家のない少年たち 親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル

著者 :
  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312367

感想・レビュー・書評

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  • 鈴木大介の『家のない少年たち 親に恵まれなかった少年の容赦ないサバイバル』

    何故犯罪に手を染めるのか…。

    生きて行く為の手段に犯罪しか選択肢が無かった状況等々のノンフィクション。

    考えさせられる所もある。

    2014年読破

  • 不良を「悪いヤツ」という一括りにしてはいけないと感じた。
    彼らなりにそうせざるをえなかった経緯がある。

    この本はあとがきが良かった。
    すべてのことを「誰かのせいにしない」、そう生きるのだと。
    自身にも当てはまると感じた。

  • 家のない少女は売春や風俗
    家のない少年は犯罪や暴力で

    言われてみればそうだとしか思わないけれど
    一般的な家庭で育つとあまり意識して考えてみない事かもしれない。

    風俗に嫌悪感を抱く人は何故そこで働くかまでは考えずに嫌悪する場合が多いだろうし
    強盗や詐欺をする人達は何故そうするのかは考慮されずに嫌悪され。
    まあ、犯罪の場合は理由がどうであれ同情しづらいけれど。
    貧民側はお金を奪われた方に同情しまくる。
    汗水流して働いたお金を失ったら殺意わくかと。

    この本を読んで問題だと思ったのは「経歴」云々の件。
    母子家庭で、母親が男のところに転がり込んで生活していて、その後DVで祖母の所へ行ったものの、小学生の時に祖母が他界、施設へ行くも環境が悪く、学校でも救いの手がなく、中卒で、少年院行き

    …就職するのに履歴書、どう書けばいいのか。確かに困る。更生に力を入れて採用する企業の話も聞いた事がある気がするけれど
    そう簡単にそこらにはないですよねえ。
    しかも犯罪で生活を続けていい歳になってしまったら
    ホントにもう、履歴書の経歴をどうすれば良いのか。
    何をするにも住所を書けないとどうしようもないなんて経験した事がないので本当にどうするんですか、こういう場合。
    経歴も住所も書けない人の働き口…
    あきらかにうさん臭い履歴書不要で日払いしかも手渡しの仕事とか駅とかで看板持って労働者募集する能力が低くて普通の仕事で使ってもらえないとしか思えないような人や、障害があるのか健常者には見えない言動をする人が多い、某派遣みたいな所しか行く所がないのでは。

    努力してカタギの中に入って行く人もいるようですが
    簡単ではないうえに
    その困難に立ち向って行こうと思えるだけの「何か」を持てるかというのは
    …運、もあるかも。と思ったり。
    この本に出て来る1人は恋人が出来た事がきっかけで変わったようで。
    ありがちだけど結局愛って凄いですね;

    全ての犯罪者がこの本に出て来る方達ほど家庭に恵まれなかったという事はないと思いますが
    犯罪者を減らす為に必要なのは子供を守れる社会なのかなと思いました。
    じゃあその為に何が出来るかと問われれば
    回答に困るのですが
    自分の周囲で気付く事があれば児童相談書に連絡する程度でしょうか。
    大切なのは考える事。
    そういう意味で明確な回答はなくとも
    中学生あたりの年代の人に読んでみてもらいたいです。
    かいつまんでまとめて授業などでも使えそうに思うのですが。

  • 2016.02.11

    家のない少女たちの話と同じく、家のない少年たちも逞しく、頼もしすぎるくらい彼らは現代の闇に溶け込み、自分の生きる道を探していた。

    そのストーリーは、どれも『普通に』生きてる私にとっては想像すらできないものだった。
    読み終えた後は不思議とスカッとするような、すごいものを読んだ!こんなにも自分の知恵と経験、バイタリティを持って賢く生きる彼らが羨ましい…いやいや犯罪犯してるし、という不思議な読後感でした。

  • 知らない世界を知ることができる。
    視野を広げよう。

  • 成り上がりの物語として面白く読めた。やってることはめちゃくちゃだけど。成り上がれずに底辺にいる人たちもいっぱいいる。

  • そうすることでしか生きていけなかった少年や、そうならざるを得ない状況で生きてきた少年たちのノンフィクション。だからって犯した罪を許すことはできないし、許したくもないのだけど、彼らの生きてる世界と私の暮らす世界は間違いなく隣接していて、どちら側で生きるかの違いはほんと些細なことでしかないのかも。

著者プロフィール

1973年千葉県生まれ。文筆業。子どもや女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし、代表作として『最貧困女子』(幻冬社新書)などのあるルポライターだったが、2015年、41歳のときに脳梗塞を発症し高次脳機能障害が残る。当事者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(ともに新潮新書)が話題に。他にも、夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(漫画いのうえさきこ。晶文社)、当事者視点からの実践的な援助ガイドを試みた『「脳コワさん」支援ガイド』(日本医学ジャーナリスト協会賞受賞。医学書院)、当事者と臨床心理士との対話を記録した『不自由な脳』(山口加代子氏との共著。金剛出版)などの著書がある。

「2021年 『壊れた脳と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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