- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784777102426
感想・レビュー・書評
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著者は、言わずと知れたソニーの共同創業者であり、幼児教育に熱心に取り組んだことでも知られる。
全編を通して、知識偏重の教育を批判し、幼児期の心を育てる教育の大切さ、しつけや徳育の必要性を説く。
とはいえ、残念ながら幼児期の心を育てる具体的な方策は乏しく、著者の言う戦前教育のすべてを否定すべきでない、教育勅語にもよいところがあった、などのくだりは単に著者自身のノスタルジーにすぎないのではないかと感じさせられた。
乳幼児期の家庭教育こそが教育の基盤で、そのなかでも母と子の絆が人間づくりの原点であり、母親こそが教育の真の担い手である、という結論部には、父親の役割についての言及は別の機会に譲るのだろうと留保を付けながらも同意できる。詳細をみるコメント1件をすべて表示-
kiyotchanさんなるほど。家庭が教育の場の原点なんですね。ソニーの井深さんが幼児教育に熱心だったというのは初めて知りました。きっと、「会社は家族」という時代...なるほど。家庭が教育の場の原点なんですね。ソニーの井深さんが幼児教育に熱心だったというのは初めて知りました。きっと、「会社は家族」という時代でしたから、社員教育も家庭教育に通じるところが大きかったのではないかと推察します。2016/01/02
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21世期の自分から見て批評的な姿勢で読んだが、時代によって変わるべきものと、変わらないものがある。教育勅語もすべてが悪かったわけではなく、徳育の部分の伝統的な社会規範はまさに変えてはいけないところだった、と説く。すべてのことが二項対立ではない考え方に、戦後の風潮の中でここまで鋭く指摘できているところがすごいと思って読んだ。
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これを学校でやろうと思うと、
これを家庭で行おうと思うと、
暗澹たる気持ちにさせられる。
井深さんの声は、もう、届かないでかき消される。
誰も見向きもしない。
中島義道さんなんかが、「寝言をほざきなさんな」と叩き落としそう。
批判しているわけではない。本当に井深さんの提言が正しいから、哀しいのだ。 -
ソニーの創業者の井深大さんの日本の教育に関する本。
気になっていていましたが、思っていた内容と違いました。
もう少し心の教育はどのようなものか詳細が書いてあるのかと思いましたが、戦後の日本教育の評論でした。
井深さんの他の本、0歳からの教育などは、将来子どもができた時に参考とそて読んでみたいです。