"蒙古の怪人" キラー・カーン自伝 (G SPIRITS BOOK)

  • 辰巳出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784777817818

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  • 文字通り、WWFでも(というよりむしろアメリカで)活躍したキラー・カーンの自伝。

    相撲時代の話から日プロ入門時代の話、本当は行きたくなかった新日本プロレスに入り、渡米して大成功を収めて凱旋帰国をし、その後維新軍→ジャパンプロレス入りを果たすも、ジャパンプロレスを離脱してついにはプロレスを辞めて、居酒屋を開業してしまう話は、外連味のない語り口で、どれも面白かった。

  • 毎号愛読しているG SPIRITSで出版が予告されてからずいぶん経っ
    た気が(^^;)。待たされに待たされたおかげか、書店で手に取った
    時は思わず笑みを浮かべてしまった程の待望の一作。
    “アルバトロス”こと、キラー・カーンの自伝である。

    誤解を恐れずに、そして最大限のリスペクトを込めて敢えて言う。
    キラー・カーンとは、「世界でいちばん有名な偽モンゴル人」。
    生粋の日本人でありながら後頭部に弁髪を結ってモンゴリアンを
    演じ続け、大袈裟で無く全米を震撼させた最高のプロレスラーの
    一人。もしかしたらアメリカのオールドファンは、今もカーンを
    本当のモンゴル人だと思っているかもしれない。

    僕の考える「アメリカで本当にブレイクした日本人プロレスラー」
    は、実はそれほど多く無い。思いつくままに並べてみても、ジャ
    イアント馬場、グレート・カブキ、グレート・ムタ、獣神サンダ
    ーライガー、TAJIRI、最近の中邑真輔くらいのもの。もちろんそ
    の中に、文句なくキラー・カーンも入っている。

    現役時代のカーンは本当に凄いプロレスラーだった。
    日本人離れした体躯に加え、あまりに恐ろしい表情。外国人相手
    でも一切体力負けせず、相手が誰であろうと(例えばアンドレで
    も)真正面から攻撃を受け、自らも真っ向からぶつかっていく。
    アルバトロス殺法と呼ばれたコーナー最上段から両膝を落とすニ
    ードロップは説得力抜群で、一時は日本人最強かと思った程。
    そんな名選手が綴る自らの半生は、やっぱり豪快で面白い。

    印象に残ったのは、キラー・カーンという男の正直さ。
    カーンほど秀逸なプロレスラーがどうして全盛期にプロレスを辞
    めなければならなかったのか?とか、どうしてこれまでカーンが
    カール・ゴッチについて語らなかったのか?など、思わず唸って
    しまうようなエピソードが多々。この本を読み終わる頃には、誰
    もが新大久保の「居酒屋カンちゃん」に行き、更に深い話を聞き
    たくなるんじゃないか? そんな気がする。

    そして・・・。
    唯一無二のプロレスラー、キラー・カーンを引退に追い込んだ
    長州力を、僕はやっぱり好きになれない、と改めて思った。あの
    ど真ん中さえ居なければ、もっと長くカーンの勇姿を観れたかも、
    と思うと、改めて腹が立つ。晩年の地獄は因果応報なんだよな、
    きっと・・・。

キラー・カーンの作品

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