ただ一人の男 (ショコラノベルス)

著者 :
  • 心交社
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本棚登録 : 70
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778101435

感想・レビュー・書評

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  • これはかなり好きな作品。受けが目の前で両親を殺された心の傷を今も抱えているという設定がもうまず萌えを予感させるレベル。遊び人っぽいのに実は一途で情の深い攻めの感じなどが非常にツボ。

  • 納得いかずw エロとか好みだったし重い空気なのにサラサラと読みやすかった…ですが…受けがなぁ…トラウマで壊れてる人って感じより、恋愛に怯えるだけのしつこくマイナス思考な人に思えたので…攻めが同情と恋愛の間でもっと揺れてるかのように思えるとかだったら納得したけど、特別口説きまくりやん、明らかにベタ惚れだろwwwと突っ込んでしまった。あは。なんだか惜しいw

  • 元?道x冷感女王受, 看了讓我心酸又感動的書, 今年目前為止火崎最棒的作品, 亞樹良的畫更是美的不得了

  • 如月に気持ちを押しつけたり、暖かく包んでやる尾崎の男としての大きさは好きでしたが、男でも女でも部屋に連れ込んじゃうのはいただけませんでした。
    ましてや、尾崎を特別に感じ始めた如月のすぐ横で、やっちゃってるのはどうもね〜。

    まっ、今まですれ違ってきた分をしっかり取り戻して、如月を甘えさせてあげて欲しいな〜と思いました。

  • ●あらすじ●</br></br>
    幼い頃からのトラウマから、人間を『モノ』としか見ることができなくなった如月巳波。そんな彼が悪夢で目覚めた朝に求めるものは、同居人である尾崎一雅の肉体の熱だった。父親から受け継いだ組を解散し、今は不動産会社を経営する元極道の尾崎は、成熟した雄の魅力をすべて持ち、男女構わずベットに連れ込むような男だが、如月に対してセックスを求めることはなく、そして如月も、尾崎の熱が悪夢に凍える自分を溶かしてくれはするものの、それ以上の関係を結ぶつもりはなかった。------そう、尾崎を『人間』として認識してしまったあの日までは。</br></br>

    ●感想●</br></br>
    あらすじを読んで難しそうだな・・・と思ったものの、その手の話は嫌いじゃないので取りあえず読んでみようかと。</br>
    結果ですが------泣きました。不器用な如月が尾崎を意識しだした後、同情されている自分に傷付く姿に何度も泣かされました〜。
    <blockquote>
    「すまん・・・」</br>
    彼が好きだというわけではない。</br>
    『抱かれる』という行為が目的なのじゃない。</br>
    ただ、この温かさが欲しいのだ。</br>
    「大丈夫だ。俺はここにいるし、お前もここにいる」</br>
    大きな手は、子供にするように髪を撫でた。俺が欲しいものが体温以外にあると思っているからだろう。</br>
    「大丈夫だ」</br>
    目を閉じて彼の胸にもたれかかると、彼の汗と爽やかなコロンの匂いが鼻に届く。</br>
    規則正しい心臓の音も聞こえる。</br>
    だが俺は心の中で謝罪した。</br>
    ごめん、俺が欲しいのはお前じゃない。単にこの身体を温めるものなのだ。それはわかってるだろう?</br>
    でもお前はそうして『人』を抱くんだな、自分とは違う感覚で。</br>
    その優しさにつけ込んでしまう俺を許してくれ、と。</br>
    じんわりと戻ってくる体温と、彼の鼓動に包まれて、やっと俺は自分の震えが消えてゆくのを感じた。
    </blockquote>
    わりと、最初から尾崎は如月にアプローチしてます。どんなに男女構わずとっかえひっかえしてても如月に対してだけ明らかに態度が違う。それでも如月はくっつこうと事の最中を目撃しても全裸で歩こうと何とも思わないのよねぇ〜、尾崎が気の毒すぎるほどに。</br>
    如月も職場(バーテンダー)なんかではごく普通にしてるので、そんなに心に闇を持った暗いイメージは無いです。人を『モノ』としか見れない感覚ってのがイマイチ掴みづらかったのですが、如月が誘拐されてVTRに悪戯されてる映像を取られる場面で彼の欠如してる部分が凄く見えてきて・・・。泣こうとも、助けを呼ぼうともしない妙に冷静な如月。ラストに至っては尾崎に向かってその時の様子を淡々と話してるし、この人は。その頃、尾崎は逆上してテレビにテーブル投げ込んでたってのにね。
    <blockquote>
    「大丈夫だ」</br>
    尾崎の腕が、俺を抱く。</br>
    「もう大丈夫だ」</br>
    泣きたかった。</br>
    彼の温かさに、縋りついて泣きたかった。</br>
    助かったことよりも、彼がまだ自分に触れてくれることが嬉しくて、慰めようとしてくれたことが嬉しくて。</br>
    だが、俺は自由になった腕を彼に伸ばすことができなかった。</br>
    「可哀想に」</br>
    と、彼が口にしたから。</br>
    「こんなひどい目に会わされて・・・」</br>
    その瞬間、俺の全身の力が抜けてしまった。</br>
    ああ・・・、そうか。</br>
    何を期待していたのだろう、何を夢見ていたのだろう。</br>
    彼にとって自分は『可哀想な子供』でしかないじゃないか。</br>
    助けに来てくれたのも、抱きしめてくれるのも、俺だからじゃない。ひどい目に会わされた被害者を憐れんでのことなのだ。
    </blockquote>
    尾崎がお見舞いに花籠選んできたり、お姫様だっこしたがったりと意外と乙女なことが判明。如月が欠陥した人なんで冷たい所があったりして、二人の温度が時々微妙にずれてて可笑しかったです。一応ハッピーエンドを向かえたましたが、きっとこの温度差がすれ違いや誤解を生んで前途多難な気がします。その辺のことはあとがきで火崎先生も言ってますが・・・・・・。私は如月は溜めて溜めて爆発する人だと思いますよ。しかも溜めてる感覚なくね、無意識に溜め込む人。何でもないさ、平気だよ〜って。そして爆発したらキレて暴れて尾崎を困らせるんでしょう、面白そうだ。</br>
    あと好きだったのがラストの如月の”バカみたいで”で気づいた尾崎に対してだけに吐く毒舌。読み返すと、無意識な時期もその後も結構辛辣で。大人の男の言葉遊びが出来る会話が好きなので何気にブラックな如月とストレートに返す尾崎の会話は合格点。</br>
    感情が薄かった如月が尾崎を通して、段々と人間として怒りや喜びを取り戻していく姿が読んでる側としても嬉しく可愛く感じられました。篠崎や、マスターといった尾崎以外の人達の愛情も徐々に感じ取れてきたようだし、よかったね〜。
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