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- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778311711
感想・レビュー・書評
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その一杯のコーヒーを、いったい誰がどのようにして、生産しているか考えた事があるだろうか。そこには、南北問題はじめ、様々な問題がある。辻村教授が通う、タンザニアのある村の様子や村人の話も交えながら、分かりやすく書かれた良書。
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初めて本格的なレギュラーコーヒーを購入したのは、キリマンジャロのコーヒーだった。その時飲んだのは、今となっては入手も難しい高級品種の「タンザニア・スノートップ」で、封を開けた瞬間の"花"のような甘い香りを強烈に覚えている。
そのキリマンジャロのコーヒー農家が、これほど生産性が低く、老木化が進み、トウモロコシへの転作が進むなど、危機に瀕しているとは思わなかった。
日本で売られているキリマンジャロの販売価格のうち、生産者の取り分は0.9%にしかならないという。
タンザニアの農家の努力に関係なく、ブラジルの生産量と基準価格(ニューヨーク先物)という、二つの大きな外部要因によって、世界的なコーヒーの販売価格は決まってしまうからである。
遠い日本で美味しいスペシャルティ・コーヒーが飲める幸せと、この品質を維持する仕組みとしてのフェアトレードの重要性を感じた。