田原総一朗責任編集 2時間でいまがわかる! 絶対こうなる!日本経済

制作 : 田原 総一朗 
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776206194

感想・レビュー・書評

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  • 日本人が今まで積み重ねてきたものをベースにしていまの日本に足りないのはグローバルな視点なのではないのかなと感じた。中でも2人の著者が一致した、今後絶対に必要なスキルとして英語力を挙げたのは非常に印象的だった。日本はもはや他国の背中を追いかける国ではなく、自らが世界を引っ張る立場にいるという事を国のトップだけではなく国民も感じなければいけないのかと感じた。同時に若者が世界に勝負できるような環境づくりが今後の日本には欠かせないと感じた。

  • 二時間でいまがわかる!!というシリーズの一冊だったためストップウォッチを片手に読み始めましたが、ざっくり三時間掛かってしました(笑)そんな、経済本ルーキーの書いた書評ですので肩の力を抜いて、怒らずに聞いて下さい。
     本書は、大激論の末に何か明確な指標が提示されるかの様な題名ですが、残念ながらそんなに激しい討論は交わしていない様に思います。むしろ、意外に共通点の多いことに驚いてしまいました。大激論は交わされていないものの、注目する表現は多々あります。


    “日本経済は「アイスクリームの天ぷら」だ!”
    日本は、輸出産業が景気を牽引してきた。しかし、内側の産業(農業)は、ひたすらに保護されてきており競争力なんてあったもんじゃない。
    今や、輸出産業がその他お荷物産業をおんぶ出来なくなって来ている。このままではいけない。早く内側の産業を競争に晒すんだ!!

    “日本は「オーバークオリティー」だ!”
    “良いものは売れる”という謝った認識の元に発展して来た日本、テレビにもビデオのリモコンにも触った事のないボタンが無数に存在している。世界基準を目指さなかった故に、単なる自己満足に終わってしまった。

    “企業への後押しは、日本では「官民癒着」だ!と叩かれる”
    日本は、技術はあるけど売るのはへた。パッケージ戦略が全く無い。
    しかし、アメリカは違う。企業をバックアップすることを国益だと思っている。場合によっては、何の遠慮もなく1企業をバックすることすらある。彼らは、政府と企業が一体となって経済交渉を行う。日本企業が勝てるはずがない。

     面白いです。次々に出てくる話しは、どれも分かりやすく具体的で、確かにすらすらと読み進めて行く事が出来ました。そして、いよいよ最終章、第7章 絶対こうなる!10年後の日本 へとたどり着きました。これまでの話しをふまえ、一体どのような提言があるのか、日本には、どんな未来が待っているか・・・




    今後10年間でどんなビジョンを?
    竹中 法人税を下げて、ハブ空港を造って、オランダの様に雇用に関する法整備を整える。普通の国がやっている事を普通にやれば日本は復活する。
    榊原 このままでは日本の未来は暗い、ヨーロッパ型の社会福祉社会の建設を行えば日本は復活!

    次世代を担う若者をどうすれば?
    竹中 デフレをぶちやぶるチャレンジ精神の醸成
    榊原 フランスの様なエリート教育

    その為に?





    榊原・竹中 英語を学ぼう!!





    んー・・・(笑)

    最後は英語をお勧めするだけの本になってしまいました。最近、やたらスピードラーニングのCMが目立っていますが、本書も関連なのでしょうか(汗)?
    最終的な終着点があまりにも面白みに欠けていた為、そこに至るまでの話題も若干説得力が無くなってしまいました。と言う訳で今回の書評は、最後に★が二つ減って、★3つです。
    そしてたぶんね、今から20年前(僕が小学生の頃)も、「英語は大切!」って声高に叫ばれていましたよ・・・?


    優秀なお二人が、20年間も変わらない大切さを、これからの最重要課題かの様に今更ドヤ顔で叫んでいる姿に、なんだか興ざめしてしまいました。

  • 脳みそがフル回転するね。日本経済の問題点を榊原氏と竹中氏が語り尽くす内容だけど、意外にも私でも解りやすい話しぶりでした。田原総一朗さんの掛け合いはテレビより面白い。

  • 竹中さん、相変わらずすばらしい!

  • 対談形式なので論旨明確でない部分もなくはないが、榊原氏と竹中氏の主張の違いがよくわかった。

    規制緩和、競争政策強化、産業構造改革、新産業育成、成長戦略、経済活性化等についての問題意識、方向性には大きな相違はないと感じた。

    その後の分配論のあり方に関して、ヨーロッパ型の高福祉社会を主張する榊原氏と独自型の効率的で小さな政府を目指す竹中氏の見解がわかれていると理解した。
    人口が減る成熟社会を迎える日本にとっては、ドイツ・フランス型の国家のあり様が先行事例として参考に値するというのが榊原氏の主張。一方、お上主導の風土、大きな人口規模、逆ピラミッドの人口構成という3点から、ヨーロッパ型の大きな政府は機能しないというのが竹中氏の主張。

    で、お前はどう考えるのか?もう少し考えたい。

  • 辛坊さんの本が売れています。

    最近大きな本屋に行くと、三橋さんの本とこの本の3冊が並んでいます。

    それぞれ主張が違い読み比べるととても面白いです。

    主なテーマになっている「日本は財政破綻するのか?」
    の観点から行くとこの3冊の中ではちょうど真ん中に位置するのではないかなと思います。

    この本を読んで面白かったのが、韓国と日本の主要産業の国内市場に対しての比較。
    ・よく韓国は国内マーケットが小さいから、海外進出を進めたと言われます。
    ・国内マーケットは4000千万人と1億2千万人、でも、自動車や家電メーカなどの1社辺りのマーケットを比較すると・・・

    気になる人は是非読んでみてください。

  • 対談ものはあまり好きではないのだが、この本は、経済の二大巨匠による日本経済に関するもので、コントロールするのも田原総一郎とあって、極めて内容の濃い、それぞれの核心の意見を引き出した有意なものとなっている。印象的な発言を記す。
    「(竹中)競争力をつけるための最良の方法は、競争することである」p40
    「(竹中)成功してしばらくすると、組織が膨らみ、どんどん官僚化していく。その結果イノベーションを生む力を失っていく。だから資本主義は滅びるんだ、とシュンペーターは言ったんです。それと見事に同じことが日本社会で起こっている」p58
    「(榊原)日本は技術は高いんだけど、問題はそれをどう発信するかですよ。日本は伝統的に発信能力が非常に劣っている。政治も企業も個人もそうでしょう」p69
    「(榊原)日本製品はどれもクオリティは高いけど、国際化していない。いわゆる「ガラパゴス化」ですよね」
    「(竹中)大きく成長できるはずなのに成長が抑えられている分野は、すべて規制産業です。社会保障関係、健康・医療、農業、教育などがそうですね。それぞれに既得権益者がいて、現在の制度で守られた利益を享受している」p101
    「(竹中)(企業経営者について)会社の利益最大化でなく、自分の地位の安定化が最大の目的になっている」p111
    「(竹中)(民主党政治は)「政治主導」という名の「素人主導」になっている」p158
    「(榊原)大切なのは国際的人脈ですね。そういうのを大事にして、人脈のある人たちをうまく使うということを、各国はやっている」p169
    「(竹中)島国根性でしょう。本当の意味の危機感がない。日本はグローバリゼーションをなめてかかっているんです。韓国なんかは本当に真剣になっているんですよ」p170
    「(榊原)(日本の若者教育について)コミュニケーション能力が衰えているんですよ。僕らは(合宿教育中の)2週間、携帯を取り上げるんです。というのは、いつだって、携帯で、自分の親しい人としかコミュニケートしていない。だから徹底的にディベートさせる。異質なものと対峙する能力も落ちています。自分の仲間とか家族とか、そういう人としか付き合わないんだ」p199
    「(榊原)(学校について)登録制にして何が起こるかっていうと、塾が学校になる。で、塾のほうがいい学校になりますよ」p202
    「(竹中)これだけは絶対、榊原さんと意見が一致すると思うのは、英語。とにかく英語を徹底的にやらせなければダメです」p203

  • この本は、『日本経済の真実』と装丁がそっくり。幻冬舎かと思ったが、全然違うアスコム。絶対に狙ってるよなあ。冒頭の田原総一郎の言葉がよかった。「小泉派の竹中平蔵と民主党派の榊原英資だと真逆だから、この二人が一致するなら、それはおそらくホントだろうし、対立するとしたら、大事な争点だ」とのこと。それでまあ、おもしろく読んだが、読んでしばらくして見返すと、あまり覚えてない。というか、経済関係の本は、項目ごとに細かく分かれていて、Aさんは、1と2は賛成だが、3と4は反対。Bさんは1と3は賛成だが、2は保留。4も賛成。Cは、1はどうでもよく、2と4は反対。3は条件付き賛成とか、そんなのばっかで、読めば読むほどよくわからなくなる。この二人の話も、そんなに紛糾もしてないし、結局よくわからない。ただ、野口由紀雄もそうだが、これからは製造業よりもサービス業に軸足を移すべきというのはかなり共通してると思う。--------2014/04/04再読。民主党に、マクロ経済政策がまったくないと、ふたりとも口をそろえているのが、とても印象的だった。もうさんざん言われてきているが、結局、民主党は素人の集まりだった。それだけなのか。はあ。・官僚の天下りは禁止にするが、民間への就職はフリーにすべき。・日本は大臣が国会に縛られすぎ。シンガポールだと、普段は月に1,2回。予算の時に月一週間ほど。アメリカはヒアリングに呼ばれたときだけ。イギリスは党と党の議論の場。・全体に、まだ震災前だし、民主党をダメダメいいながらも、自民党がしょぼい雰囲気がすごくでてる。「もう、自民が与党にならないのではないか」とうセリフまで出てて、びっくり。・自民党が成長を言わないからダメだという田原、竹中の意見は今みると卓見。それをいうことで、今がある。・榊原は、アメリカ終わりとかコンビニ終わりとか言ってるが、気が早過ぎる。このいみでは、竹中の方が地に足がついている。・榊原はこれから、中国インドと仲良くすべし、竹中は、これからは韓国北朝鮮だと言っている。うーん。現状、どちらも正反対になってる。全体的にみて、やはり竹中の方が、俺には納得できることを言ってるように見えるなあ。ただ、日本の破綻に対する危機感は、竹中は3年でやばい、榊原は50年は大丈夫といっていて、底に関しては、榊原の方に同感。

  • 正反対の考え方を持つ二人だと思っていたが、そんなに違いがあるわけではないことが分かった。今の政府の無策ぶりに二人とも同意見なのが印象的であった。

  • ①「消費税増税でも効果なし」とマーケットにバレたときが一番危ない②尖閣国有化は一大失政、問題解決には時間がかかる?③中国は「中進国の罠」を乗り切れるかどうか?④円高ドル安はさらに進み、1ドル60円台になる!⑤その後、一転して円安になる「二つのシナリオ」があった⑥ドイツもギリシャもEUを出られない⑦政府の報告書には、一番肝心な「原発継続か廃絶か」の結論がない⑧「20年で原発ゼロ」を目指せ! ⑨橋下徹は次世代のリーダーとして期待していいのか? について書かれています。こちらも選挙前に読みたい1冊。

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著者プロフィール

1951年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長。経済学博士。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所主任研究官、ハーバード大学客員准教授等を経て、現職。2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣、2002年に金融担当大臣、2004年には郵政民営化担当大臣を兼務。2005年総務大臣。この間、2004年には参議院議員。2006年小泉内閣の解散とともに辞職。著書に『研究開発と設備投資の経済学』(1984年、サントリー学芸賞受賞)、『対外不均衡のマクロ分析』(1987年:共著、エコノミスト賞受賞)、『日米摩擦の経済学』(1991年)、『民富論』(1995年)、『経済ってそういうことだったのか会議』(2000年:共著)、『構造改革の真実――竹中平蔵大臣日誌』(2006年)、『闘う経済学――未来をつくる[公共政策論]入門』(2008年)、『改革の哲学と戦略――構造改革のマネジメント』(2008年:共著)など。

「2013年 『パターン・ランゲージ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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