗤うことなんてできませんでしたが、かといって、みんなに意見することはできません。絵が得意なブライアンは、「プルコギ弁当、おいしそうだったよ!」というメッセージとともに、プルコギ弁当を美味しそうに食べる自分の絵を描いた手紙を、ジャスティンのお道具箱にそっと忍ばせます。手紙が嬉しかったジャスティン。校庭でひとり絵を描くブライアンにお礼をいい、校庭に描いた絵を褒めてくれます。授業でのグループ作りの場面では、ジャスティンに声をかけた友人に、ブライアンと3人グループを組むことを提案します。3人で力を合わせて、作業するうちに、ブライアンはクラスの中に自分の存在を実感し、居場所を見出だすことが出来るようになる、というお話です。

    いじめは、暴力や言葉の暴力によるものだけでなく、ブライアンのように自分の存在を自分で実感できずに、心の居場所を失って苦しんでいる子もたくさんいると思うのです。私自身がそうだったから、プライアンの哀しみがあまりに鮮烈で読んでいて、心がしめつけられる思いすらしました。ジャスティンのような存在が、どれ程救いになるのか、よく伝えていると思います。

    コンテ調の優しい色合いの挿絵がブライアンの哀しみを幾分和らげてくれているように感じます。
    みんなから見えないブライアンは、冒頭から表情に笑顔はあるものの、モノトーンで描かれています。転校生のジャスティンの登場によって、ブライアンの表情に少しずつ色がつき、クラスの中でブライアンの存在が次第に認められていっていることが伺えます。

    文章はひらがなとカタカナで、カタカナにふりがなは振られていません。カタカナは主に人物名だけです。

  • この本の内容の深さに子どもたちが読んでどこまで理解してくれるかはわからないけど、大人が読んでも「わかる、そういうことあるよね。」と共感できる。

  • クラスに一人はいるであろう
    大人しくて目立たない子に対して、
    声をかけてあげれていなかったり
    気づいてあげれていないことが
    あるのではないか…?
    子どもたちに向けてだけではなく
    対子どもの職業の人たちにも
    読んでみてほしい絵本です

    人間関係の形成も、
    私たちのやるべきことだと
    再認識できる気がします

  • 2019年度 5年生
    ブライアンは目立たない。
    カーロッティ先生にだって見えなくなることがある。
    手のかかる子たちばかりに目がいってしまうから。
    キックベースのメンバーには選ばれないし、お昼休みの話の輪にも入れない。
    そんなある朝クラスに転校生のジャスティンがやってきて・・・
    5年生は、いつも静かによくお話しを聞いてくれています。
    みんな1人1人輝ける物を持っている事、転校生の小さな声かけでブライアンは自分の存在に自信を持ちその存在がみんなからよく見えるようになった事、お友達の小さな声かけでこんなにも変わる事を、子供達も感じてくれていると嬉しいです。
    2017年度 6年生  7分
    絵を書くのが好きなブライアンはクラスの中で目立たない存在。
    休み時間も誘われないしランチもひとりぼっち。
    そんなある日転校生のジャスティンに短いお手紙を書きます。
    それがきっかけでみんなからみえなかったブライアンが少しづつ変わっていきます。 
    ちょっとした勇気や優しさがきっかけで自分らしく輝ける事が描かれている素敵な絵本に静かに聞き入ってくれました。
    学校でも社会に出てからでもこのようなことがあると思います。
    でも人それぞれに個性があり輝ける居場所が必ずあることを
    教えてくれているように思いました。
    是非大人の方にも読んでいただきたいな、と思います 

  • いじめにまだピンとこない、低学年の子に読んであげたい本。おとなしい子を、低く見てないがしろにすることは、意外とある。でも、ちゃんといるんだよ、大事なクラスメイトなんだよと気付かせてくれるかも。あと、こうやって声をかけるだけでいいんだよって、教えてもくれる本。

  • ある意味残酷な子ども社会の話だけど、単純で優しかったりする。。目立たない子への配慮ってどうすればいいんだろう?

  • ブライアンを認めてくれる最初の友だちが韓国系というところに、多様性を感じる。

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著者プロフィール

アメリカの絵本作家。自分の娘が学校でいじめにあったことをきっかけに書いた”My Secret Bully”で2005年デビュー。以後、子どもたちの人間関係を描いた絵本を多数発表している。オーサービジットや学校での講演活動のほか、テレビ、ラジオ、新聞等でいじめ問題のコメンテーターとしても活躍。日本での翻訳は本書がはじめて。

「2015年 『みんなから みえない ブライアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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