禅僧が教える心がラクになる生き方

著者 :
  • アスコム
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本棚登録 : 511
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776209577

作品紹介・あらすじ

不安・怒り・執着・嫉妬は手放せる。「自分を大切にする」ことをやめる。生きるか死ぬか以外に大したことなどない。永平寺で20年修行した、霊場・恐山の禅僧が説く"善く生きる"ヒント。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルがアレなのであまり期待していなかったんだけど、結構よかった。1番大きな収穫は、「私の人生、辛いことがあってもいいのだ」と思えたこと。私は「苦しみたくない」という思いの中で苦しんでいたし、苦しみをできるだけ回避しようとしていたけど、それって無理じゃん?と気づけたのが良かった。最終的には大槻ケンヂの「これでいいのだ」「それでも生きていかざるをえない」じゃないか!大槻ケンヂすごい、となったのもオマケでよかった。

  • ・心をラクにする方法は、簡単ではありません。それは、私たちが縋りついてきたよりどころが、たよりないこと、役にたたないことを認めることから始めなければならないからです。

     南 直哉さんの著書には『老師と少年』で出会いました。寓話のように優しい言葉で綴られている本でしたが、物語が表そうとしている境地には、簡単に到達することができません。そこは、心が苦しい状態を心身の力で乗り越えてきた人だからこそ描ける世界だからです。

     私たちの心の苦しみは、自分を愛したい、でも愛せない、自分を守りたい、でも守れない、という葛藤から生まれているのだと思います。誰よりも大切なはずの自分を自分自身で愛し、守ることは、思いのほか難しい、だとしたら、自分の次に大切な人を、愛して守ればよいのかもしれません。

     何よりも、家族に恵まれるということが、いかに幸せなことなのか、噛みしめている毎日です。なぜならば、そこには自分以外の誰かのために、自分の時間を使うという行為が自然に行える仕組みがあるからです。

     孫のため、それは娘のため、そして妻のため、家族が少しでも安心して暮らせる方向へ、ほんの少しでも舵を当てる、それができる自分であることが「ありがとう」と言われる前から、ありがたい。

  • 本屋で手に取り、購入した。

    自分ファーストな人達に圧倒され、家庭のなかでは些細なことで張り合い、幸せでなくては、生きがいを持たなければという想いに自ら囚われ…
    そうした諸々に生きづらさを感じるときに読むと、少しラクになれそうだ。

    「本当の自分」にならなくてもいい。「生きる意味」を見つけなくてもいい。
    すべては「仮の宿」で、「人生のそれ自体に意味などない」と。

    少し乱暴に聞こえるところもあるが、そこまで言い切らないと伝わらないほど、私たちは色々な欲に縛られ、憂う必要のないことを憂いて生きているのだろう。
    傍らに置いて、ときどき読み返したい。

  • 読んでいて、心が軽くなりました。
    こういう生き方もあるんだなと参考になりました。
    辛いときにまた読もうと思います。

  • 必ずしもすべての意見に納得したわけではないけれど、自分の見方とは別の視点で物事を見ると気持ちが楽になるというのはわかる気がした。自分がいっぱいいっぱいの時に「果たして真実は本当にそうか」と一歩引いて冷静に考えるようにしたいと思う。

  • すごく人間くさいお坊さんだと思いました。

  • いつもYOUTUBEで大愚元勝さんのお話を聞いており、仏教視点からの物事の捉え方を学びたいと思い手に取りました

    読み始めて最初に、「そもそも自分とは何だ?」という観点からお話が始まり、物事を客観的に見ることの意味を説明してくれました。
    この本の中で最も自分にとって感銘を受けたことは、
    「決断」するということについてです。
    大きな決断は必ず周囲の人間を巻き込む。
    また、大きな決断をしなければならない状況はたいていネガティブな状況であるということです。
    なぜならばポジティブな状況であれば迷わないから。
    言われてみるとごもっともなことですが、実際そんな状況にいるとなかなか気づきにくいことです。
    「もし人生を変えるような決断であれば不思議なものでまったく予想外の力が働きそうせざる得ない状況になる。」
    ということも自分にも覚えがあり、納得しました。
    決断が下せないときは機を見て待つことも必要だということでした。

    大愚さんも南さんも実にロジカルに語ってくださるので、聞いていて頭にすっと入ってきます。
    読んでいて気をつけようと思うことが多かったです。

  • 南直哉さんの最新作。葬式仏教とは一線を画し、本来の仏陀の考え方、禅の思想をベースにして、生きるとは、死ぬとはを正面から考え続ける僧の言葉はシンプルだけど響きます。何回も味わいながら読みたい一冊。

  • 良く言われる「○○しなくては・○○でなければ」ということを気にしなくてもいいと思えます。
    生きることが苦しいのは当たり前、夢とか目標とか、子供のころにこういう人の話を私も聞ければまた少し違ったんだろうか。…当時の私を振り返ると変わらない気もしますが。

    悲しみと向き合うのは今後の私には大切になる気がします。私はこの中の12時間話した人と同じくらい忘れられませんし、引きずりますから。今読めてよかった。

  • 老師が望んだタイトルではないそうだが、毒を持って毒を制すると考えれば、誤解を招くかもしれないが、決して的を外したタイトルではなく、老師の考えが優しく整理されていると感じた。

    私が愛情を注ぐ相手の人生は私のものではない。
    私が愛情を注ぐ「対象」は須らく私のものではない。
    ならば、私が愛情を注ぐ「私の人生」もまた私のものではない。
    これが私の人生が意のままにならない理由である。

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著者プロフィール

1958年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、大手百貨店に勤務。1984年、曹洞宗で出家得度、同年、大本山永平寺に入山。以後、約20年の修行生活を送る。2003年に下山。現在、福井県霊泉寺住職、青森県恐山菩提寺院代。著書に、『語る禅僧』(ちくま文庫)、『日常生活のなかの禅』(講談社選書メチエ)、『「問い」から始まる仏教――私を探る自己との対話』(佼成出版社)、『老師と少年』(新潮文庫)、『『正法眼蔵』を読む――存在するとはどういうことか』(講談社選書メチエ)、『出家の覚悟――日本を救う仏教からのアプローチ』(スマラサーラ氏との共著、サンガ選書)、『人は死ぬから生きられる――脳科学者と禅僧の問答』(茂木健一郎氏との共著、新潮新書)など多数。

「2023年 『賭ける仏教 出家の本懐を問う6つの対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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