- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784777108633
作品紹介・あらすじ
かつて世に「ソニー神話」なる言葉まで生んだソニー。最も普通でない企業が陥った「普通」という病に迫る。
感想・レビュー・書評
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著者は元ソニー社員で、現在コンサルタント。著者曰く、「ソニーは普通の会社になった。巨大で、非効率、不合理、部分最適に血道を上げる官僚組織にがんじがらめにされ、井深、盛田により培われたものづくり遺伝子は地に落ちた。本来、人を生かすべき経営者が、金を生かすべく振舞う。これでは、経営者ではなく投資家であり、ソニーに経営はない。この状態では、長期低迷から抜け出すのも難しい」。 ソニーのお勤めの方、この本の内容は本当でしょうか?もし、本当ならば、アップルにすき放題されるのもしょうがない。非エンジニアの経営者が長らく続いたツケを今から払い、ものづくり遺伝子を取り戻しましょう。がんばれソニー、我らがソニー。
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図書館
2012/03/04 -
元ソニーで紆余曲折を経てコンサルタントとなった著者が語る経営論。
Kindleでセールやってて、多分100円とかだったから購入したんだと思います。
私は経営に全く興味も知識もないし、
ソニーにも思い入れなどないので
途中から流し読みでした(笑)
経営論を読むのが好きだったり、ソニー製品に思い入れがある人は多分面白いです。
私はといえば、入社してしばらくAIBOの世話してたのと、今の家のパソコンがVAIO、ってくらいですからね。。
経営職でもないしー。
この人は辞めたとはいえ、本当にソニーが好きなんだろうねぇ。
でなきゃこんな本出さないもんね。
ワタクシ的名言
人は、モチベートするものである。放っておいても仕事を通じた社会貢献を自律的に楽しめるようにするのが、リーダーたる者の使命なのだ。社員が最高に仕事を楽しんでいる状況こそが、企業に経済的な最大の成功をもたらすものである。(本文より引用)
世の中、全て「役割分担」なのだから、職位の高い人でも肩書きで呼ばず「さん」付けで呼べ、という井深さんや盛田さんからの教えを、私は今でも頑なに守っており、同じ理由で、職位の高い人を「偉い人」とは言わない。(本文より引用)
数字が響く人間の数は限られる。堅牢なる論理も同様だ。夢と並んで情熱も捨てがたいが、情熱は直接会って見せねば、そう深くは響かない。
(中略)
だから本来、夢を語らぬ経営者は怠慢である。夢を語れぬ経営者は、無能である。(本文より引用)
ちなみに、お局さんというものは、上昇思考の強い所謂キャリアウーマンとは異なる存在である。
私は、男性に多く見られる「予定調和」の発想を否定する。「予定調和」の発想とは、ビジネスとしての正解を突き詰めるよりも、内輪の納得感を優先した「落しどころ」を最初から狙うというパターンの考え方のことであり、これは世の中の進歩を妨げるものであるが、女性は、総じてそうした発想とは無縁である。
だから、そうした女性の資質というものを、もっともっとビジネスシーンで活かすべきだと私は強く考えており、その意味で、私は女性管理職待望論者である。いまだにキャリアウーマンは、少なすぎるのだ。
しかし、お局さんは、自身のキャリア向上を捨ててでも職場の良心であり続けることを選ぶ。(本文より引用)
あたし、お局さんだーー。 -
ソニー創業者の盛田さんの言葉として載っていた「Think Globally , Act Locally」つまり、「全体的に考えてた上で、個別の行動をせよ」という言葉、実にいい言葉だと思う。
以下、備忘。
「会社のため」に働くという個人は、おそらく企業における最もポピュラーな個人レベルの本末転倒なのであるが日本企業ではとても多く見られる。
ただ、会社で「社会のため」「社会のため」と力み返る事もない。「社会のため」に働くことに楽しみを見出せる個人であれば、「自分のため」で済む事だ。結局、それが「会社のため」にもなって、社会も個人も会社も、すべてがハッピーになる。
<中略>
本来、世界は、働くことをただ楽しめばいいようにできている。 -
浅薄な批評本かと思ったが、違った。いい意味で裏切られた。
お金より人、テクニックより本質、という後書きの言葉が全て。東大卒は使えない、とか。また読み返してみると発見があるかもしれない。 -
SONY出身のコンサルタントが、昔のSONYはよかった、出井さんの頃からストリンガーのところで本社の意向と数字を気にする「普通の会社」になってしまったとなげいている本。
であれば、残って引っ張ってくれよとも言いたくはなるが。
やはり日本人としてSONYはがんばってほしい。 -
品川あたりで聞けそうなロートルの愚痴。そういったものには共感することも、反発することもあるだろうが、多分に発言者の好みが意見を左右しているものだ。そして聞く側にも当然意見はある。これ、嫌い。
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ニンテンドー イン アメリカの後にはこれでしょう。作者さんのソニー愛が伝わります。♡がんばれソニー。
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ソニーの人が書いてるからソニーってタイトルについてるけど、日本企業の多くに当てはまると思う。なぜダメになったのか非常にわかりやすく書いてある。
筆者の考えには共感できる部分が多いが、読めば読むほど今の企業のダメさを痛感した。
日本のホワイトカラーの生産性の低さ無能さ、会社における無駄なこと、などなど、社会人でも社会にでる前の人でも知っておいてほしいことが書いてます。 -
ソニー出身の現役コンサルタントが語る内側から外側から見たソニー。ソニーを蝕んだ普通という病とは。
本書を読むと日本の大企業がいかにして蝕まれたのかがわかる気がする。本書の中で著者は「人生を浪費するな」と繰り返す。
生産性を落とす事は人生を浪費するに置き換えられるという話はなかなか面白い。
世の中にかつてのソニーのようなユニークな会社は少ない。また、ソニーに入る事は難しい。
しかし、自分の人生を浪費させない努力は自分の意識の持ち方で改善が出来そうである。
また、相手の人生を浪費させない心遣いが出来れば、周りが少し変わる気がする。 -
けっこう企業とはなにかを考えてくれる本である。
とくに4章の世間を蝕む「普通病」は必見である。
いまの時世、どこの不景気になる。
経営者という人はどうも景気がわるいと経費削減キャンペーンをしたがる。しかし、まいかい細かく経費を申請することで、社員や経理のコストがかかり、あえて、全体の赤字は増える。しかも、バカバカしいキャンペーンに飽きた社員は失望する。経営者もいつの日はそれには気づくが、やめる!と宣言するとバカに経費が増えると心配してちゃんと止める宣言はしない。いつのまにか申請しなくなり、キャンペーンはうやむやになり、ちゃんと宣言しない経営者に社員はまだ失望する。こうして形だけまもるようになり、本当にやらないといけないことまで、形だけまもる構造になる。 -
元ソニー社員である筆者からの視点でソニーという会社を分析した作品。この本のタイトルでもある普通病とは、本質的には非常識な一般常識と定義されている。まあ、暗黙の了解ってやつですね。自分はこの暗黙の了解でダメな部分っていうのは、やっている理由を聞かれた時、誰も説明できない時は、この本で言うところの普通病の可能性があると思っています。ソニー全盛期はそれこそ、フロンティアスピリッツあふれる会社で「出るクイを求む」等と、一筋縄ではいかない人材募集をかけていたようです。しかし、今では親が就職させたいランキングの上位という本来なら喜ばしい事が逆に、普通になり下がったという変な会社なんですね。高学歴がダメなのではなく、高学歴者ばかりだからダメなんだという筆者の意見は一理あると思います。本来は多様性というのは生き残り戦術の基本であり、強力な手段ですからね。この本で一番、納得したのはコールセンターの悪循環で、企業の経費削減の際にお客様と直接かかわる部署はなるべく削減の対象外にした方が良いという論理は納得です。確かにみんなストレスたまるわな。。。
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機能価値よりも利用価値を考える。
技術上がりのモノつくり出身の僕は機能価値に
とらわれていたように思える
「こんな機能もある、あんな機能もある」
そうではなく、お客様がそれを使う事でどうなるか、
を考えなければならない -
普通になったらダメですよね。
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元ソニー、その後コンサルティング、という経歴の筆者が、うちとそとからみたソニー衰退の原因分析。
普通病がソニーをダメにした。
普通病とは企業文化の悪しき普通化のこと。(3)
悪しき普通とは本質的には非常識な一般常識のこと。
顧客と社員の双方が、無駄なことをしない=人生を浪費しない。後ろ姿も美しかったソニーのテレビ(24)
何事にも本質を求めてやまないのがソニー流(30)
機能価値を減じて使用価値を増す(35)
間接部門が全力で支援すべき対象である現場から離れれば離れるほどステータスは高まってしまい始末におえなくなる(51)
異なる職種間での成果の比較なんかしようがないのに、無理矢理しなければならないのでコヂツケ論理が作られ、コヂツケ成果同士がコヂツケ論理で比較される(57)
何をどうしようか、成果の数字化が難しい職種においては成果のまともな数字化は不可能(64)
ビジネスとはいかに本質に近づき、その後いかにして本質付近にとどまるかの勝負
仕事の見返りとは仕事そのものの楽しさである。「あんまり金、金っていうな、かっこわるい」(65)
社員は会社があずかっている社会の財産(69)
コミットメントとは数字に対してではなく経営層が語る夢にステークホルダーが傾倒(コミット)すること(82)
数字が響く人間の数は限られる。堅牢なる論理も同様。情熱はあわねば相手に伝えられない。夢ならばあわなくても地球の裏側でも伝わる。夢を語らぬ経営者は怠慢であり夢を語れぬ経営者は無能である。(85)
奇人変人の居場所をなくす優等生(86)
すぐれたコンサルタントはすぐれた構造化能力を持つ。すぐれた経営者はすぐれた抽象化能力を持つ。完璧に論理だった説明よりも、一言だけの抽象化された言葉で人は動くから。(120)
仕事、楽しいですか? (井深さん)(128)
顧客の顧客が大事。(クライアントの先のユーザ)(141)
経営者は業績が悪化すると費用削減キャンペーンをやらかしたくなる。アホ臭い申請書をかいたりして人生を浪費する。モチベーションさがる(154)
管理会計などはどんぶり勘定で十分。データのための仕事をしないこと。顧客の顧客への価値想像にまたくつながらないから。(160)
親は無理だが上司は選べる(166) -
著者がいた頃のソニーと、今のソニーを比較した本。
はっきり言えば、意見に偏りがあり過ぎる。
事実を知りたくて読む方は残念です。
少ない情報を読み取れば、色んな人がいなきゃダメってこと。 -
経営者が投資家化している、との危機は、優等生の多いサラリーマン大企業には意外と当てはまるのかもしれません。人生を浪費してはいけない、との教訓も胸に。
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「内輪の論理」がはびこるとだめ。顧客志向に向かうべき。社外へなにか発信する活動を常設すべき。優等生ばかりが入社したために、あまりにも企業として「普通」になりすぎて、とんがった製品が出せなくなっている。
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ソニーと当社はそっくりだなあ。
普通じゃなくするには、普通だと会社にいられないように
しないとだめなんじゃないか。
そのためには、「普通」「まとも」が求められる部門は
アウトソース化する、というのは有効なのではないかと感じた。
ソニーのトピックとしては面白かったが、著者の横田氏の語り口は、
いちいち上から目線で、気に障り、その割にはいってることは
いたって「普通」なのが残念なポイント。
こういうコンサルにはなりたくないし、相談もしたくないなあ。
【ストーリー】 10/20<BR>
【文体】 4/20
【知識量】 11/20
【衝撃度】 9/20
【はまり度】 10/20
●へえー!と思ったことメモ
・日本のブルーカラーの生産性は世界トップレベルだが、
ホワイトカラーはOECD30カ国中最下位
・バンダイにはCGO=Chief Gudam Officerがある
・ソニーには1997年までエスパー研究所があった。
●ソニー名言メモ
・Think Globally,Act Locally(盛田氏)
・ネアカであれ(盛田氏)
●当社に使えるんじゃないかと思ったこと備忘録
・本社機構のアウトソース化
・お局さん=仕事に筋を通すことをなによりも重んじる、
経験豊富な職業婦人のことであり、職場の良心。の活用 -
出る杭大歓迎。打たれるのではなく、引っこ抜かれるくらいまでやってみよ