鬱屈精神科医、占いにすがる

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778314958

作品紹介・あらすじ

人間が"救済"されるとはいったいどういうことなのか。心の医者にとって救済とは?

感想・レビュー・書評

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  • 占いにすがった話はあまり出て来ない。

  • 「(母)親に認められたい」という思いは本人が年老いても親が亡くなっても消えないものなのか。だとしたら諦めることを諦めるしかなさそうだ。

  • 占いというよりほとんどが
    春日先生の母親への愛を書いた本。

  • 鬱屈精神科医、占いにすがる。春日武彦先生の著書。普段からいろいろな患者さんのお話を聞く立場にある精神科医の先生でさえ、悩み苦しみ暗い気持ちになってしまうことがある。鬱屈精神科医の先生が占いにすがる過程が本音で書かれています。精神科医の先生だって人間、占いにすがることだってあるのは当然のこと。

  • 以前著書で香山リカさんとしか思えない人物をこっそりディスっていた春日武彦先生。それ以来信頼してます。故吉野朔美と親交があったというし、共著の相手が平山夢明や内田樹などと、医師としての肩書以前に只物ではない書き手なのは確か。

    この直前に読んだ小谷野敦同様、この人も色々こじらせてるよ! と思ったら多い引用の中、小谷野さんの著書からも引かれていて偶然に(シンクロニシティ?)笑ってしまった。

    「精神科医枠文化人」に北杜夫、なだいなだ(越えられない壁)>香山リカという序列があるとして、春日先生は左側だと思うけど、読書好きには一定の評価を得て新刊も途切れないのに、一般受けやベストセラーがないとしたら、語りがシビアで(つまり、甘くない。読後が重い)、キャチーなフレーズ(「XXX症候群」とか新しく付けるとか)もないし都合のいいコメンテーター仕事もしないからだろう。

    今回は自分史語りのエッセイと私小説の中間のようでいて、会話は占い師とのやり取りぐらいのものだから、地の文が活字びっしりで、読了に時間が(ページ数の割に)かかった。

    「売れない作家」と自嘲する前に、ウザい自分語り(今回の本はそれが主眼っぽいので仕方ないけど)を読み易い小説の物語に昇華させて甘くコーティングすればいいのに、と余計なことを考えてしまった。読者は勝手ですね。

  • 著名な精神科医が、赤裸々に自分の内面を語った本。精神科医が自分の内面を書くのだから、詳細になるはずである。自分の内面を客観的に書くなんて、非常に困難なことだと思うので、実際どこまで客観的なのかはわからない。何よりもどこまでが事実なのかもわからない。でも、「恥も外聞も捨てて」書かれているように見える。そこにまず、心が動かされる。

    多分新聞の書評を読んだのだと思う。
    私自身、占い師に占ってもらおうなんて思ったことがなかったが、この2、3年前から、誰か占い師さん紹介してくれないかなあ、とか「占いの館」みたいなところって、若い人が遊び感覚で行くところなんだろうなとか、占い師さんに占ってもらいたいと、思っていた。
    そこで、この本である。タイトルだけでも惹きつけられるではないか。

    読みながら、一言一句にふんふんとうなづかされた。
    ご自身が患者さんにされるカウンセリングの方法なども、私のような素人が人の悩みを聞くときの参考になる。割と今までいい感じで人の話を聞いてたなあと、ちょっと安心したりもした。

    本筋とは関係ないが、安倍首相を評している文が、よくぞ上手くまとめてくれたと感心したので、引用しておく。

    "安倍首相の小心さと傲慢さとがミックスされたような口調、愚かな割には妙な運の強さを発揮するそのしぶとさ(それが結局は本人にとっても日本にとってもマイナスの意味になってしまうことも含めて)、再び突然の辞任をしそうな危うさ、ぎこちない「あざとさ」、おそらく心の中に抱えているであろう低レベルの鬱屈(学歴や人望など)、力づくの振る舞いへの憧憬" 61ページ

  •  面白さを説明するのが難しい。
     鬱屈した精神科の先生が(同業者に相談するのは憚られて)救いを求めて占いに行くのだけれど、占いに求められるのは「アドバイス一つで劇的に状況が好転するカタルシスだ」というのは、毎日Lineだのの12星座占いを見て一喜一憂するタイプの人間(アタシだ)には非常に思い当たる部分がある。

     が、代わりに触発されて想起されたのは自身の母親との関係性だった、という部分に関しては、これはもう「ある母子の関係」という文学なのでそれはそれで面白く読んだ。

     そうなんだよなぁ、そこの「精神科医と占い師の相似性」の問題と「母との愛憎」の問題が入り乱れているからこそ、面白さの説明が難しいだなあ、というのがいま文章を書いていてわかったことだ。

  • タイトルからして面白そうだったが、内容も面白かった。筆者の語り口調といい考え方といい、何だか読んでてニヤリとしてしまう。

    幼少期の木琴の話はなんだか近しいような体験をしたことがあり、忘れかけてたエピソードがフラッシュバックした。


  • 人生は反復と類似。前向きな姿勢で一線を超えた時から何かしら変化していくもの。

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著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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