ショートケーキの苺にはさわらないで (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社
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本棚登録 : 461
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778117627

作品紹介・あらすじ

アンドロイドが普及し、人に代わって戦争すらしてくれる時代。大学生の南里輝は、自分だけを愛してくれるセックス用アンドロイド、通称「裏ドール」を伴侶にすることを夢見ていた。その資金を貯めるため裏方バイトをしていた風俗店に、ある日とびきり美しい裏ドールが売られてくる。悲しげな姿を見かねた南里は、つい貯金をはたいて「彼」を買い取ってしまった。シンと名づけられた彼はドールゆえの一途でけなげな愛を南里に注ぐが-。

感想・レビュー・書評

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  • 再読…いや〜面白い(〃ω〃)

    本筋のストーリーはもちろんなんだけど…

    阿部ちん最高!凪良さんの書くオタクは最高です笑笑
    スピンオフもまたまた再読せねばo(・x・)/

  • 最近痛くない傾向の作品ばかりだったのと、タイトルがかわいかったのとで、うっかりしてしまいました…
    こんなに目を泣きはらすとは思わなかったです。
    久し振りにティッシュ大量消費のストーリーでした。

    近未来の日本を舞台にした、ドールオタクの南里と裏ドールのシンとの悲恋。凪良センセの痛い作品にはもう免疫があると思って挑んだんですが…
    ドール相手の純愛。そして、ドールからの掛け値なしの純愛。
    切なすぎて、涙腺崩壊しました。オタクの生態とか、心理描写が如実に描かれていて、とてもじゃないけど客観視できなくなりました。南里の気持ちにめちゃくちゃ感情移入してしまいました。

    人間のために便利に使われて、人間のエゴに振り回され、それでもマスターに忠実に尽くすアンドロイド。
    正当な利用法以外にHの相手は許容範囲としても、戦闘用というのには震撼とさせられました。いかにもありえる話です。
    人間としての価値観、常識のライン引き…いろんな問題を突きつけられた気がしました。
    南里は何があってもアンドロイドのシンをおとしめることなく、自分のかけがえのない人としてとても純朴に愛していて、いろんな場面で胸が熱くなりました。そして、南里によって目覚めていくシンが、いろんな感情を知ってどんどんかわいくなっていくのにもじーんときてしまいました。
    かわいいタイトルの言葉に何回泣かされたか…!

    人間もアンドロイドも愛の前では何の線引きもないな、と思わせるラストがとてもよかったです。
    幸せに永遠という保証はなくても、愛する気持ちがあれば可能性は無限なんだなと思わせてくれます。

    凪良センセは、泣かせるのが天才的に上手いです。いろんなテーマに挑戦してくれるのも嬉しいです。
    …そして、何となくスピンオフの予感。

  • 少し未来のお話。アンドロイドが普通に人々の生活に溶け込んでいて、ドールオタクの地味男子と不幸な裏ドールとのラブストーリー。時々クスッとする箇所もあって、流石の凪良節でした。面白かったです。やっぱり凪良さんは、いわゆるキモイと言われちゃうような人が好きなんだなぁ。本当に愛を感じます。泣ける!みたいな感想をみたりしていたのですが、結果、特に泣くとかはなかったです。

    とにかく、シンがカワイイ。
    おしとやかで従順で、その上美しい。不幸な生い立ち(?)から南里に救われ、色々な経験をしていく様がとても瑞々しいな、と感じました。

    ストーリーも、とてもドラマチック。
    でも、なんかちょっとドラマチックすぎるなぁ、と思ってしまいました。読者が求めている要素を盛り込んだ感が垣間見れてしまう、というか。
    ちょっと昔の作品だからですかね。今の凪良先生のインタビューとか色々読んだせいもあるのかも。

    特に、2人が徴収から逃げている時に出会った男の子が、将来2人を救うキーパーソンになるところとか。あまりにも男の子の出現が突然で、??となり、ページを何度か往復してしまいました。shinの生みの親が現れたりするシーンとか。そんな、うまくいきすぎじゃーん。と。(小説だから、もちろん何でもありで全然いいんだけど、少し冷めちゃった感が…)

    アンドロイドは、ただの機械か?それとも愛する隣人か。親や友人との関係。戦争のゴタゴタも相まって、色々と考えさせられる要素が盛りだくさんの中盤はなんとも重苦しいです。

    それから、ラスト。これが、一番ハッピーな終わり方だったんでしょうか…。2人に焦点を当てればそうなんでしょうけど。何だろ〜。ちょっと(南里の両親のことを思ったり、それこそ、2人の将来を想像したりして)素直に良かった!とか思えなかったです。。
    うーん。スピンオフの方を読むと違うのかな。この後読む!
    前半の2人の出会い〜ラブラブなところが一番好きです。

  • 冒頭の入りからは予想のできないまさかまさかの展開で、中盤から後半まであっという間に読んでしまいました。
    前半は近未来の日本で戦闘用アンドロイドを使って戦争をしている説明があるのだけど、そこに関しては詳しい描写は全くなく、現実感がまるでないのだけど、それは主人公から見た世界だからなのかな。自分の住んでいる国の戦争に無関心すぎる人たちに違和感を覚えはするものの、この世界の多くの人間にとってソレは意識の外にあるものということなのかな。けれどある時、主人公は世界で一番大切に思っているシンを奪われることで、それが現実だということを思い知る。
    中盤からは戦争が終わってしばらく経っていて、形は人型から変わってしまったけど、以前の記憶データの一部をもった球体のシンと暮らすようになる。この球体のシンがめちゃくちゃに可愛いんだ……!人型のシンももちろん良いのだけど、主人公と球体のシンが幸せそうに暮らしているシーンが一番グッときました。たとえどんな形であっても、南里の愛したシンはこの子なんだなと思って涙が……。そこから後半の展開は、本当にまさかまさかでした。ショートケーキの、苺には、さわらないんだよなぁ!!!
    個人的にはシンが人型になって、年老いていく南里と一緒に暮らすラストも見たかったなと思っています。スピンオフの阿部ちんのお話もちゃっかり購入しているので、すぐにでも読み始める予定です。

  • プログラムによってマスターだけを愛するアンドロイドを手に入れた南里。機械との恋に閉塞感はなく、むしろ二人の初恋のような初々しさにときめいた。だが、物語はそんな人間と機械を戦争によって引き裂いていく。機械であるシンたちのマスターへの献身は変わらないのに、それを使う人間は変わっていく身勝手さ。だけど南里はそれに抗う。
    記憶や体も失って丸になったシンとの生活は、萌えると同時に、泣きそうなほど幸せの光景に見えた。
    そんな南里だけがたどり着いたシンとの結末は、ご都合主義かもしれないが、未来のお伽話のようで心が安らいだ。どうか二人、いつまでも幸せであって欲しい。

  • (感想)

    他の方のレビューを先に読んでたのでなんとなく積読にしてました。
    それを休みの日の夜に読んだのですがヤバイです。
    今日仕事なのにマブタが腫れてるし!!!
    皆さんが言われてる号泣の意味を身をもって体験しました(笑)

    内容は他の方がたくさん書かれてるので
    私の感情部分だけを。
    最後まで読んで結末に納得した人、
    そうでない人がいるのがよく分りました。
    が、私はやっぱりこの結末で満足した方になります。
    確かに人として1度は死んでしまった訳ですが
    あそこでシンを残したまま結末をむかえていたらと思うと
    今回の号泣だけでは収まらない
    何かモヤモヤしたものが物が自分の中に残ってしまうかなぁと。

    特にこういう近未来的なものは
    今の現実と重ねる部分もあり考えさせられるところもあるのですが
    ご都合主義になったとしても
    最後はハッピーエンドで納まってくれる方が私は好きです。

    それにしてもこのタイトルがそういう役目を果たしてるとは!!!
    2人にとっては絶対になくてはならないものですね。

  • ちょびっツかと思ったら銀河鉄道999だったでござるの巻
    機械帝国…機械化人間だ…
    と思ったら凪良先生も999の影響受けてるって奥付で書いとった
    これをハッピーエンドと全肯定できるほどまで私の脳が先進国じゃないんですけども
    現代だからこそありうるオチなのかなあとも思った
    テーマがテーマだから何度かしんどくてやっぱメンタルが頑健なときに読むのをオススメしたい

  • タイトルからは想像もつかないSFでした。アンドロイド(ドール)と人間の恋。
    余所事のはずの戦争が急に身近になったり、円安で経済が困窮してたり、リアルとシンクロしてる点に背筋が寒くなったりもした。
    タイトルの意味の深さを知るための物語。凪良さんらしい泣きと笑いのバランスが絶妙。泣けました。

  • 発売当時、ランキングで見かけて気になってはいたものの読まなかった作品でした。いざ読もう!と思った時には紙の本が存在しておらずそのままに…。本屋大賞のおかげで重版、無事に読めた。なんかもう哀しいし辛い。二人は幸せかもしれないけどわたしはただ辛い。でも、読んで良かった。

  • 号泣、、、
    でも、ハッピーエンドなのかどうかは微妙。というところがまた良い、、、、

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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