Jの総て (3) (F×COMICS) (F COMICS)

  • 太田出版
4.14
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778320096

感想・レビュー・書評

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  • 男だとか女だとか
    そんなものは超越してしまって、
    ただただ美しいとしかいいようのないものがある。

    両親にすら愛されることを知らなかった少年は
    貪るように愛を求め、
    傷つき壊れながらも、
    愛を知ることによって再生していく。

    中村明日美子の画は繊細で華麗で
    ひたすらに妖しく美しくわたしたちを魅了する。

  • 起承転結でいうと転の部分が大半をしめていて
    しかもインパクトが強いので、特にラストのまとめ方に不満が残る。
    もう少し、日常風景の描写がほしくなる。なんだか物足りない。

  • 完成度が高すぎるこの世界観に魅了され過ぎてしまう。物語がこういう終わり方をしてくれてとても良かった。

  • モンローの死を契機に、視点人物はポール・アンダーソンへ。
    新聞記者エドモント・クレモンスとともに、Jを助けようとする……否、自分の恋のためにもがく、その結果……。
    ここで母という要素が加わり、どこかしら萩尾望都「残酷な神が支配する」をも思わせ。
    いやー3巻でここまで。すごい。そして「ばら色の頬のころ」へ。

  • 強くてかわいいオカマそういうのが描きたい
    けれど実際に描いてみてわかりました最初から強い人間なんていないのですね。

    愛し愛され傷つけ傷つき大切なものがわかってようやっと人は
    強くなるのですね。

    ですからJはこれから強くてかわいいオカマになるのです。

  •  久しぶりに再読。

     昔はポールとJのラブロマンスとして読んでいたのが、年齢を重ねてから読んでみたら、リタやカレンズバーグのおばさまの方に感情移入して泣けてきた。

     ビートニクに傾倒して男のような恰好をして「頑張って」いたリタ。年齢が28っていうのもいいよなぁ。20代前半だったら「まあ、若いからね」みたいなとこあるけど、28歳という年齢に彼女の「本気」を感じる。

     カレンズバーグのおばさまもいい。
     レストランでポールに本音を引きずり出されるシーン。
    「だから がんばってきたじゃない あたしは……」
    「がんばって がんばって あなたを…愛そうと」
     この人も、たくさんの葛藤や苦しみを抱えて、それをひとりで乗り越えて生きてきたんだな、と。

     ポールに対する
    「今度こそみんなで…(一緒に暮らしましょう)」
    というセリフに、彼女の悲願を感じる。
     「今度こそ」ですから。
     今まで望んでいながら叶わなかったんだということが、このたった一言から分かる。すごい。

     しかし、ジーンは親がいっぱいだなあ(笑)
     ポールもナチュラルに「娘」扱い。おめーの子供じゃねぇから!笑
     ヘタしたらモーガンおじさんも娘だと思ってるかもね。

     割と生まれが複雑な子だけど、それが故にむしろたくさんの人の愛に育まれることになったんだということが、Jシリーズ最大の救いであり、親世代(J・ポール・リタ・モーガン・アーサー・ミス=カレンズバーグ……etc)の苦しみが報われた証のように思える。

  • Jの人々の再会。
    やはり明日美子先生は最高です。
    性別に関わらず人を好きになる尊さ、様々な形の総ての人の愛の形の物語。

  • みんなが最後一緒にいてくれて良かった

  • Jが可愛い。
    最後の新婚生活…ニヨニヨしてしまう。

  • ポールは5年間もJを想い続けていたのか?と思ったけれど・・・。結果、ハッピーエンドで終わったから安心した。BL漫画は初めて読んだけれど、初めてが中村明日美子の漫画で良かった。

  • 刑務所に入ったJは、そこでギムナジウム時代の友人モーガンと再会、さらに弁護士になった初恋の人ポールとも。ポールは、なんか1巻と3巻でキャラがちょっとブレてる(苦笑)。再登場後は、最近の作者好みのクール系メガネキャラに変貌(過去編の「ばら色~」のキャラはこっち寄り)。モーガンが良いヤツで大好き。Jを孤児院から引き取ったポールの伯母さんが当初はただの偽善者キャラみたいだったのに、すごく良い人だったのも微笑ましい。珍しいくらいに手放しのハッピーエンドでよかった。

  • 良かった(*T∇T*)2巻まではどうなることかと思ったけど。ポールの涙ながらの告白がJに届いて良かった。そして最後のおばさま…良いキャラ(*≧m≦*)

  • NYでの失踪から1年半、「J」は流れついた刑務所で初恋の人・ポールとの再会を果たす。突然の再会に、戸惑いすれ違うふたりだったが...。
    運命の恋、カミングアウト、母親との邂逅...、マリリン・モンローに憧れ、自らのジェンダーに翻弄され続けた少年は運命を乗り越えられるのか―。
    「J」をとりまく絶望と愛の物語、ついに完結!
    "ふたりのその後"描き下ろしショートストーリーも収録。
    (出版社より)

  • 物語の終わりとしてはベストだったのかな、と思います。世界観の完成度が素晴らしい作品。

  • こういった種類のシリーズは珍しい。最後まで読み終えた時に、やっと「ああ、読んで良かった」と思わされるのだ。読んでいる途中は、気分が重い。耽美的な作品、故にグロテスクなまでのエロス。もうやめてくれ。一体何度そう思っただろうか。しかし、後悔は決して起きない。不思議なまでの読後感である。最後は希望を感じさせる終わり方であり、それだけが救いである。

  • Jは誰よりも男らしく、誰よりも女らしい。
    生命力に満ち満ちてます。

    また読みたい!

  • 表紙同級生に近い・・・

  • 3巻まで一気読み。
    まとめて感想。

    多分私たちの身近にはなくても、世界にはこういう現実が珍しくないくらいにあるんだと思う。
    そう思えるくらい、リアルと甘美の狭間を漂った作品。
    夢のように美しくも、儚いというには鮮烈過ぎたJ。

    子供は親と生まれる環境を選べず、持って生まれたモノも選べない。
    生きづらい人間は世の中にたくさん居るけど、それを善しとする生き方は一層生きづらい。
    だからこそ、そんな風に自分の生き方を貫こうとしたJは愛しい存在なんだと思う。

    初恋が実ったという綺麗な事実だけではないけれど、Jを幸せにしてくれたポールに感謝を。
    ラストの夢のような幸せを、読み手にもおすそ分けしてくれた中村先生にも感謝を。

  • 2巻の後半あたりから、顔ぐっしゃぐしゃにして大号泣しながら読みました。明日美子先生の表現力は本当に素晴らしい。暴力的な、グロテスクな描写はなく、ただ綺麗なものだけが出ていれば、読んでるほうは勿論気持ちいいのだろうけど、それではここまで心揺さぶられなかったろうと思います。人間の「生き様」というものを、まざまざと見せつけられた。

  • Jもポールも幸せになって良かった。
    ぜひモーガンも幸せになって欲しいです

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著者プロフィール

二〇〇〇年に「コーヒー砂糖いり恋する窓辺」でデビュー。爽やかな青春物語からボーイズラブ、官能的な物語まで、多岐にわたる世界観で読者を魅了する。著書に『同級生』シリーズ、『薫りの継承』『あの日、制服で』などがある。

「2021年 『谷崎マンガ 変態アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村明日美子の作品

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