さなとりょう

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 84
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778315597

感想・レビュー・書評

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  • 谷治宇さんの『さなとりょう』読み終わった。龍馬の妻おりょうさんと、龍馬の許嫁さなさんのタッグで龍馬暗殺の首謀者を探す歴史ミステリー。
    こんな時代小説読みたかった〜!と満足感たっぶり。うまいなぁ。さなさんもおりょうさんも、めちゃ魅力的なキャラクター描写だった。活劇もスピード感あってイメージ湧くなぁ〜。

  • タイトルから勝手にイメージすると、
    女性2人が主役のようだから坂本龍馬暗殺の謎に迫ると言いながらも
    軽い感じのエンタメ小説かも?って思ってました。

    いやいや、全然軽くないよ。
    十分に歴史小説が好きな方達に満足していただけるんではないかなぁ。

    龍馬の暗殺事件から6年が経過していて、
    東京では鬼小町として知られた千葉道場の佐奈が道場を守っていた。
    そこへ龍馬の妻・りょうが現れる。
    龍馬暗殺の鍵を握る人物を探すために尋ねて行く先で
    殺人事件が起きる。

    危険なことをしていることに気づいて、
    彼女を守るために佐奈がボディガードとして同行する。

    楽しい。
    危険なことで、しかも血生臭さが付きまとう内容なのだけど、
    なんせ、大河ドラマ『龍馬伝』が好きだったのでついついキャスティングも
    そのまま貫地谷しほりと真木よう子の雰囲気でイメージしながら読みましたよ。
    それに勝海舟は武田鉄矢で!
    これが楽しくないわけがない。
    あのドラマから7年も経ってるんだわ。
    そのままのキャストでこの作品を番外編で映像化してくれないかなぁ。

    危ない目に遭いながらも、少しずつ真相に近づき、
    謎を推理していく佐奈。いったい罠にはめようとしているのは誰なのか。
    そして何のために?

    出てくる怪しい黒幕は誰もが知ってる大物。
    今でも龍馬暗殺の犯人についてはいろんな説があるようですが、
    案外こういうことかもね〜って
    思えるような真相。

    そして、りょうに意地悪く「龍馬はうちのもんや」と言われて
    辛い思いをしていた佐奈にも報われるラスト。
    じわっと温かく満たされました。

    結局、龍馬は思い出の中の登場なのに、
    やっぱり《人たらし》だったんだなぁと
    強く印象に残りました。
    没後150年ってことらしいですけど、やはり魅力的な人物ですね。

  • 怪しげな手紙一つで東京に釣り出せるくらい、おりょうを破天荒なキャラクターにし、懐に拳銃まで忍ばせていたというのに。
    仇に拳銃突きつけるところまで行ったんだからちゃんと殺して欲しかった。

  • 武家の娘として義に生きるさな、奔放で情熱的で一途なりょう、正反対でいてどこか通じるところのある二人の女を中心に、どの登場人物も「いかにも」な感じにキャラ付けされている。ストーリーの軸となる坂本龍馬暗殺の真相もイメージされる龍馬によく合っており、漫画・アニメ・映画・舞台どれでも料理できそうなシーンがちりばめてある。

    自分にとっての幕末登場人物のイメージは修羅の刻・幕末編なのだが、この話にもすんなり馴染んだ。

  • 空間の描写がし過ぎで逆に想像力を絞るというか。
    副音声を聴きながら映画みるような感覚。切り口は凄く良いので惜しい感じ。

  • てっきり、コミックやと思いました。
    沙村氏がやりおったなあと。
    連載に隠れて書き下ろしか!大仕事やなあ!
    などと思いました。沙村先生ときどき別名義で出されておるし・・・
    活字が並んでいたのは・・・あれれと。
    何時になっても絵師のお仕事がない。
    いいでしょ。こちらも腹を決めました。最後まで読みます。
    何時か書き下ろしで出すのでしょう。信じてますよ。先生

    追記;平成30年8月9日
      入院いうことで人に貸しました。
      帰ってこないでつ・・・・・もう読書好き以外には
      本は貸さないことにします。

  • おもしろかった!
    ミステリー風味の歴史小説って感じ。
    まぁ、こうなるんやろうなって感じの終わり方でしたが、最後まで楽しく読ませていただきました。

  • 幕末から維新にかけての知識が足りないことが致命傷であることを認識しながらも、かすり傷の部分で、この小説のどこにも共感できる人物がいないことを嘆かずにはいられない。

  • 坂本龍馬の暗殺から六年。
    元許嫁の千葉さなの元に、妻お龍が現れる。
    亡き竜馬を挟んでの新旧二人の女の激突に加え、竜馬暗殺の首謀者を追及する二人の前で次々起こる殺人。
    竜馬が残していった片袖だけを思い出にいまだ彼への想いを引き摺るさなの方に肩入れしてしまう。
    それにしても彼女は強い。剣の腕は勿論、竜馬への想いを乗り越えた彼女にも安心した。
    お龍の方もまた、さなにライバル心剥き出しで胆の座り方も良い。

    真相の方は誰もが知ってる大物だけに、ちょっとありがち?でもこういうこともあるだろうな、と思えた。
    その後の二人の生き方は対照的だが、それぞれの竜馬への想いの抱え方が表れているように思う。
    結構好きだったのはお龍のお付きの久蔵。年を押して頑張る姿が渋くて良い。

  • 龍馬の元許嫁「佐奈」と未亡人「龍」がもしも出会っていたら? 
    この設定だけでも期待できるじゃありませんか。 
    装丁もなかなかイメージさせる。よいイラストです。 
    最終章までのストーリー展開もさることながら、明治初期の東京界隈の情景描写がとても良い。 
    デビュー作とは思えないですね。 素晴らしい! 

  • 坂本竜馬の婚約不履行から始まってw、暗殺の黒幕を捜索する話。

  • 読んでいる間、何年か前の大河ドラマ「龍馬伝」のキャストが脳内で動き回ってた。
    さな、と、おりょう、2人のおんなにここまで思われるのだから、やはりさすが龍馬。
    けど、実際にともに死と隣り合わせの時を過ごしたりょうにくらべて、口約束だけで何年も思い続けているさなの分が悪すぎる。心のよすがは引き破った袖だけ…それは辛すぎる。なのになぜそこまでりょうと一緒に龍馬の死の真相を求め続けるのか。りょうのことなんて放っておけばいいのに。そんな風に思ってしまう自分は薄情なのだろうか。
    悶々としつつもさなの「武士」としての動きにほれぼれし、ここはやはりさなの胆力でりょうより先に真実にたどり着いてほしい…そして畳みかけるように明らかになる真実。
    あぁ。そうだったのか。そういうことだったのか。いやぁ、この一言で救われた。さなも私も。

  • コーヒーブレーク本。

    北辰一刀流桶町千葉道場主の娘・佐那と自由奔放に生きる坂本龍馬の未亡人・お龍が、幕末から明治へと変わる激動の時代の帝都東京で、坂本龍馬暗殺の真相と首謀者を追う時代小説(2017/03/13発行、1728E)。

    反発し合いながらも坂本龍馬暗殺の真相に近づいて行く佐那とお龍。 龍馬殺害を命じた者を追い求め、真相に迫るストーリー展開も良く、なかなか面白い作品でした。
    只、もう少し捻りのあるストーリーが欲しかったと思います。 特に首謀者が創造の範疇内だったので、少しミステリー感が物足りなく感じたのは自分だけでしょうか...

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