- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778310875
感想・レビュー・書評
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『フラワー・オブ・ライフ』で震えるような感動を与えてくれた漫画家よしながふみと
やまだないと、福田里香、三浦しをん、こだか和麻、羽海野チカ
志村貴子、萩尾望都という豪華なゲストとの貴重な対談集。
ブクログ仲間さんのレビューで気になっている『まんがキッチン』で
漫画に出てくる印象的な料理やお菓子を実際に作って披露しているという
料理研究家の福田里香さんが武蔵野美大出身ということを初めて知って
画材や漫画の構成への異様な(?)詳しさに納得したり
永遠に続く幸せなどなくて、幸せな一瞬を積み重ねて大事に貯金しながら生きていく
そういうものを描きたいと頷き合う三浦しをんさんとの会話に胸を打たれたり
「やおい」の定義は男性同士に限ったことではなく
『ケイゾク』の柴田と真山、『トリック』の山田と上田、という男女でも
『ガラスの仮面』のマヤと亜弓さんのような女性同士でも成立している、
という力説に、おお!と目から鱗が落ちたり
原作をあまりに愛するファンから、
「アニメ化やドラマ化をどうして許しちゃったんですか?!」と糾弾されて
宣伝になるからではなく、数ある漫画の中から別の畑のクリエイターが
これを映像化したい!と選んでくれた嬉しさがあったのだということを
初対面のよしながさんに共感してもらったうれしさに
16時間おしゃべりし続けたという羽海野チカさんに涙したり
自分の作品が、萩尾望都さんを始めとする「24年組」の
素晴らしい作品を読むための入り口となってくれればいいと言い切る
よしながさんの24年組への深い敬意に感動したりして
よしながさん達8人の漫画への想いの熱さに
思わずエアコンの設定温度を下げてしまいたくなるような本でした♪ -
大変お恥ずかしいことですが、太田出版というのがどういう会社かとか全然わからないまま「よしながふみの対談集だって!」というだけで図書館で借りたもんで、中身があまりにBLの話ばかりで開いてのけぞってしまいました。一生分の「攻」「受」という文字を見た。いや、あとで考えれば、表紙でわかっただろうよって話なんですが。
とはいえ、三浦しをん、羽海野チカ、萩尾望都といった超メジャーな方も対談相手として登場しているし、話題になっているのはサブカル以外の漫画の場合も多いので話についていけないということはなく楽しく読みました。特に、きっと有名な話なんだろうけど、よしながふみと羽海野チカの同人(というかスラムダンク)まわりの話とかはまとめて読むのは初めてだったので大変興味深く、あらためて井上雄彦の凄さを感じたり、縁というものの不思議さを思ったり。
私がよしながふみの漫画の何を好きかというと、風呂敷を広げすぎないできちんと畳んで完結させていくところなのですが、今回この対談集の中で彼女が語るのを読んで、「自覚的」であることも好みなんだな、と認識しました。特に少女漫画の描き手の中には、無自覚にエゴを漫画の中に放出しているようでそれもまあ面白い場合もままあるんだけど、よしながふみはそこのところをコントロールしていて、それが私にはここちよい。対談集の中でもよしながふみはいろんなことを語りまくっているわけですが、その場の思いつきで垂れ流しているわけではなく、永年ひとりでじっくり考えてきたことがたくさんあるんだろうなとわかるような語りっぷりなわけです。だから漫画を描く時にも、自分の思想や嗜好の言語化の上に立って表現活動を行っているので、作品の中で剥き出しの生のものをぶつけられることないのがいいんだな、と。逆に、これだけものを考えて喋る人でありながら、文字メディアには(読むのも書くのも)興味が向かないというのもまた面白いなと思いました。漫画バカ一代ですね。(もちろん最大の賛辞です) -
あたしに一番足りてないのはここなんだよなというところが書いてあった本。
あとマンガってこの世の中にほんとにたくさんあってこの本にでてきたマンガは大半がまだ読んでないやつで読みたいと思わされた作品も割とあって、こんなにたくさんのマンガをこのあとの人生で読み切れるかちょっと不安になった笑
好きなこの好きな本だったっていうのも知らずに読んでなんだかハッピー☆ -
羽海野さんがBL書いてたってネットで知ってびっくりしてこの本読みました。
私BLは苦手でよしながふみさんの漫画は一冊も読んだことないんだけど、この本はすんごく面白かったです。
フェミニズムや女性であることの面白さを少し発見できた気がします。(フェミニズムという観念は苦手だったのだけど…)
本の中でたくさんあげられてた名作少女漫画たちをぜひ読みたいなぁ。 -
面白い!
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初読。
カフェに置いてあったのを冒頭の鼎談があんまり面白かったので
買って読みました。
「おたくの友人達は口を極めて紡木たくをののしっていた」
笑ったし、私もその通りだったけど、鼎談にあったように
大人になったらわかる、あの一瞬のきらめきは凄かった。
ホットロードの表紙よ…
くらもちふさこといくえみ綾の違い、グレンスミスの呪い、
一条ゆかりが三井本を読んでる事。
件の鼎談だけでこの濃さ。 -
前々からよしながさんの作品を読んで、フェミニズム的な意識を感じると思っていたので、この対談集でよしなが氏がフェミニストであることを初めてカミングアウトしたというのが興味深かった。本文でも幾度となく語られているけれど、やっぱり本人のそういうものの考えなどは意識して描かなくても滲み出てしまうものなのだなと思う。
またよしながさんが非常に賢い人間なのだということが伝わってきた。対談相手の作品への分析だけでなく、なぜ自分が「やおい」(これが男同士でなくても良い、という分析もまた面白い)に萌えるのか、などの検証も非常に興味深い。
対談相手や、出てくる作家名・漫画などに知らない人なども多かったが、脚注のフォローがあり非常に読みやすかった。 -
萩尾望都さんの名前で図書館で検索していたらこの本がヒットしました。よしながふみさんの作品も好きなので、萩尾さんのエッセイと一緒に借りました。
たぶん、よしながふみさんと私は同世代なのかも。最初の対談で、よしながさんの発言すべて、「これ、私の発言か?」と思うくらいに激しくシンパシイ。読んできた漫画も同じ。
紡木たくさんの登場についての回想・感想も、くらもちふさこさんに対する尊敬のポイントもまったく同じ。
以降、すべての対談において、対談相手の発言にはほとんどすべてにおいて「?」と疑問ばかり感じましたが、よしながさんの発言にだけ激しく共感の針が振れまくってました。
萩尾望都さんが相手の時の、ちょっと前のめり気味、上ずり気味な気配までも、ものすごく共感しました。
とてもおもしろかったです。
ただ、BLには私は何の思い入れもないので、その部分の発言についてはピンとこなかったので、★マイナス1つです。
しをんちゃんとよしながさんが意気投合、っていうのは予想つくんだけど
羽海野さんと、初対...
しをんちゃんとよしながさんが意気投合、っていうのは予想つくんだけど
羽海野さんと、初対面で16時間話し込むほど仲良しだなんて知らなくて
おおー!おおー!って小さく叫びながら読んでました(笑)
あと、よしながさんがかなり「気遣いの人」で
しかも漫画への愛を語り始めると止まらないのがよくわかって
もともと好きなのに、さらに好感度10割増になりました♪