なぜ、この人と話をすると楽になるのか

著者 :
  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778314330

感想・レビュー・書評

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  • コミュニケーションが苦手な人にとっての処方箋みたいな本だと思いました。
    自信もコミュニケーションが苦手だった、アナウンサーの吉田尚記さんが、書いた本なのですが、そのなかでは色々なコミュニケーションが楽になるテクニックや考え方が、普段のラジオでの話し方のように、読者に語りかけるようにかかれてます。

    とても、いい本でした。

  • ラジオが好きなので、もちろん吉田さんのことは存じ上げておりました。ニッポン放送のアナウンサー。ツイッター連動型ラジオ番組の第一人者。自ら企画書を作って売り込み、『ツイッターってラジオだ!』という本を出版する、など、新しいことにどんどん精力的に取り組んでおられる方です。

    で、どうやらこの本はニコ動の放送を書籍化したものらしい。放送中の視聴者から寄せられるコメントにリアクションしつつ、それを取り込みながら話を広げていく様子が、文章になってもよく伝わります。そしてそれそのものが、この本で説いているコミュニケーションの手法の実践になっている。とても面白い。

    巷にあふれる会話の指南本は、たいていビジネス書のコーナーに組み込まれることが多い。コミュニケーションスキルの研鑽=利益の追求、という世間的な認識。自分の中にもそれがあることは否定しません。
    でも、これはコミュ障の著者がコミュ障に向けて書いた、自分がもっと楽しく生きやすくするための本、「コミュニケーションのためのコミュニケーション」の本なのでした。

    個人的には、ラジオのパーソナリティーの共通項として「基本的に人見知り」が挙げられていたのに勇気づけられたし、「あ、やっぱそうなのね」と思いました。笑
    読みやすいし、おすすめです。

  • 元「コミュ障」のラジオアナウンサーがニコニコ生放送で行った番組を再構成したもの。
    放送で話した内容を書き起こしたものということで軽い気持ちで読んだら、思った以上に得るものが多かったです。
    中心となるのは、「コミュニケーションは参加者全員で行う協力ゲームと考えよう」という提案。
    この前提から、
    ・嘘や自慢がダメな理由
    ・相手が自分にとって地雷である話題をふってきた時のかわし方
    ・空気の読み方
    ・「聞き上手」になる秘訣
    ・面接の曖昧な質問に上手く返すコツ
    などの様々な話題に切り込んでいきます。
    サッカーの例えがかなり多い(そんなに詳しくない自分でも分かるようなレベルの話ではある)ので、スポーツ好きな人にはさらに分かりやすいかもしれません。

    〈こんな人にオススメ〉
    ・人との簡単な会話が苦手で、楽しめない人
    ・「最近どう?」と聞かれて返事に詰まる人
    ・会話を切り出したり、仕切ったりできないという人

    〈印象に残ったポイント〉
    ・コミュニケーションは自己顕示欲を満たすための手段ではない。参加者全員が気分良くなるためにするもの。
    ・サルの毛繕いが進化したものがヒトのコミュニケーション。1対1でしかできなかった毛繕いを複数人で同時にするための手段で、情報伝達の目的は後からついてきたもの。
    ・曖昧な質問は自分の中で具体化しよう!例えば…「最近どう?」→「(その状況や相手の表情から)最近は体調大丈夫なの?」
    ・より具体的な質問をしよう!例えば…「好きなマンガは?」→「いま連載中のマンガで好きなのは?」「手塚治虫のマンガで好きなのは?」

  • タイトルの印象とは違い、雑談力をつけるための本。
    他愛ないガールズトークのような、気持ちよく楽になるコミュニケーションのための方法・技術論を、サッカーの例えを用いながら具体的に示してくれる。
    相手の話を全て聞き(トラップ)、少しの関心と疑問を感じ(パスコースを探す)、答えやすい質問をする(パスを出す)、相手の関心に応える(ドリブル)。
    むしろ情報伝達を目的としないコミュニケーションに特化して、コミュ障を自認する若者をターゲットにしている点に斬新さを感じた。
    タモリの「髪切った?」という質問の素晴らしさに気づかされたし、アイドルのキャラ自称への違和感も納得した。
    ニコニコ生放送での、視聴者の生のコメントを交えながらの話の再構成本。
    15-107

  • よっぴーさんファンなので購入。わかりやすい!

  • 若林さんが語るヨッピーさんしか知らなかったので、いけ好かないやつだと偏見をもってたけど、ガラッと見方が変わった。今度ラジオ聞く。

  • (自分がamazonに投稿したものを転載)
    「相手の受け取り方は変えられない。でも、自分の受け取り方は変えられる」

    この本はニコニコ生放送で吉田さんが話された内容をまとめたものです。
    そのため、全編話口調で記載されています。
    この点が普段、本を読まれる方には違和感があるのでしょうね。
    逆に、あまり本を読まないような私にはわかりやすかったです。

    ここで感心したのは、放送内でのネガティブなコメントもしっかりと拾って納得できる回答を返しているところ。
    生放送という直接のやり取りの中で、そういった回答ができていることからも、
    吉田さんは優秀なコミュニケーターなのだなと感じます。

    そんな吉田さんも昔は「コミュ障」だったという内容から始まる本書。
    こういった自己啓発系の本に多い、
    筆者も昔はダメダメだったけどこのやり方にしたら全てうまくいくようになりましたみたいな話、
    ではなく、吉田さん自身はまだ自分は「コミュ障」なのだと言う。
    ただ、「コミュ障」が治ったわけではなく、
    周りから見たときにそう思われないという状況までは持ってこれた、とのこと。
    本書には、その状態に至るまでに吉田さんが試行錯誤された中で
    明確になってきた技術や考え方が書かれています。

    その中で私の心に残っている考え方を本レビューのタイトルにしました。
    私は老け顔なので、そのことを周りからよくイジられます。
    昔はそのたびに傷ついていました。
    周囲の人が老け顔だ、と受け取ることは変えられませんが、
    私自身が嫌だな~と思うことを、オイシイな~と思うようには変えられます。
    今では、老け顔でイジられたら「いつかは年齢が追い越しますよ!笑」や
    「じゃあ○○(先輩)くん、あの仕事片付けておいて!」なんて対応をしています。

    当たり前のことしか書いていないと言われる方もいますが、
    私はその当たり前すら知らなかったため、感心しながら読むことが出来ました。
    この本を読めば「コミュ障」脱却!という感じではありませんが、
    (そんな本があったらとっくに「コミュ障」はいなくなっているはずです笑)
    人との会話の際に意識すると良いことを知れる、という意味では良い本だと思います。
    私は今でも定期的に読み返しています。

  • コミュニケーションの目的をコミュニケーションとし、精神論ではなく技術として明らかにする本。
    文中に書いてある「空気を読め」「自信を持て」という言葉には具体性がなくてどうしたらいいのかという疑問には答えられていないということ、まさに!
    その、何とかしたくても何をしていいのかわからず途方に暮れてしまう部分を、かみ砕いて具体的な技術に落とし込んで伝えてくれる本。
    しかも、自称コミュ障の筆者だからこその優しさがあって読んでいてほっとする。


    コミュニケーションは徹頭徹尾、人のために。
    空気を読む=相手にテンションを合わせる


    ★コミュニケーションをゲームと考える。

    【ルール】
    ①参加者全員による「協力プレー」(敵味方に分かれた対戦型ではない。)
    ②ゲームの敵は「気まずさ」
    ③ゲームは「強制スタート」
    ④ゲームの「勝利条件」ポジティブな結果
     (喜ぶー喜ばれる、尊敬するー尊敬されるー笑う―笑わせる

    【反則行為】
    ①ウソ禁止
     増幅は可、捏造は不可。ウソをつくくらいなら黙秘権を行使。
    ②自慢はご法度
     自慢があるとその人の解釈(すごいと思え)が固定されてしまう
    ③相手の言うことを否定しない
     否定=自分の言うことが正しいという解釈の押し付けになる。意義があるときは黙秘。


    ★インタビューのテクニック
    ・時系列に沿って相手の空白部分を埋める
    ・話の中でズームインとズームアウトをどちらかに統一する

    質問を重ねるのに順番を大事にする

  • 2015/04/15開催の若手ビブリオバトル@雑司ヶ谷で紹介された本②。翌日京都のジュンク堂で購入し、本日ようやく読み終わりました。

    すごく素朴でいいなぁ。コミュニケーションに対する姿勢がすごく素朴です。全くひねっていない。だからこそ、コミュニケーションで困っている人が「楽になる」エッセンスが詰まっているのだと思います。

    ビブリオバトルの時の紹介者さんが、紹介の時点では半分までしか読んでないけどとても為になったと言うのもうなづけます。8回分のニコ生の放送がベースになってるので、章終わりで一旦読むのを止めても問題無しというのもあります。しかし何より、どの章からも「コミュ障で悩む視聴者」を相手に真摯に語りかける姿勢を感じることが出来るというのは、この本の素晴らしいところですよ。私は放送はあいにく見ていませんけれども、活字になったとしても特有のライヴ感が失われていません。

    それにしてもすごいな吉田さんは。ニコ生で何千人も相手にしつつも、同時に「相手の顔が見えるコミュニケーション」をしているんだから。これ、すごいことっすよ。
    私自身ニコ生をやったことがあるから分かります。ニコ生でコメントは確かに流れますけど、ネット生中継配信特有の匿名性故か、「相手の顔が見えないままに主はコメントを受け止めなくちゃいけない」ことが毎回起こるんですよ。ここが結構生主やっててしんどい。だからコテハンつけてねって言うんですけどね。でも、吉田さん、コテハン要求しないでここまで顔が見えるやりとり出来てるんだもん。すごいよ。

  • この本は簡単に言えば、コミュニケーションはゲームで相手の場所相手の意見を尊重するべきであるということが書かれていた。
    コミュニケーションは、ゲームなのかというとルールというものがあり協力ゲームである。
    そして敵は。気まずさであるのではないかと思う。
    自分は、コミュニケーションはゲームなのか疑問に思っているなぜなら正解が少ないと思っだけど不正解があると考えるとゲームだともおもう。
    最後にコミュニケーションの不正解を選ばないように努力していきたいと思いました.

著者プロフィール

ニッポン放送アナウンサー。2012年第四九回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞。「マンガ大賞」発起人。マンガ、アニメ、アイドル関係等に精通。著書に『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)等

「2022年 『オタクを武器に生きていく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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