「殺しあう」世界の読み方 (田原総一朗責任編集 オフレコ!BOOKS)

著者 :
  • アスコム
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776208716

作品紹介・あらすじ

帝国主義とナショナリズム、格差と貧困、イスラム国…この世界で私たちは、どう生き残っていくのか?3人の最強論客が「資本主義の暴走」を斬る!

感想・レビュー・書評

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  • 資本主義が終わりに近づいているという認識が共通している点が興味深かった。

  • 「子供に自分達より高いレベルの教育を受けさせることが経済的にできなくなる」
    僕も勉強は己の努力でなんとかなろうと思います。
    しかし金だけはどうもならない。
    試験受けるにもお金がかかります。
    入学金もバカにならない。
    やはりホンマに大学行かなあかんのか?って問い直す時代がきてます。
    不人気(偏差値の低い)大学は潰せばいいんですよ。
    何も借金してまで大学の寿命を延ばすために行かなあかんのかってことです。

    「新自由主義」
    戦後日本の資本主義は社会主義共産主義革命が起こって殺されちゃ困るって資本家層が組合や労働者を大切にしてきました。
    それは世界的にも同じ動きです。
    しかしソ連や東欧の社会主義国家が崩壊して東西冷戦が終わり革命が起こらないとわかって好き放題やり出したのが新自由主義と書かれています。
    確かに今は資本主義を突き詰めて新自由主義に移行しようとしてるように思いますがそれは今の人々が求めてると言えるかも知れません。
    組合の組織率が年々低下して役所でも組合入らない人が増えてますから。
    僕はかなりの「愛国的思考」ですが支部執行委員出身なのでその辺のバランスは取れてるように思います。
    まあ新自由主義の進展は必然かなあとも思います。

    「日本は中福祉低負担の国だった」
    まさに組合を引き合いに出すまでもなく福祉の大半を会社が担ってきましたから。
    今までの日本は組織だけでなく個人の面でも護送船団やったと思います。
    今非正規社員が会社の福祉から溢れて更に会社もグローバル化の波から福祉の担い手を放棄しています。
    今までの福祉の水準を国が維持するには財源不足が明らかなんやと思います。
    それが新自由主義に繋がって溢れるものは溢れて上り詰めるものだけが総取りって社会に近づいてるのかなと思います。

    「沖縄」や「国家防衛」に関しては相容れないので割愛と言うことでσ^_^;

  • アジアでは社会主義国が崩壊していない。
    これは経済力のせい。ベトナムはいまだに社会主義。
    自民党のお願い文書なんてものが来たとき、在局キー局は、これに左右されることは断じてない、と視聴者に伝えるべきだった。

  • タイトルが強烈なので手に取った。佐藤優氏の世界情勢に関する分析や見方を知りたかったので読んでみた。ISや安倍政権の思惑などなど、メディアで取り上げられている視点以外の視点が盛り込まれている。

  • 時代は重要な局面に対峙しているということだろうか。
    それぞれの局面での政治家の判断が、この本に書かれているような重大な結果を招くとあれば、国民ひとりひとりが真剣に政治と向かい合って考えないといけないのではないか。
    議論する土台ができていないこの国にあっては、とても難しい課題だと思う。

  • 大半は、殺しあうというほど物騒な話でもないのだが、、、田原総一朗、佐藤優、宮崎学の3人が対談の形で、経済政治について語った本。対談本にかかわらず、読みやすい。

    目次をメモ代わりに

    「殺しあう」世界の読み方
    もくじ

    はじめに 私たちは、いま「殺しあう世界」へと向かっている

    第1章 殺しあいを生む!「格差」と「貧困」が広がる世界の読み方
    『21世紀の資本』から何を得るか?
    ピケティは、なぜ研究を始めたのか?
    ピケティとマルクスは、そもそもどこがどう違うのか?
    ピケティのいう「強い国家による統制」は、ファシズムになってしまう
    資本税徴収による「所得の再分配」は、抜本的な解決にはならない
    ピケティに欠けている「植民地とジエンダー」の視点
    問題は、格差ではなく貧困、それも「絶対的貧困」だ
    ピケティの主張は、河上肇『貧乏物語』の現代版である
    『闇金ウシジマくん』の世界が、今後どこまで拡大していくか?
    子どもに高いレベルの教育を受けさせることができない、右肩下がり現象が始まった
    利子率が低い日本は、資本主義が終わろうとしている?
    資本主義が限界にきていることを示すさまざまな「兆候」
    資本主義が終わる前に、殺しあう「人類絶滅」の可能性が出てきた
    中国大陸を資本主義が生んだ「新しい妖怪」が緋徊している

    弟2章 殺しあいを生む!「資本主義」の読み方
    いまマルクスの『資本論』が読まれる理由
    『資本論』全3巻を通して理解できる解説書がほしかった
    『資本論』を読めば、儲け方の秘訣を理解できる?
    マルクス思想を取り入れ、ロシア革命を実現したレーニン
    「労働力の商品化」を通して、マルクスがいいたかったこと
    マルクスのいう「賃金が決まる三つの要素」とは?
    「学者としてのマルクス」と「革命家としてのマルクス」の違いはどこにある?
    日本の左派理論の二大柱、「講座派」と「労農派」の違いとは?
    講座派は「明治の日本は後進国」、労農派は「遅れた要素もあるが先進国」
    日本のインテリは、95%が「講座派的」な考え方である
    「偏狭な変人」マルクス、「大いなる常識人」レ⊥一ンの大きな違い
    農村から革命をやるためのレ⊥一ンの作戦が「外部注入論」だった
    「現代のレーニン」は、読売新聞の渡邉恒雄、そして宮本顕治だ
    宮崎学は、新日和見主義者として日本共産党を追い出された?
    武装闘争路線を捨てたはずの共産党が、暴力革命を留保した理由
    宮崎学の時代の共産党を描いた『査問』の雰囲気
    「イスラム」を利用したソ連の革命、「アウトロー」を抱き込んだ中国の革命
    社会主義は、なぜ資本主義より先につぶれたのか?
    ソ連や東欧諸国がバタバタ倒れたのに、なぜ中国や北朝鮮は生き残っているのか?
    ソ連や東欧が一つだけ実現させた社会主義の理想とは?
    数十部のタイプ印刷なら、ソ連でも反体制作品を執筆できた
    中国共産党の高級幹部が、子弟を欧米にどんどん出し始めた
    中国はアメリカ化し、さらに勢力を拡大していく
    中国は、強そうなパーツを寄せ集めたキメラのような国?
    中国がムダなものを造り続けるのは・エリートが立場を守るためである
    中国の高度成長はすでに終わり、バブル崩壊が始まっている
    最大の公共事業として、「殺しあう大きな戦争」が起こるのでは?
    原発と潜水艦を抱き合わせで売れば、成長戦略の推進につながる
    「武器輸出三原則」は見直されたが、潜水艦なんて輸出できるのか?

    第3章 殺しあいを生む?「これからの日本」の読み方
    マルクス人気は、セカンドオピニオンを求める心理から来ている
    新自由主義的なやり方で本当にいいのか、考え直す時期にきている
    日本は、徹底した資本主義ではない、福祉国家でもない中途半端な国
    日本に新自由主義が広がったのは、小泉内閣よりもっと前からだ
    ズバリ!アベノミクスの成果をこどう見るか?
    株価が上がっても、多くの人は蚊帳の外で冷ややかに見ている
    アベノミクスで、格差問題はますます大きくなるのか?
    2014年暮れの総選挙で、これまでにないことが起こった
    自民党にも民主党にも入れたくない人が、仕方なく共産党に入れた
    次世代の党と公明党は、なぜ明暗が分かれたか
    普天間の問題で、沖縄が絶対譲らない二つのこと
    辺野古への移設を強硬に進めたら、沖縄は国連総会に打って出る塒
    沖縄の人たちは、沖縄に対する無関心に怒っている塒
    安倍政権は、辺野古基地の建設を強行するのか?蜘
    日本で唯一、県庁焼き討ちがあった沖縄を甘く見てはいけない
    沖縄人か日本人かの意識によって、沖縄の人は4種類に分かれる
    沖縄問題で強硬策に出るのは、無意識な差別が働いているからだ
    日本では、「差別者の論理」が公然と語られている
    便所掃除をやらないとはいわない。減らしてくれといっている
    安倍政権が使う物差しは、ゼロの位置が最初から狂っている
    一方的に話すだけの首相インタビューを、許してはいけない
    選挙の争点を政権が決めるのは、独裁国家の発想だ
    自民党の公正報道「お願い文書」を、メディアは受け取ってはいけなかった
    「客観報道」は、結局は権力の味方になるという自覚をもて
    政府は、沖縄をカでねじ伏せ、流血の惨事をもたらす気なのか?
    鳩山元首相は、普天間をどうするつもりだったのか?
    アメリカは、「地元が嫌だ」ということは、やらない
    「調味料」としての公明党の存在が、安倍政権の暴走を止めている
    「創価学会」と「沖縄」さえ見れば、日本の政治の動きがわかる

    第4章 殺しあう!「戦争が起き続ける」世界の読み方
    『シャルリー・エブド』襲撃は、言論の自由の問題とはまったく関係ない
    lSは、自分たち中心で世界イスラム革命をやるロ実を必要としている
    フランス大規模デモの底流にあるのは、「反ユダヤへの反発」だ
    映像マジックで、首脳たちが民衆デモの先頭に立って行進したように見せた演出
    ISを、時代錯誤の野蛮な集団と見くびるのは間違いだ
    ISは、アルカイダの失敗から生まれた?
    lSに対しては、日本は無関係ではいられない
    「戦後の日本は戦争に手を染めてこなかった」では通らない
    IS側から見れば、日本は対テロ戦争参戦国の一員である
    なぜーSは、世界の若者たちを惹きつけるのか?
    暴力的なゲームのおもしろさを、ISならリアルに体験できる
    すでにlSと戦争状態に入った英仏。アメリカはどうする?
    安倍政権の日本人人質・殺害事件への対応は、適切だったのか?
    テロとの戦いに対して、日本は今後どう対策をとるべきか?
    アメリカがいうように、ISを短期間に壊滅させられるのか?・
    日本がとりうる有効な選択肢は、おカネを出すことくらいしかない"
    集団的自衛権の行使容認は明らかな「暴走」だ
    安倍晋三は・アメリカが危惧する「歴史修正主義者」か?
    第二次大戦は・複数の性格を持つ戦争だったか、b、話がややこしい
    戦後の体制をくつがえす「ちゃぶ台返し」は、やってはいけない
    戦前と戦後では「まったく違う国」ドイツ、日本はどうか?
    戦争を完全に総括できた敗戦国なんて一つもない
    戦争について議論を積み重ねてきた歴史を、なかったことにすべきではない
    対米従属というが、アメリカに従属しない国がどこにある
    安保反対は、反体制運動というよりナショナリズムの噴出だった

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著者プロフィール

写真家。1949年長野県生まれ。精密機械会社勤務を経て、1972年、プロ写真家として独立。自然と人間をテーマに、社会的視点にたった「自然界の報道写真家」として活動中。1990年「フクロウ」で第9回土門拳賞、1995年「死」で日本写真協会賞年度賞、「アニマル黙示録」で講談社出版文化賞受賞。2013年IZU PHOTO MUSEUMにて「宮崎学 自然の鉛筆」展を開催。2016年パリ・カルティエ現代美術財団に招かれ、グループ展に参加。著書に『アニマルアイズ・動物の目で環境を見る』(全5巻)『カラスのお宅拝見!』『となりのツキノワグマ』『イマドキの野生動物』他多数。

「2021年 『【新装版】森の探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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