カラス笛を吹いた日

  • ビーエル出版
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本棚登録 : 49
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776404330

作品紹介・あらすじ

だぶだぶのウールのシャツの下で膝をかかえこんで、小さな声でささやいてみる。「父さん、父さん。」父さんって言うのは初めてみたい。戦争に行って、長い間、家にいなかった父。「父さん。」と、気軽に呼びかけることさえできない娘。そんなふたりはいっしょにカラス狩りにでかけます。リズはカラスを呼ぶカラス笛をもって、そして、父は、銃をもって-カラスが群れる荒涼とした丘にリズが吹くカラス笛がひびきわたります。作家ロイス・ローリーが、多感な少女時代の自分と父との思い出を、詩情ゆたかにつむぎだします。

感想・レビュー・書評

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  • ロイス・ローリーの他の作品を知らず、これだけで評価するとしたら、悪くはないが、すごく魅力的ってわけでもない。
    出征していて、長く不在であった父と娘が、おずおずとお互いを知ろうとする様子が描かれる。父は戦争で、心も体も疲弊しているようだし、娘は自分を真っ直ぐ受け入れられないでいる。
    カラスを退治するために笛で呼び寄せて撃ち殺すはずだったが、結局カラスを呼び集めただけで、殺さなかった二人の気持ち。
    雄弁なのは絵。「アンドリュー・ワイエスをしのんで」と書いたイバトゥーリンの絵は、確かにワイエスを思い出させるような、枯れて荒涼とした色合い。この絵がなかったらここまでの本になったかどうか疑問。
    絵が8割以上の価値を持つ本。

  • 一冊の長い小説を読んだような感覚。

  • 戦争に行っていて長い間一緒にいられなかったお父さんが帰って来た。どうやって接して良いのか?父と娘の探り合うような時を描いている。高学年むけ。

  • 戦争から帰還した父と娘が連れだってカラス狩りに行く話。途中から涙線にきて困りましたが,最後は温かい気持ちにさせられました。戦争は哀しい。絵がとても優しくて,ノーマンロックウェルのイラストのような古き良きアメリカを感じた。

  • 戦争に行っていたお父さんが帰ってきた。
    今まであまり会話したことないのでぎこちない主人公の女の子。
    カラスを狩るために呼び寄せる笛をうまく吹けたことで父との距離が縮まったと感じる。

    作者の実体験を絵本にしたものらしい。
    タイトルからはファンタジーな話を想像していたので予想外だったけれど、いい話だった。

  • すこ〜しずつ、女の子とお父さんの距離が縮まっていく。
    笑顔。
    しずかに、じんわり、ふたりの時間と愛情が伝わってきます。
    『パパはジョニーっていうんだ』の女の子版なイメージ。

  • 長い間戦争に行っていて家にいなかった父さん。少しドキドキしながら父さんと車に乗った。わたしはカラス笛を父さんは銃を持って。丘の頂上でわたしがカラス笛を吹くと、カラスがどんどん集まってきた。わたしを友だちだと思ってるんだ! 父さんは銃を使うかしら…。いつまでも心に残る美しい絵の絵本。

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著者プロフィール

1937年ハワイ生まれの児童文学作家。アメリカ陸軍の歯科医だった父について各地を転々とし、11才から13才までを日本で過ごした。現在はメイン州在住。1990年に『ふたりの星(Number the Stars)』(童話館出版)、1994年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者(The Giver)』(新評論)で、ニューベリー賞を二度受賞する。「ギヴァー」は大人気シリーズとなり、世界累計1200万部を超える。他にも『モリーのアルバム (A Summer to Die)』『Windeby Puzzle』など多数。

「2023年 『水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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