ボックス!

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著者 : 百田尚樹
  • 太田出版 (2008年6月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778311346

ボックス!の感想・レビュー・書評

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  •  苛酷で危険で、純粋なスポーツ。ボクシング。

     アマチュアボクシングとプロボクシングがこんなに違うと知ってびっくり。RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)なんてルール、初めて知った。1ラウンドで2度のダウン、あるいは試合中に3度のダウンでRSC負け。倒れてなくてもダメージを受けているとみなされればスタンディングダウンを取られる。RSC負けすると、4週間は試合にでられないとか。へえーって思うことがいっぱい。

     パンチには、ジャブ、ストレート、フック、アッパーなどの種類があると知っていたけど、防御にもダッキング、スウェーバック、パリー、ブロックという種類があるということを知った。そして、「サイエンス」という言葉には、「ボクシングの攻防の技術」を言う意味があることも知った。深い!!

     天才的ボクシングセンスを持つ鏑矢、進学コースの秀才だけどスポーツ経験ゼロの木樽。
     鏑矢は天才だからいいんだけど、木樽こそがモンスター。一日左ジャブ4000回とか、毎日10kmロードとか、そんな身体に悪いことを毎日続けられるはずないのに。練習が楽しいと思えるその精神を持つことが、本当の天才なのかもしれないです。

     一戦一戦がものすごく丁寧に描き込まれていて、試合の状況が実に鮮やかに浮かんできた。
     練習して練習して、それでも階級ごとに優勝できる選手は一人だけ。あとの人たちは、文字通り叩きのめされる。
     それでも彼らは高みを目指す。何て素敵なんだ。ボクシングという競技は。

     レフェリーが発する「ボックス!」というコールを、生で聞きたいと、この作品を読んだ後、そう思うはず。そう思わせられる作品です。

  • 百田さん、こういう本もかかれるんだ~。高校ボクシング部を舞台にしての青春小説。何といっても、鏑矢が魅力的すぎる!天才ボクサー二人。しかし、才能はあってもあるラインを超えると、そこから先は血を吐くような努力と忍耐なしには強くなれない。本人の資質は勿論だが、素晴らしいライバル、素晴らしい指導者、そして何より一番に自分に打ち勝つ精神力…人間ってホントに弱いから逃げたくなる。
    自分自身にも覚えがあるから読んでいて辛かった。乗り越えられない人の方が多い。
    だから読者は木樽よりも鏑矢に感情移入して読んでしまうのではないかな。
    あと、鏑矢がめちゃくちゃピュア!あんな高校生いないかと。大阪弁のせい?
    笑いと涙と爽やかな、すがすがしい気持ちと共に読了。面白かった。

  • いやぁ、やられた!百田尚樹は感動させるのが本当に上手い。映画で観たものを原作で読むのはこれが初めてかもしれない。結果はわかっているのに夢中になって貪るように読んだ。かなりのボリュームだったが、このまま終わらないで欲しいと思いながら読んだ。
    内容としてはありきたりの青春小説なのだが、とにかくキャラクターが魅力的。とにかくカブ(鏑矢)が最高!チャランポランのようだが友達想い。そして滅法強い。
    そのいい加減な性格故、何度か敗北も喫してしまうが、それでもモンスター“稲村”を倒すのはやっぱりカブだよなぁ。と思ってしまう。

    稲村との試合の前にいてもたってもいられなくなった耀子先生が、ボクシングジムの曾我部の元に行き、鏑矢には才能があるのか?と聞いた時の答え。大笑いして
    「あいつは俺が見た最高の天才やで」
    鳥肌が立つほどシビれた。

  • 私の大好きな青春物です。
    高校生の木樽くんと教師の高津耀子先生の二人の目線でかかれています
    ボクシングを全く知らない私でも充分楽しめました
    幼子のような鏑矢くんと優等生の木樽くんの関係が素敵です
    エピローグが良かったなぁ!

  • 高校ボクシング部の話。
    ボクシングについて全く知らない私でもとっつきやすい感じのストーリーでのめりこんだ。
    幼い頃から喧嘩も強く、ボクシング部で1年生でも秀でている鏑矢と、彼に守られてきた学業優秀な木樽。
    そんな木樽が鏑矢に誘われて「強くなりたい」とボクシング部に入部した。
    ヒョロヒョロでお勉強ばっかりしていそうな木樽だったが、そのストイックな体のつくり方と、監督に言われるままにボクシングの基礎をみっちりと練習し、頭の回転が速いことなどを総合して、どんどん強くなっていく様子がよかった。
    そして木樽は鏑矢に追いつき、自分のスタイルで鏑矢に勝つのか?!
    彼らの最大の強敵、他校の稲村には勝てるのか?!

    途中で登場した体の弱いマネージャー、丸野さんの一件では衝撃を受けて涙が出た。
    選手たちの心の葛藤が深く描かれていて、スポーツとしてのボクシング、深い!!と感じた作品だった。
    そして、顧問になった女性教師、燿子先生の心の動きも丁寧に描かれて読み応え満天だった。

  • 高校ボクシングのお話。
    突然ボクシング部の顧問になってしまった女性教師の目線で進行するので、ボクシングのことをまったく知らない人でもじゅうぶん楽しめる。
    ユウキがおっかなびっくりボクシングにのめりこんでいく姿は、バドミントンを始めた頃の自分の姿と重なった。

    THE青春!という感じ、私もこんなアツイ高校時代を過ごしてみたかったなぁ・・・

  • ボクシングの才能に恵まれ、冗談ばかり言うムードメーカーの鏑矢と、鏑矢の親友で強くなりたいと願いボクシングを始めた特進クラスの優等生 木樽の物語。
    「ボックス」とは試合でレフリーが開始を告げるボクシングしろという合図。

    とても面白かったです!
    600ページ近い大作ですが、失速することなく、ページを繰る手が止まりませんでした。
    佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』同様、スポーツに打ち込む10代の姿はとても感動的です。
    ボクシングにあまり興味がなく、敬遠していた作品ですが、もっと早く読んでいればよかった!

    あるテーマで面白いストーリーを紡ぐだけでなく、扱う題材を読者に詳しく知悉せしめる百田さんの作風はこの作品でも健在です。
    ボクシングの魅力に気付いていく燿子を上手く描いていて、その手法にほだされてか、燿子同様に私も格闘技に少し恐怖心があったのですが、観戦してみたくなりました。

    木樽と鏑矢の友情が垣間見えるシーンも良かったです。
    母子家庭の木樽に代わり、動物園の入場料を鏑矢がさりげなく払ってあげたり。
    いけ好かない相手の計量中に下着に悪戯したり、稲村に負けるとボクシング部を辞めてしまったりと、後先考えずにやりたい放題な鏑矢ですが、木樽に負けると彼の実力を認め、親友の為にスパーリングパートナーを買って出るところは素晴らしいことだと思いました。
    負けて悔しいという感情を引き摺らないってなかなか出来ないと思うので。
    丸野さんのお見舞いにこっそり行ったり、荒々しいように見えて本当はとてもとても優しい子。

    鏑矢も好きですが、鏑矢という天才児のそばに居ながら自分のペースでとひたむきに努力する木樽の姿にズキュンとやられました。
    ボクシングに励みエースとなりながら勉強をし検事になった彼は、まさに文武両道です。
    エピローグで、燿子は苗字が変わっているので結婚したのでしょうが、逃した魚は大きかったのでは?というのは余計なお世話でしょうか。

    故障続きで無冠の帝王となった鏑矢。
    彼のよく回る口と生命力ならアメリカでもどこでもやっていけるはず。
    活躍する舞台こそ違えど、2人の友情は堅いのだろうと思います。

    とても面白い作品でした。

  • 永遠の0読んだので拡げてみたが、広がりが見えない・・・。

  • 互いに違うタイプのボクシングの才能を持つ、幼なじみ同士の少年たちの、高校ボクシングのお話。

    練習嫌いで自信家の天才型と、
    ひ弱で幼なじみに憧れる努力家、
    の二人が、

    ものっそい強い、モンスターみたいな高校チャンピオンを倒すために、

    挫折したり協力したり努力したりする、

    青春ボクシングストーリー。

    うーん、
    キャラの立て方といい、ストーリーといい、

    松本大洋さんの「ピンポン」をものすごく思い出しました。

    文章も退屈だし、

    出てくる女の子に、あんまり魅力を感じられず…

    いまいちだなぁと思っていたのですが、

    ラストが結構すきでした。

    鏑矢も優紀も、ボクシングとは無縁になっているのが、

    高校時代の輝きを一層キラッキラさせてるようで、

    ほどよく切なくて良かったです。

  • 本当に楽しめた小説、ついつい面白くて先が読みたくなる。心に残った言葉は耀子が木樽に言う言葉「本当の才能というのは、実は努力する才能なのよ。努力といっても、苦しんで、苦しんで、しんどい思いをしてやるのは違うの。さぼりたい気持ちを押さえつけないと努力できない人は才能がないのよ。本当の天才って、努力を努力と思わないのよ。」、才能のある二人の高校生ボクサーがモンスターと呼ばれる強敵に挑む。

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ボックス!の作品紹介

高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち…様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説。

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