田原総一朗責任編集 それで、どうする! 日本経済 これが答えだ! (2時間でいまがわかる!)

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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776207511

感想・レビュー・書評

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  • 榊原英資氏VS竹中平蔵氏。仲をとりもつのは田原総一郎。成熟国家論者と成長路線論者の主張と主張が激しく火花を散らす。それぞれの著作だけでは十分に伝わらなかった部分、掘り下げがほしかった部分が対談という形で明瞭にすることができた。著作を読みながらツッコミを入れたかった部分についてもメスが入れられることとなり、今後の進むべき方向性の大きなヒントが示されたといえよう。田原氏の進行も絶妙で小説顔負けの面白さを演出している。日本のみならず中国、アメリカ、ヨーロッパにまで論は及んでおり、世界の中での日本の立ち位置というものが議論を通して炙り出されている。決して自らの主張を曲げないお二人の先生の姿勢も実に清々しかった。

  • なぜか苦手なはずの経済系の書籍って読んでておもしろいので、著名人の考える日本の将来について勉強がてら読んでみようと思い立ちました。
    田原総一郎という人はあまり好きではありませんが、まぁこの際関係ないでしょう。

    基本的に、竹中平蔵 榊原英資の間を田原総一郎がうまく埋めていく対談形式で進んでいきます。
    両名とも(お恥ずかしい話ですが)聞いたことはあっても詳しく知らない方だったので、ある意味先入観なしで読めたのは良かったと感じます。
    とはいっても、2人とも事実認識は共通しており、その後の問題解決方法などで相違がある程度のように感じました。

    経済の話が少し難しいなぁとは思いましたが、基本的にはさっくり概要に触れて意見を述べる程度だったのでさくさく読めました。
    こういう理論系の話で言い切り方の話しぶりをする人は信用できないたちなので、分からない部分は分からないとはっきり言う姿勢が信用できました。
    総括は「政治家が悪い」に落ち着きましたけどね(わら

  • 日本を代表する経済ブレーンである竹中平蔵と榊原英資が田原総一郎を交えて対談するという企画を文章に起こした一冊。デフレ脱却や金融緩和の要否など両者の意見対立は非常に興味深い内容であった。しかしながら、全体を通じては田原総一郎のコーディネーターとしての欠点の方が気に掛ってしまった。「朝まで生テレビ」を見ている際にも同様に感じる(というか辟易としてしまう)以下3点を簡単に要約する。

    1.「物事をキャッチーに単純解釈して、それに拘る」
    :豊富な取材量や幅広い人脈を背景にいかにもテレビ的なキャッチーな単純解釈をする。そして、物事の多面性を許容できず、こうであるはずと断言し相手を寄せ付けない。取材裏で見聞きした政治家の発言を文脈を飛ばして引用し(虎の威を借りて)、反論するのはよくあるパターン。

    2.「自分の得意分野に門外漢を引きづり込む」
    :進行役でありながら本論からすぐに逸れて、政治家・政局の裏事情など自分の得意分野に議論を持ちこむ。なぜ経済学者に領土問題・安全保障政策を語らせるのか。他分野でも見識のあると見込んでのことだと良心的に解釈出来なくもないが、自分の興味が無い分野や理解不能な問題提起はばっさりと切り捨てるのもよくあるパターン。

    3.ファシリテーション能力の欠如により、議論が収束しない。
    :この欠点が一番致命的。どの議論においても常に全体感がなく、対立点の整理が出来ていない。そのため、一つ一つのトピックはいいところをついていても、議論が収束せず、摘み食いの印象が拭えない。本著の中では、幾度となく竹中先生が榊原氏との認識相違の指摘、論定整理を行っていることが面白い。

  • 経済の話はとても難しく、中々とっつくことができないでいるのですが、そろそろ本気で経済を語れるようになりたいと思うようになったので、経済関係の本を読みまくりたいと思います。まずは読みやすそうに思えたので、出張の移動時間で読んでみました。

    今当たり前のことですが、中国をはじめとするアジア諸国、TPP交渉を軸にしたアメリカとの付き合い方、これまでを少し理解できたので、新政権の行動を理解できるように、これからは勉強していくつもりです。

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著者プロフィール

1941年生まれ。東京大学経済学部卒業。65年に大蔵省入省。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て97年に財務官に就任。99年退官。2010年より青山学院大学特別招聘教授。著書に『「今日よりいい明日はない」という生き方』『書き換えられた明治維新の真実』など。

「2018年 『AIと日本企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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