テンプルトン卿の流儀 (ウィザードブックシリーズ) (ウィザードブックシリーズ 165)
- パンローリング (2010年4月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784775971321
感想・レビュー・書評
-
翻訳もよく、読みやすい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バリュー投資の教科書。
-
著名投資家ジョン・テンプルトン卿の20代から晩年までの様々な投資履歴を、その哲学・背景とあわせて紹介している本。著者はテンプルトンの兄の孫であり、彼の財団の投資スタッフとして働いていた人物。本書においては主人公のテンプルトン卿は、「ジョン叔父さん」と三人称で呼称される。
「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、陶酔の中で消えていく」とはまさに金言。
戦後直後の日本企業への投資、さらに韓国、そして中国企業への投資に関する説明は、単なる投資記録だけでなく社会、政治、歴史に関する秀逸な要約にもなっている。
翻訳もよい。良書。 -
【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト2017年度版第26位】
-
主にジョンテンプルトンが実践したバリュー投資の実例を解説した本です。紹介されている投資手法が多岐にわたっているため、考え方の幅を広げるには役に立ちますが、ジョンテンプルトン本人が書いていないこともあってなのか、投資原則の記述に薄さを感じました。あくまでバリュー投資を実例から学ぶための本としては良書だと思います。
-
こういう本格的な投資本は久しぶりかも知れない。伝説的なバリュー投資家であるジョン・テンプルトン卿の投資手法を、その大姪にあたる著者が詳細に述べている。悲観の極みで買う、というバーゲンハンターの投資哲学は自分の中で既にマインドセットとして確立されていて目新しいものではなかったが、それでも躊躇いなく実践するのはなかなか難しいと未だに痛感させられる。テンプルトン卿はバフェット氏と異なりグローバルに投資を行うのに抵抗はなく日本や韓国、中国への投資で成功を収めたことが書かれているが、マクロ的な視野からでなく個別企業を入念に調査し、例えば米国内の同業の企業と割安度を比較した結果としてある国の市場がバーゲン状態であったという様に、あくまでボトムアップ型の投資手法であったことが伺える。またバーゲン品を仕込んだら比較的長期間保有するスタイルだった一方、「〇〇危機」のように突発的なショックの際には特定のパニック効果をとらえる比較的短期の売買も行っており、1つの国や1つの投資手法に縛られない柔軟な姿勢は見習いたいと強く感じた。
-
「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち…」の名言で知られるジョン・テンプルトン卿の投資手法についての本。著者はテンプルトン卿の孫娘夫妻。テンプルトン卿の実際の投資を例に投資手法を説明していく。皆が我先にと投げ売る時に買い、欲しくて堪らなくなる時に売る。基本はシンプル。そこに確固たる手法がある。この手の本としては分かりやすく書かれているので知識の浅い投資家にもお勧め。
-
バリュー投資家として名を成した経緯はわかった。ただ、本人が書いたものではないので、ほとんど失敗については触れられていない。本当はどうだったのだろう。
「穏健な投資家は空売りをすべきではない」といいつつも、ITバブル終焉のIPO株ロックアウトを利用た空売り戦略が大当たりし、莫大な財をもたらした、という箇所は小説のような痛快さがある。 -
[ 内容 ]
マネー誌が「20世紀最高のストックピッカー(銘柄選択者)」と称えた伝説的なファンドマネジャーのジョン・テンプルトン卿は、世界一流のバリュー投資家として尊敬され、グローバル投資を創始し、50年にわたって市場平均をアウトパフォームしたことで広く知られている。
時代を超えたテンプルトン卿の原則と方法が、この本書によって初めて一般に紹介される。
本書では、テンプルトン卿の実証済みの投資選択を貫く方法を概観したあと、最高の成績を上げたその歴史的事例を紹介するとともに、今日の投資家がテンプルトン卿の勝利につながるアプローチを自分のポートフォリオに取り入れる方法を説明する。
そして、「悲観の極み」で投資するという最も有名な原則を詳しく述べたうえで、テンプルトン卿が「悲観の極み」の時点をとらえて成功につなげるために生涯を通じて用いてきたテクニックを解説する。
[ 目次 ]
第1章 バーゲンハンターの誕生
第2章 悲観の極みのなかで最初の取引
第3章 グローバル投資の非常識な常識
第4章 日出ずる国に最初に注目
第5章 株式の死と強気相場の誕生?
第6章 バブルで空売りするには及ばない
第7章 危機はチャンス
第8章 歴史的押韻
第9章 債券が退屈でなくなるとき
第10章 眠れる龍の目覚め
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
17人の大投資家を紹介しているマネーマスターズ列伝を読んで、一番共感を覚えたのがジョン・テンプルトンだった。
「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」
いろいろな気づきを与えてくれる良書ですねぇ。