- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778311162
感想・レビュー・書評
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本谷さん自伝的小説。と思いきや、どうやら自伝ではなさそう。
主人公と同じ年頃のころにWebに掲載された文章を少々手直しして出版した模様。
19歳の専門学校生の自意識過剰な日常。
非常に軽やかな現代版「人間失格」という感じ。
この前まで高校という狭い社会に生きていて、社会に出ていこうとする中の最後のモラトリアムな一人暮らし生活で、自意識だけが過大になって、自分にだけ興味がいってしまっている主人公の気持ちが、やはり小さい世界において(専門学校と実家のお母さんとの電話)展開される。
同世代で読んだら、相当面白い小説だろう。(腹抱えて笑いながらイタさに共感)
中年まっさかりで社会の波に翻弄されるぼろ雑巾のような私からすると、この小説に書かれているような背伸びだとか、自意識過剰さ、主人公の視野の狭さは、純粋さと薄汚れていないことにしか見えない。娘を暖かく見守る気持ちで読めてしまう。
ストーリーやエピソードは思いつきの面白ネタを次々に足していったような印象。
これだけどうでもよい話をきちんとスピード感を持ち、エンターテイメントとして書ける筆力が20歳頃にあったことが凄い。本谷さん自体が、主人公のようにただ自意識過剰でいるだけではなく、客観性を持ち自分のことを見れるからなのではないか。
しかし、「本人本」というのは何を表しているのだろう
か、コンセプトの意図がくみ取れなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今まで読んできた小説の中でトップクラスで“笑える”。
小説というよりもギャグ漫画に近い感覚。
自意識過剰と、根拠のない万能感・功名心、サブカル憧れ。
身に覚えがありすぎて痛いよー! -
脱ぎたいくらい暑いですな
ってな事で、本谷有希子の『ほんたにちゃん』
本人本03っても書いてあるけど、本谷有希子さんの自伝なんかなぁとか思ったり
相変わらずぶっ飛んでる!
普通の子なのに何に対して去勢を張るって言うか、何を演じて生きているのか……
自分の人生が生演劇で、それを自分自身で出演、編集、監督、演出しているかのよう
この内容が自伝であって欲しい(笑)
読み終わった後にカバーイラスト見て更に笑えた
そんな本谷有希子さんを愛して止まないんですよ
2020年41冊目 -
いやー気分悪いわ!笑笑。テレビで観て、おっ美人!タイプ!と下心から読み始めたが。最高に気持ち悪いね、こんな美人がこんな小説書くんだな、それがいい。イヤミスに近い。読んでもなんの得にもならんが、今本谷週間。
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3
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イタイイタイわーーでも分かるわー(笑)
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個性的で独創的でサブカル通でミステリアスである風に世間から思われたい主人公が痛くて痛くて大変なことに。私は自尊心を人に悟られたくないがために、普通さ、凡庸さを強調しがちなタイプであるので、主人公とはベクトルが違う、けれど共通するものは強すぎる自意識であると思う。他人の目が気になって気になって仕方がなくて、多少の演出なしには生きられない主人公の唱える「天然最強説」は事実、でも、『痛々しさで死んだ人間なんていない』のも事実で、勇気が湧いたようなそうでもないような。面白い本だった。