宮台教授の就活原論

著者 :
  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312770

作品紹介・あらすじ

『絶対内定』ではもう受からない。理不尽な就活を強いるデタラメな社会を生き抜くために、就活の原理を学ぶ本。

感想・レビュー・書評

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  • 前半3分の1を読んだところでは就活とはあまり関係なく、自論の展開だが、
    それはそれで面白かった。
    後半は就活に関する内容も出てくる。が、この宮台さんは頭が良すぎて、その他大勢の一般人へのメッセージではなく、それなりに能力のある人を対象に本を書いているようだ。
    ちょっと鼻につく自慢話が多い。戦後5人目の東大での社会学博士とか、2回言わなくてもいいような気もするが。小学6年で塾にちょっといっただけで麻布中学に入った話、自分の周りにはロールモデルになる人がたくさんいた話など、本人にその気はないにしても、あまりいい感じはしない。
    比較するのもなんだが、就職系の本としては、海老原さんのほうがまだ全体感があって説得力がある。

  • 著者が批判する「就活マニュアル」や「自己啓発本」をそもそも読んだことが無いのでその辺の話はよくわからないが、まだ就活を考えていない院志望の自分にとっても興味深い内容だった。
    むしろ、就活を考える前にこの本に出会えたことを嬉しく思う。

    「本来の自分」をホームベースに置き「仮の自分」を職場に置くという著者の理想。
    「仕事による自己実現」を謳い「共同体の空洞化」を招いた就職の現実。
    僕が就活をするときにはどちらにバランスが傾いているだろうか。
    でもそれは悩んでも仕方ない、社会が決めることなので、僕らは黙って自分を磨いてりゃいいんでしょうね。

  • 就活についての本のようにも見えるが、仕事と生き方の本である。

    一度就職した今では、就職活動が遊びに見える感覚があるが、それは視点が「就職する」から「どんな仕事をするか」に移ったため。

    本書は、大学生が就職をするための先に視点を移す事が出来る良い本だと思う。

  •  店頭平積みでした。
    さて就職活動しようとする学生がこれについてこれるかどうか?
    はっきりと宮台カラーの内容となっているので、好き嫌いが分かれるものでしょう。ときに、差別的とも感じられる宮台の発言をスルーしながら、なるほどとうなづいていくにはある程度の社会経験値が必要。
     高みを目指す学生と、就職活動に関してオピニオンリーダー的ポジションを得ている人が読んで、言葉を獲得するには有用かとおもいます。
     私はすきです。

  • 宮台真司の最新作。会社のインターン生に一読を薦めたい本です。
    私も以前から指摘していることですが、就活に重要なことは充実した大学生生活を送ることです。きちんと勉強し、研究室やサークル活動等を通して社会性を身につけ、人生の目的をあれこれ考え、恋愛し、充実した学生生活を送っていれば、それなりの結果が得られるでしょう。それが何故なのかはこの本を読むとよく理解できます。
    この本の中で気に入った、3.11の原発事故以降、今後の日本が生き延びるために必要な宮台氏のスローガンを紹介します。
    1.〈任せて文句を垂れる社会〉から〈引き受けて考える社会〉へ
    2.〈空気に縛られる社会〉から〈知識を尊重する社会〉へ
    3.〈行政に従って褒美をもらう社会〉から〈善いことをすると儲かる社会〉へ
    4.〈国家と市場に依存する社会〉から〈共同体自治で自立する社会〉へ
    5.〈便利と快適を追求する社会〉から〈幸福と尊厳を追求する社会〉へ

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755485

  • 就職課のサポートやリクルートのビジネスの中で学生側にはふんだんに選択肢が用意されるようになり、「これだけあれば、この中に自分に一番合った企業があるだろう」「自分はこういう人間だから、こういう仕事が向いている」という適職幻想が生まれた。いわゆる「最適マッチング幻想」で、これは就職だけでなく性愛にもある。最適マッチング幻想が蔓延した結果、「もっと良い選択肢があるはずだ」と永久に迷い続け、全選択に失敗する。

    「最適マッチング幻想」
    不自由の解消が必ずしも幸せに繋がる訳ではない事をこの単語が物語っているように思う。皮肉にもリクルートの社是は「『不』の解消」。

  • 社会学者の目線で現代の就活における問題点を提起している本。
    就活に辟易した経験のある人にオススメ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755485

  • ・昨日かな。
    働くことを考える哲学カフェの課題本でした。読むことは必須ではありませんでしたが読みました。
    ・たくのむ というのを利用しての開催でしたがわたしの家の電波に問題ありなのか声が雑音にまぎれてきこえてこず。あせりした。

    ・宮台さんの本は他に読んだことあり講演会も2回ほどいってたのでさほどアウェイなかんじはせずよかったです。
    ・どんな仕事か知りもせず、イメージ優先で就職を希望する学生が多すぎると述べられていました。どんな仕事かは働いてないし身近にいないとしりようもないのでは?とか思いました。仕事の中身より周囲の承認ってのはわかる気がします。

    ・誰か何とか言ってやれよ問題。
    他人の期待による呼びかけに応じられない人はどの会社に就職してもうまくいかないでしょう。

    はい。すみません。
    他人から本当のことを言ってもらえる人間関係ってないかもなと反省しました。

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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