- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778313326
作品紹介・あらすじ
世界を止める、死をアドバイザーとする、力が自分に近づく-呪術の至高へと出発する第3作。
感想・レビュー・書評
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カスタネダは、ミンデルのプロセスワークに影響をあたえた1人。
ということもあり、以前から関心はあったが、本の装丁が怪しげなので、なんとなく手に取りにくい感じがあった。
そういうなか、初期の4作が、新装版になって(4作目は新訳版)、怪しさがやや低下したこともあり、ボチボチ読んでいるところ。
が、そんなに面白いわけではないね〜。
と思いつつ、「ドンファンの教え」「分離したリアリティ」と読み進み、3作目の「イクストランへの旅」を読了。
ここにきて、やっと面白くなってきたかな?
このシリーズでは、カスタネダは、いわゆる「現実」(コンセンサス・リアリティ)にとらわれていて、自分の体験したことに「本当はどうなのか?」を聞き続ける、みたいな感じ。この3作目でも、そんな感じは続くのだが、だんだん、現実を超える体験を認めざるを得なくなって、ついに・・・「世界を止める」体験をしてしまうみたいなところに。
お〜、ついに。。。
だが、最後では、「今はまだその時ではない」と思い、現実の家に戻って行く。
みたいなちょっとさびしい感じで終わる。
そこがまたいいね。
エッジは、超えても、超えても、立ち上がってくる。
勇気をもって、超えるのか、「今はそのときでない」と思い、引き返すのか。
どちらがいいとは一概には言えない。
が、死すべき存在である人間は、いつも「地球上での最後の戦い」に面しているのだ、ということを思い出させてくれた。
次は、いよいよシリーズの最高作といわれる「力の話し」が待っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カスタネダの記述の信ぴょう性を度外視しても、ドン・ファンやドン・ヘナロの言動には特別な感じがある。手品のようなものだとしても、「世界を止める」「しないこと」という表現と実践は、普段私たちが見慣れた世界、世界の見方を変える力がある。ただし、「ぜんぶウソだ」「神秘主義的なデタラメだ」といった全面否定をするひとには受け入れられないだろう。ドン・ファンにいわせればそれは「世界を止めてい」ないひとの「すること」だ。
しかし、すべてのひとが彼らのようにイクストランへの旅をはじめたら世界はどうなるだろう?
そうならないように、世界は彼らを「呪術師」あるいは「奇人、変人」と見做す(ドン・ファンのもとに向かう途中で彼についてカスタネダが尋ねたときの村人などの反応をみればそれがわかる)。東京の好立地に佇む廃墟のような家屋に頑固に居座り続ける老人のようなイメージだろうか。 -
2013-6-13 中原先生お勧め