三連の殺意 (マグノリアブックス)

  • オークラ出版
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (673ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775525241

感想・レビュー・書評

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  • そうだ。カリン・スローターさんを読んでみよう。
    どうせならシリーズの第一作目から。
    ということで手に取りました。
    ウィル・トレントシリーズ第一弾。

    女性が性的暴行を受けて殺害される事件が連続で発生。しかも被害者たちは舌を噛み切られていた。
    児童養護施設出身で虐待の傷だらけの捜査官ウィル・トレントは、文字がうまく読めない難読症ながらも事件に挑む。

    良く出来ているとは思うが物足りない印象。
    肝心のウィル・トレントよりも、その幼馴染の女性警官の方が魅力的だった。
    ラストはお約束の危機一髪。
    しかも犯人の動機がいまひとつ分からなかった。特に、舌をなぜ嚙み切っていたのかが不明。

    ドラッグに売春に暴力に貧困に小児性愛に。
    盛りだくさんでうんざりでアメリカに生まれなくてよかったなぁ、と思ったわ。

  • 「開かれた瞳孔」が良すぎて
    すぐさま
    別シリーズ「三連の殺意」を読む。

    主人公はウィル・トレント
    フランケンシュタインのような風貌
    (アダムスファミリーのラーチに例えられる)で
    幼い頃に虐待を受けていた。体に複数の傷を持つ
    難読症のため、文字を読むのに時間がかかる。
    左右を認識するのに時間がかかる。
    工夫で人にそれを勘付かせるこはない。

    それらによって車の運転に影響を及ぼすが、
    車の修理(仕組みの分解、再構築)には長けている。
    推理力につながる。(のだがちょっと勘が弱い)

    ハンデが多いようで、その分
    別の視点で補っているようにとれる。

    フランケンシュタインと書かれたら
    「開かれた瞳孔」のサラとの違い
    内面の見えないキャラクターか?

    と思いきや、最初気難しそうな態度をとっていただけで、腐れ縁のアンジーの行動にやきもきしたり、人の目を気にしたり人間臭さがある。

    主人公、腐れ縁で元恋人(激烈ツンデレ)、
    同僚の警官、犯人、被害者、
    主人公を手玉に取る上司などなど
    それぞれ曲者揃い。

    想いの交差、ドラマが濃い…
    そして、人間模様だけでは無く
    "読ませる語り口"に圧倒されました。

    物語は、主人公とコンビを組むことになった
    警官視点で始まる。
    (おっ、バディモノかな?とここまででホームズとワトソン的な関係を期待していた…が)

    本の半分ほどで一部、二部が終わる。
    ここまでで「なんの本を読んでたっけ?」と言うくらい主人公とは別の男の半生と顛末が語られる。それが、三部手前でグッと本線に絡んでくるのには驚いた。(これまたホームズの「緋色の研究」のような…)

    気がついた時、
    ぐわんっ!と投げ飛ばされていた。
    みたいな"捻り"とかではなくて

    「あ、コレ景色が変わらないだけで
    さっきからずっと落下してたんだ…」
    的な、かなりゾッとさせる展開が…
    とにかくグイグイ読ませる。

    事件の被害者や加害者よりも
    暗い過去を持つものの
    墜ちることなく刑事として
    活躍している主人公が良い。
    (主人公の周辺のは人々にも助けられてきた面もあるのかも知れないけど…)

    バリバリ推理して解決して、と言う
    印象は弱かったが…
    まだまだ「彼」がどんな生き方や
    闇を抱え、この状態になったのか
    は不明な点も、他の登場人物との因縁など色々あるが、その分続編が楽しみでもある。

    600ページ近く
    なかなか長い道のりだったが
    歩いただけの価値があった。

    次巻「砕かれた少女」
    …買いづらい表紙やなぁ〜

  • このシリーズ読みたい。でも、事件も生い立ちなど、むごくてつらい…
    でも、久しぶりに物語が繋がる面白さに出会ったかな

  • 面白かった。
    徐々に繋がりがわかりクライマックスへ。
    このシリーズ追いかけたい。
    只、最近の主役は生い立ち等の背景が異常過ぎて、重いのが多いのがちょっとなー。。

  • 粗削りながらも巧いなっと。
    どんどん良くなりそうな予感は感じる。

  • 連続殺人犯と思われる事件が発生したが、以前の「彼」のパターンにそぐわない。その理由は?16歳で殺人犯として刑務所で育った青年の境遇がむごすぎる。そして母の愛は偉大だ。姉もそりゃー屈するわ。これは先が楽しみなシリーズだ。

  • ハンティングにも登場する特別捜査官ウィル・トレント!ハンティングの後半で、ようやく彼の容姿を理解した上に、これシリーズもんじゃん!と気付いて仕入れたのがようやく入荷です。

    まるで半分に切ったのをでたらめにくっつけたかのように曲がった上唇
    耳から首の頸静脈に沿って伸びるギザギザの傷痕
    痩せた長身
    三つ揃いの黒いスーツ
    抜群の記憶力
    そして....

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    売春婦が殺された。殴られ、切られ、散々に犯されたうえに、身の毛がよだつ行為で体を傷つけられていた。犯人は、被害者の舌を自分の歯でかみ切ったのだ。事件の担当となったアトランタ警察のマイケルのもとに、ジョージア州捜査局から特別捜査官のトレントが派遣された。まるで半分に切ったのをでたらめにくっつけたかのように曲がった上唇、耳から首の頚静脈に沿って伸びるギザギザの傷痕、やせた長身に三つぞろいのスーツ、奇妙な姿の男は、過去に起きた三つの事件の被害者も、舌をかみ切られていたと言い―。“ウィル・トレント”シリーズ・第一弾!

    いろんな人の感想を見ていて読んでみたいなーと思った作品。なぜか市系列の図書館になくどこかからとりよせてもらってやっと読めた。
    期待通りにおもしろかった!
    読み出したらあっという間に読了。
    ウィル・トレントの第1作となってるけどこれはジョンがかわいそうだわ。
    アメリカの司法制度の欠点だよね。証拠を証拠として弁護士が扱わないと言うことが表に出ない。
    ジョンに気持ちがフォーカスしすぎて、マイケルが死んでしまったのが残念。彼も刑務所で過ごして欲しかった。
    ウィルとアンジーの関係も歪んでいるけれども、お互いが一番の理解者というのは納得できる。
    文字の読めないというウィルの秘密はアマンダにはばれているけれど、この先どうなっていくのかとても気になる。
    2作目も続けて借りて手元にあるのですぐ読みます。

    Triptych by Karin Slaughter

  • とにかく痛い。
    最近のサスペンス物の特徴の一つが残酷描写のリアルさ。もともとシリアルキラー物は被害者は若い女性となるが、最近はどんどん低年齢化していって読んでいて辛い。

    しかし、これは単に絵空事でなく女性に対する暴力、児童に対する虐待が深刻化している世相を反映しているのは間違いない。この作品では捜査官のウィルと女刑事アンジーすらも似たような暗い過去を持つ施設出身者。

    どこまでも切ない設定なのだが、エッジの効いた会話が、ギリギリのところで正義側に踏みとどまり戦う二人のキャラを鮮やかに浮き彫りにしていてこれが一番の魅力だろう。

    犯人、容疑者、刑事など登場人物のキャラも深く、670ページ近くあるが一気に読める。
    ストーリーも構成が凝っていて、ネタが分かってからの後半はややテンポが落ちるものの最後までダレない筆力は一級品。

    これが女性の作者とは…、というか女性の作者だからこそ警鐘の意味でもここまで女性への暴力を描けるのだろう。

    D・ルヘインのパトリック&アンジーを彷彿させるような辛い二人の今後も気になる。

  • 初めて読んだカリンスローターは『プリティ・ガールズ』だった。たいへん面白かった。そして印象は決まった。

    カリンスローターは、面白いけれど、女性むきの作家だなと。

    ちがった。

    『三連の殺意』はシリーズものの1冊目である。
    主人公は男性だ。

    女性向けを狙った、無駄に美形な刑事じゃないの?

    ちがった。

    不細工ではないが、特徴的な容貌である。
    性格や振る舞いも独特だ。
    警察組織の男オトコした世界では、ちょっとうとまれる類いの人物かもしれない。

    舞台はジョージア州アトランタ、登場人物は男性が多数を占めるという、なんとも男オトコした物語である。
    マグノリアブックスといえば、女性のみが好む本ばかりという印象があったが、勝手な思い込みだった。
    嗅覚を刺激するほど男臭い、男女ともに読んで面白い本もあったのである。

    さらに驚かされるのが、作者の容貌だ。

    写真を見れば、内気で、控えめで、口数の少ない、おとなしやかな女性である。
    クラスにいた、ちょっとなに考えているかわからない影のうすい女子。
    成績は悪くなかった。国語はすばらしくよかった。気にはなっていたけれど、親しくなる機会を得なかった、あのクラスメイトを思い起こさせる。

    しかしその内面にこんなものを抱えているとは!!

    むごい事件、痛み、転落、後悔、絶望、ドロドロしたこの世界で、思いをのみ込んで生きる特異な人物たち。

    その上、この作者は悪口がうまいのだ。

    『この若い警官は二十代前半で、たぶん母親の家の地下室にても住んでいる。そのくせ、銃を毎日持ち歩いているのだから自分はいっぱしの男だとでも考えているのだろう。』(12頁)

    『「・・・・・・殺人課に配属されたからって、自分の一物が大きくなったみたいに」』(296頁)

    『身長は 一六〇センチを超えないであろう小柄な女性だ。しかし、存在感たっぷりの態度で部屋を狭く感じさせ、ブルファイターにも匹敵する自信たっぷりな姿勢で歩く。左手の薬指にはシンプルなダイヤモンドの指輪をはめているが、現在は結婚していないはずだ。子どもはいない。もしくは、まだ小さいころに彼女が食べてしまったのだろう』322

    見た目おとなしやかな女性が描く、えげつない事件と、皮肉と、ユーモア。
    一気読み必須のこのシリーズは、どこから読んでも面白いけれども、やはり1巻目から読むのがよい。
    シリーズ既刊本は以下のとおり。
    出版社が二つになっているのでご注意を。

    『三連の殺意』(マグノリアブックス)
    『砕かれた少女』(マグノリアブックス)
    『ハンティング』(ハーパーBOOKS)
    『サイレント』(ハーパーBOOKS)
    『血のペナルティ』(ハーパーBOOKS)
    『罪人のカルマ』(ハーパーBOOKS)

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