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- / ISBN・EAN: 9784776406051
作品紹介・あらすじ
「『にっき』ってなに?」「起こったことを書いておくんだよ。でも、ひいじいちゃんは、読むことも書くこともできなかった。だからマッチ箱にその日の思い出を入れることにしたのさ。」イタリアで生まれた少年は、やがて移民として家族でアメリカにわたる。父との再会、仕事を求めアメリカを転々とし、働きに働いた思い出。やがて家族の希望を背負って学校へ行き…。マッチ箱の日記をひもときながら、ひいじいちゃんがひ孫に半生を語ります。
感想・レビュー・書評
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日記は、過去の自分が書いた文章や絵から、かつての思い出を辿る事が出来るだけではなくて、物を集めることでも同様に成立し、それらを見た途端、かつての自分が心の中にパーッと広がり、人生における大切な一場面を思い描く事が出来て、しかもそれは、自分だけではない家族全員の忘れられない思い出にもなる、そんなかけがえのない素晴らしいものであることを実感いたしました。
「ひ孫」の女の子が、「ひいじいちゃん」の部屋の中のものから選んできた好きなものは、月に腰かける女性がデザインされた素敵な箱でしたが、肝心なのは箱では無く、その中に入っていた、たくさんのマッチ箱で、ひいじいちゃんは、ひ孫くらいの頃、読み書きが出来なかったから、マッチ箱にその日の思い出を入れたのです。
それらは、オリーブの種、王冠、ボタンフック、新聞の切り抜き、石炭のかけら等、一見、何の変哲もないものに思えますが、当人にとっては、とても大切な思い出が詰まっており、ひとつひとつ紐解いていくごとに、知ることが出来るのは、ひいじいちゃんが今日までどのように生きてきたのかということであり、それはまさに、日記を紐解いているようでした。
そして、ひいじいちゃんの人生は、セピア色に彩られた絵柄に切実な思いが滲んでいるような、ささやかな希望に満ちながらも、当時のイタリアの貧しい社会情勢や、アメリカへ移民したイタリア人に対する偏見もあり、悲しくて辛いこともあったけれど、それでも家族の為に学び働き続けて、少しずつ、やりたいことを見つけていった、そんな半生を落ち着いた語り口で振り返る、ひいじいちゃんの温かい人柄と、好奇心旺盛で、時折ひいじいちゃんに気遣いの言葉をかける、ひ孫の女の子の優しさには、家族愛に満ち溢れた微笑ましさを感じさせられ、それは表紙の絵の、マッチ箱の日記の一部として共にある、二人の幸せそうな写真がよく表していると思います。 -
マッチ箱の中に入れたおじいさんの日記。
素敵だったなぁ。 -
アメリカへ働きに出た父、その父のもとに旅立った母と子どもたち。5人姉弟の末の男の子が語る、イタリア移民の苦難の人生の物語。 家が貧しく学校に行けず、読み書きができずにいた彼は、記憶に残る品物をマッチ箱のなかに仕舞って、日記の代わりにした・・・苦学し印刷の仕事を30年続けた彼は、本屋と骨董屋になった・・・<マッチ箱日記>のお話を聞いたひ孫に「本は新聞みたいなもんだ。読んだらその時のことを思い出せる。何年もの間大切にされた古いものには、お話が溢れている。持っていた人みんなの日記だ。わしにとっても大切なものだ」
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訳あって工夫して付けていた日記を孫と一緒に振り返る。
温かみのある繊細な絵が絵画のようでとてもお気に入りの一冊です。 -
イバトゥーリンの絵が大好き!
内容も良かったです。
アタリの課題図書(*^-゜)b -
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同感です。
本書は2014年頃、小学生の夏休み課題図書になっていたと思います。「中学生、高校生になって繰り返し読むと深まりが出る本だなぁ」と...同感です。
本書は2014年頃、小学生の夏休み課題図書になっていたと思います。「中学生、高校生になって繰り返し読むと深まりが出る本だなぁ」と思いました。2023/03/15 -
白いヤギと黒いヤギさん
課題図書になっていた絵本だったのですね。小学生の娘に教えてもらって読んだのですが、知りませんでした。
確かに、大き...白いヤギと黒いヤギさん
課題図書になっていた絵本だったのですね。小学生の娘に教えてもらって読んだのですが、知りませんでした。
確かに、大きくなってから読み直すと、より深く味わえそうな絵本ですね。2023/03/15
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時代の重み、人生の重みを圧倒的な筆力で描く。子どもも大人もうなるはず。
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「マッチ箱にその日の思い出を入れることにしたのさ」字を読むことも書くことも出来なかったひいじいちゃんの日記はマッチ箱の中だった。
オリーブの種から始まり、鉛でできた文字で終わる。辛いことも多かったけど、嬉しいこともそこにはあった。その後日記は違う形で続けられる。それは、本であったり、骨董であったり。
大切にされた物には、お話が溢れている。
「本は新聞みたいなもんだ。読んだらその時のことを思い出せる」
本もひとつの日記なのだ。本の内容は忘れても、読んでいた当時のことは色々思い出せる。
だから読書はやめられない。 -
写真…?ていうほど絵が美しい…!
マッチ箱に思い出を入れる、素敵だなあ。
移民のお話を取り入れているのでさらに素敵。
ここからまた移民の歴史を知りたくなりました。
お久しぶりです。
こちらこそ、ご無沙汰しておりまして、お仕事忙しいのだろうなと思っておりましたが、...
お久しぶりです。
こちらこそ、ご無沙汰しておりまして、お仕事忙しいのだろうなと思っておりましたが、お元気そうで、何よりです(*^_^*)
ちなみに、私も本書は知らなくて、たまたま、日記を題材にした絵本を、いつもの図書館で探していたら見つけました。
そして、本書の作者「ポール・フライシュマン」が、『ウェズレーの国』や『種をまく人』の作者だとは気付きませんで、どちらも未読なので読みたいと思います。おすすめ、ありがとうございます(^^)
『母の友』、私は今年初めて、読んだのですが、タイトル通り、お母さんの支えになるような本だなと感動いたしましたし、物事の新しい視点を色々な形で教えてくれたのが、とても印象的でした。
それから、教育現場で働く方々は、ご自分の状況も照らし合わせて、とても大変なのでしょうね。
しかし、ロニコさんのされているお仕事で、それが少しでも明るい方向に向かわれるならば、素晴らしい事だと感じました。
いつも読んで下さって、ありがとうございます。
私、気長に待っておりますので、ロニコさんの素敵なレビュー、これからも楽しみにしております(^^)
返信をありがとうございます^_^
幅広いジャンルをお読みになり、掘り下げたレビューを書かれているたださんの本棚は、図書購入を考...
返信をありがとうございます^_^
幅広いジャンルをお読みになり、掘り下げたレビューを書かれているたださんの本棚は、図書購入を考える上でもとても参考になります。
読書は孤独(孤独というか個人的?孤独が悪いことだとはちっとも思っておりません)な活動ですが、
こうしてブクログを訪れると、個人的だと思っている活動に、広がりと連帯を感じ、色々な人の感想に触れるとわくわくします。
これからも細々と続けますので、宜しくお願いします^_^
更なるお返事をありがとうございます(^^)
私もここに来ると、孤独は感じなくなりまして、様々な方が私の思いに共感いただくこと...
更なるお返事をありがとうございます(^^)
私もここに来ると、孤独は感じなくなりまして、様々な方が私の思いに共感いただくことには、まるで私の生き方を肯定されているように感じられますし、私とはまた異なる興味深いレビューから、新しい私を知ったりと、とても楽しいです。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします(^^)