芸人交換日記 ~イエローハーツの物語~

著者 :
  • 太田出版
3.87
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本棚登録 : 1013
感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312503

作品紹介・あらすじ

結成11年目、いまだ鳴かず飛ばずの漫才コンビ「イエローハーツ」。これまで、コンビの今後について真剣に話すことを互いに避けてきたふたりも、気がつけば30歳。お笑いに懸ける思いは本気。でももう後がない。だから何とかして変わりたい。そう思ったふたりは、「交換日記」を使ってコミュニケーションを取り始めた。お互いの本音をぶつけ合うために-。カリスマ放送作家・鈴木おさむだから描けた、売れない芸人たちのリアル青春物語。

感想・レビュー・書評

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  • R2.3.4 読了。

     以前、鈴木おさむさんの「ハンサムスーツ」を読んでよかったので、この本もブックオフで衝動買いした。でも、「いま、いちばん泣ける小説」と表紙に書かれていたが、あまり期待していなかった。
    正直、良い意味で裏切られて泣けた。誰かのために決断することって、かなりの勇気がいると思う。
     始めのうち甲本さんはどうしようもない奴だと思っていたが、守る者が出来て変わっていった姿に感動した。
     相方の田中さんもいい奴で良かった。そしてコンビを解散してもお互いを思いやる絆がうらやましい。

    ・「『やろうと思った』と『やる」の間には大きな川が流れている。」
    ・「夢をあきらめるのも才能だ。」
    ・「もし夢を諦めてもいい時があるとしたら、その夢を諦めてでも幸せにしたい人ができた時だからな。」

  • オードリー若林の著書「社会人大学人見知り学部卒号見込」の中で出てきた本。
    何だか面白そうだったの早速借りて読んでみた。
    主人公は売れないコンビ芸人・イエローハーツの二人。ちなみにこのコンビは実際のコンビではなくフィクション。芸人を絵に書いたようなツッコミ・甲本と、芸人らしからぬ真面目さが取り柄のボケ・田中のコンビ。芸歴は10年を超え、M-1の出場資格も既にない30歳のまさに崖っぷちのコンビである。
    この崖っぷちを危機に感じた甲本が、コンビの絆を深めよう!となぜか交換日記を始め、この交換日記を通じて浮上のきっかけを掴んでいくという話。
    THE 芸人とも言える甲本の一挙手一投足にかなりイライラはさせられるが、そんな甲本を信じて最後まで二人で売れることを信じる田中の心意気には心打たれるものがあった。
    詳細は避けるが「芸人の才能はなかったけど、やめる才能くらい持っていたい」というセリフは本当に切なかった…芸人としての最後のプライドと言うか矜持、生き様みたいなものをまざまざと見せつけられた気がする。
    結末はちょっと壮大すぎるかな~と個人的には思いましたが、非常に読みやすく面白く引き込まれる本でした。

  • 小学生の頃に既に読んでいましたが、再読。
    売れない芸人の苦悩と、努力を全身で浴びることができて心が熱くなりました。
    子供の頃読んだ時よりも現実の厳しさを知ってしまっているため、イエローハーツのふたりにさらに感情移入できました。準決勝で噛んでしまった甲本、それを受け入れて次に活かそうと甲本を励ます田中の気持ちは考えれば考えるほど切なく、言葉では言い表せないほど複雑だろうな、と感じました。

  • 売れない漫才コンビの交換日記、現実にいそうな2人のやり取りが可笑しくて、しかも売れなくて生活にも切羽詰まった感じとか、結構いい加減な暮らしぶりとかが、芸人さんの日常を覗き見してるような感覚で、私には新鮮だった。芸人で成功するっていうのは、運とか人脈とかタイミングとか、そういう要素がものすごく必要で、とても劇的なのだと思うけれど、そんな光の世界の裏側には、苦悩や葛藤と、何より地道な努力がちゃんとあるんだろうな。2人の不器用なやり取りに笑って泣いた。著者の鈴木おさむさんの芸人さんへの愛情が感じられる本。

  • 売れないお笑いコンビのお話。
    交換日記形式が新しい、そして読みやすい。
    2人が不器用すぎてとにかく泣いた。めちゃくちゃ泣いた。
    実家で大切に保管してある1冊。

  • 交換日記形式で一貫していて、読みやすかった。
    感銘を受けたのは、「やろうと思ったとやるの間には大きな川が流れてる」って言葉ですね。
    本当、大きな川が流れてますね。
    私も目標に向け実際やって行こうと背中を押されました。

  • オードリー若林正恭が推していたので、読んでみた。昔、映画でみた、僕たちの交換日記の原作である。映画はボロボロ泣いた記憶があるが、本作は特に感情を刺激されることもなかった。芸人の方にはリアリティがあるのでしょうが、正直あまり、好みではなかった。

  • 夢を追うか。売れない芸人。30歳を超えた。才能がある者への嫉妬。諦めと成功

    ★本の概要・感想
     本の構成からして面白い。コンビの漫才師が交換日記形式でお互いへの思いをぶつけていく。テンポもいいし、日記の掛け合い自体が漫才のよう。エピソードの実在感もきちんとあって、鈴木おさむだからこそ書けた物語だと思う。フィクションなんだけど、イエローハーツのようなコンビが、たくさんいるんだろうなぁ。若林が読んで泣いたらしいし。芸人の葛藤と喜びを垣間見れる作品です。

    ★本の面白かった点
    *「才能がある相方への嫉妬」ということを描いてる。ロンブーとかチュートリアルとか、片方にだけスポットがあるコンビって結構いるよね。普段はその「面白くない方」はいじられて終わり、って感じだけど。「才能が無い方の苦悩」がしっかり描かれているのは興味深かった
    *漫才に必要なのは「キャッチ―さとコンセプトの分かりやすさ」ということが学べたこと。何かしらとっつきやすい仕組み、フレームが必要なんだなと。客が見たときに「あぁ、こいつらの漫才はこういうことね!」って分かるぐらいのものが必要。試行錯誤のうちに、イエローハーツは独自のコンセプトを思いつくわけだけれど。そういう漫才に必要な要素も知れてためになる
    *人間の感情の描き方がすごくリアル。甲本っていうやつがかなりろくでもなくて、器の小さい人間なんだが。子どもみたいな動機で腹を立てたり、嫉妬したり、それで他人に迷惑をかけたり...。そんな奴の感情が変わっていく様は、「こういうヤツ、いるよな~」という気持ちにさせられてよい

    ★読んだきっかけ
    オーディオブックのセール

  • コンビ結成11年目
    売れない芸人
    田中と河本のコンビ「イエローハーツ」
    ふたりの交換日記

    お笑いが好きで
    夢があって
    相方のことが好きで
    だけどふたりでのコンビは売れない

    一番近くにいる相方
    言いたいけど言えないこと
    素直になれないこと
    いろんな葛藤
    相方への想いが
    交換日記に綴られる

    お笑い愛してるって
    こんな気持なのかな
    ちょっと涙出る

    ウッチャン監督で
    映画になるらしい
    見てみたいな

  • テンポもいいし、構成が綺麗で読みやすく、すぐ世界にひきこまれ、あっという間に読了!!すごく考えさせられる部分もあって読んでよかった。頭の中で映像化しやすい物語。
    変にねたくってないのが逆にいいと思いました。
    夢と友情に胸アツのレッドハートになりますね!!!!

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著者プロフィール

放送作家。1972年生まれ、千葉県出身。Instagramで漫画「ティラノ部長」(毎週金曜日更新)と「お化けと風鈴」(毎週水曜日更新)を連載中。著書に『ブスの瞳に恋してる』シリーズがある。

「2021年 『ティラノ部長』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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