- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778115234
作品紹介・あらすじ
愛する男を失くした岸本波瑠は、彼の9歳の息子・桐島椢とあてのない旅に出た。奇妙なことに、椢は自分の中に父親がいると言い、そして時おり本物の彼のように振る舞った。不思議で幸せな三人の生活。だが、幼い椢と他人の波瑠が長く一緒にいられるはずもなく、逃避行は悲劇的な結末を迎えた-。それから10年、あの日姿を消した波瑠を、椢はずっと捜し続け…。時をかけ、三人の想いが絡み合う不思議な愛の物語。
感想・レビュー・書評
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あ~これすっごい感想難しいわ! かなり暗い話ではあるんだけれど、その中でずっと同じ想いを持ち続けている椢の一生懸命さに救われる作品ですよねぇ。よく、波瑠に引き連られることなく大きくなったな~と・・・。 めちゃめちゃいい男なんだけれども!やっぱり祐也はずるいよねぇ、あんなに息子はいい男なんだけれど、祐也のがいいな~。最後のあれは要らないんじゃ?と思いながらもあの台詞で大泣きしちゃいましたからねぇ。 これで心置きなく前に進めるっていう感じの終わり方ですごく良かったです。
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確かにベタなストーリーではあるけれど私は好き。愛する男性の子供と恋に落ちるという設定は、男女の関係だと私見が絡むからかあり得ないと思うけど、男同士だと俄然萌えますw年の差さえもポイント高いです。全体に切なさの漂う作品ですが、破滅への逃避行的な話でなく再生へのスタートになる話でよかった。ムクさんの挿絵も本当内容と合っていて素敵です。
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ええ話しやったけど、最後のあのくだりは私的には蛇足だったかな・・・。ああいうのが好きな人が大多数なんだろうけど。不思議なお話ってのがもともと守備範囲外だしな。ええ話しやったけど。なにがなのかを書きたいがネタバレになるから書けない。
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好きな人の息子椢×波瑠。椢の執着というか波瑠を一途に想う気持ちが強かった。うーん…感想書くの難しいな…。思った以上に裕也の存在感があって、10年かけて二人ともようやく気持ちと向き合えた感じかな。これからも困難はたくさんあると思うけど二人で乗り越えていってほしい。ラストは好みが分かれそうだけど、わたしは嫌いじゃないです。
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すごく良かったけど、父ちゃんにもう少し存在感があれば良かったかと。
早々に退場する人だけど、要になる人やしねえ。
あと、エピローグは蛇足。あれがなければ、☆5つかなあ。 -
突然愛する人をなくしてしまった波瑠と、なくなった男の息子の椢との10年愛。
ただの惚れた腫れたの話ではありませんでした。深く切ない、魂の再生に涙です。
読み始めは正直、9歳と21歳ってアブナイ!と一瞬引いたんですが。
そういう話じゃなくて安心できました。
でも真面目に、二人の関係って少なくとも9歳の方には恋愛感情がありますから。幼いながらにも一生懸命お父さんと張り合っている椢。いじらしさの中にも男としての矜持がすでに芽生えてるんです。
波瑠がぐらっときて、逃避行しちゃった気持ちがわかります。
でも、あくまでも精神的なプラトニックな絆なんですよね。そこが、ほっとする。そして、苦しいほどどうにもならなくて切ない関係です。
二人にとっての逃避行も、世間にとってはまったく違うものとして奇異な目で見られてしまう、常識の怖さが胸に刺さりました。何にも悪いことなんかしていないのに、うわべだけを見て判断されてしまうのは辛かったですね。
離れ離れになってしまった二人が、その後どんな道を選び、どんな人生を送るのか?すごく興味深くて、夢中で最後まで読みきってしまいました。
二人の間には、裕也という共有できる記憶があるからこそ、互いを求め合い共に生きようと決意できたのだと思えました。裕也なしでは生きていけないとまで思いつめていた波瑠の魂を救ったのは、一途に波瑠を追い求めてきた椢の執着ですね。
椢もまた、波瑠という愛する存在があったから物事に前向きに取り組めている感じがします。
絡みは最後にあっただけですが、萌えました。まったくぐらい経験無しのひとまわり年上の美人、というのは色気がありすぎます。ツボど真ん中でした。
ラストのまとめかたは泣かされた後に、ちょっとベタかなと。でも、引きずるのは良くないので、わかりやすく潔かったです。
小椋ムクセンセは、素晴らしい感性の持ち主ですね。ストーリーの主題を見抜いたイラストで、ぱっと見ただけで切なくなります。表紙なんてテーマそのものですね。 -
う〜ん。凪良さんだなぁ。
ぐいぐい引き込まれるように読んだんだけれど、凪良さんだった。
もうね、エロシーンとかなくていいと思うよ。
ところで、
手紙っていうアイテム。好きだよね?
アレ若干、あざとさを感じてしまったりもするんだけれど、
今回は実体のない方だったので、手紙以外では伝えようもなかったか……でも、あざといw
私はまだ幸せなことに「大事な人(もの)」との永遠の別れを体験してないし、
生きていくのに精一杯で、消えゆくものに心を向けられないから、そう思っちゃうのかもしれないなぁ……。
とにかく、残った二人が一緒に歩いていけますように。