家族最後の日

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 713
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778315559

感想・レビュー・書評

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  • 思ったことを書く。
    簡単なようでとても難しいことじゃないだろうか。
    作者に共感はしなかったし、どうしてそこまで白か黒かで物事を考えようとするのか分からないと思うことがあった。
    でも、心をざわめかせるほど真っ直ぐな言葉で書かれた本、しかもエッセイというのはほとんどない。
    まさに他の人の人生をのぞき見ている生々しさ。

  • 植本一子さんの日記。実家とうまくいかず、ご主人が進行性癌になり、仕事も子育ても待ったなし。それでも友人や知り合いに助けられながら倒れず進みつづける。著者が考えたこと、日々の食事や出来事が書かれているだけだが、圧倒的リアリティ。読後、なんだか逆に励まされた感じがした。

  • 石田さんのことをどうしても好きになってしまう。

  • 著者についての知識がないまま読んだ。
    母との確執、義理弟の自殺、そして夫である石田さんの闘病。
    メインは石田さんが入院し、ひとりで子供の面倒をみることになってからの日記だ。
    カメラマンで子育てや家事を、石田さんに任せていたところが多かったので余裕のない日常。
    家族が病気になると、つらいのは本人とわかっているけれど他の家族もつらい。
    感情を表に出す人のようなので、そんなに書いても大丈夫?と思うが日記ならば吐露してもよいか。
    自分勝手な人と思う部分もあるが、正直なのだろう。
    アラーキーが亡くなった妻の写真を撮っていたが、記録することで生きていることを実感するのがカメラマンや文筆業の性なのだろうか。
    病室でも患者にカメラを向け、日記にのこして本を出版する。
    起こることひとつも無駄にしない、悪く言えばがめつさと強さを感じた。

  • 悲しくなったら親指立ててグッドしよう。どこかでえんちゃんが返してくれるような気がして。

  • 20171019
    もうすぐ読了
    結局自分より”こども”は受け入れられない(対応できない)人なのであろう
    村田は若い正直さをぶつけてきたから彼女は不満なんだろう、なんで自分のことを考えてうごいてくれないの?
    村田から見れば友達だから助けたのに、彼女は村田を”使った”だけなんだ
    いつもこの人の周りには大人しかいない
    大人が彼女の面倒を見てあげている、彼女も感謝はしながら、しかしそれがあって初めて生きていけている
    極楽とんぼの山本さんもそうだけど、何の魅力があって周りが支えたいと思うのか、それがわかるものが欲しい
    本人の日記からだけではそこまでして周りが助ける元が分からない
    子ども達は生きる希望、という記述があってとても驚いた
    そんな風に思っているのか
    生きる希望にしているほどの”拠り所感”や”頼っている感”はゼロじゃないか
    常に自分と同じ高さに子ども達をおいて生活するメンバーとして扱っている
    子ども達に助けられる場面はあっても、子ども達を助けている場面がない
    もし生きる希望発言が本当なら、この人の文章から伝わってこないという問題になる
    そうではなく、毎日感じたことを記録=発散するための日記なのだろうか
    わざわざ書くことではないから書いていないのか、小説やエッセイと違い日記だからだろうか?
    日記の中の楽しいことは、全て一人行動(もしくは友人と行動)の中からしか生まれていない
    それが悪いとは全く思わないが、それなのに生きる希望、という文章が唐突過ぎて馴染まなかった
    171020
    朝の通勤で最後の10数ページを読み終わった
    もう一度子ども達がいてよかったとある
    結局、ECDいなくなるかもの後、頼る人が残っていたのが彼女にとってよかったのではないかと思う
    これだけ周りに強くいきながら、自己主張は強いながら、頼らないと生きていけない人なのだろう

  • ここのところ何ヶ月もかかって1冊読むことが続いてたが、夜更かししてまで数日で読んでしまった。そしてハマった。これは前作も最新作も、はたまた石田さんの本までも買う勢いだ。
    この本に出会うタイミングも良かったのかもしれない。若い頃だったら、未婚だったら違ったかもしれない。今のこの時にはドンピシャだった。
    本業の写真もとても素敵。(本には関係ないが、個人HPのTOP写真がグッときた)
    何かと非難されてるようだけれど、取り立てて目くじら立てるようなことあったかな?
    これは日記だし、好きとか嫌いとか辛辣な言葉が、本音があって当たり前では。全てに共感はしないけれど、ほぼほぼ、あ〜わかる〜と思った。
    こういうドロっとしたのみんな心に無いのかね?みんなそんなにピュアで優しいのか…
    でも不愉快に感じたり、合わない人もそりゃいるだろう。面白いよ!とこの本を勧めたところで、どこが?とか嫌な気持ちになったって言うであろう人が数人は思い浮かぶもの。。。

    あー!とにかく、今の勢いで他の本も読みたい!
    すぐに手に入らない環境でイライラするほど笑!!


  • 2017/12/15

  • 著者のバックグラウンドがわかっていないのもあるかと思うが、周囲の特定人物(特に親父)に対するアタリの強さには正直、理解不能な部分がある。
    あと、フリーランスの人達ってのは独特の人脈命綱社会というか、普通の人が会社等の組織に頼ってる部分を仲間や友達に支えてられて特別負担にも思わない文化なんだな、と。これだけ人を頼るのは俺には無理!と感じましたね。

  • 図書館にて。
    実はこの前の本「かなわない」よりもこちらが先に手元のきたので、先に読んだ。
    最初の話で母親との絶縁した話が出てきた。客観的に読めばせっかく帰省した娘が全然家にいないので、娘と話すことを楽しみにしていた母親がついにしびれを切らして爆発したような気がするのだが、もうこうなるとここまでの歴史がつもりつもってということなんだろうなという気がする。どちらも痛々しい。
    その後の文章も、「かなわない」と比べて攻撃的な気がする。
    「かなわない」の他の人のレビュー、表現せずにはいられない、全てをさらけ出す才能がある、正直だ、というように肯定的なものが多かったけれど、この本を読んでもやはり私はそうは思わない。表現している本人はいいだろうが、書かれた側の気持ちを慮れずに描くことは暴力でもある。嘘をつけとは言わない。書かないこともできるだろうということ。でもその書く書かないの境界線が人と違うことが嫌だけどこのほんの魅力か。
    それと、この表紙や本の中に娘たちの写真を使うのも嫌だ。
    やっぱり私はこの本嫌いなんだなと思う。
    でも続編が出たら、また読むと思う。
    旦那さん、ガンが治りますように。
    娘たち、楽しい毎日が過ごせますように。

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著者プロフィール

植本 一子(うえもと・いちこ):写真家。1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞。2013年から下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」をかまえる。主な著作に『愛は時間がかかる』『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』『台風一過』『うれしい生活』『家族最初の日』などがある。

「2024年 『さびしさについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

植本一子の作品

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