- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778322786
感想・レビュー・書評
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『ダゲレオタイピスト』が静ならばこちらは動の話。届くことのない信書を届けるために永遠に戦場を羽搏き続ける伝書鳩達。信書の中身なぞ知るすべもない、だって鳩だもん。ただただ重要な信書を足に括り付け、肉体を銃弾に引き裂かれようと足がちぎれようと翔ばんとする、もう鳩ぉぉぉ。うちで温かいものでも喰ってきなよ。公園でパン食べてたら鳩に襲われた程度の記憶しかないですが、こんど鳩に会ったら豆でもやります。首振らねぇと歩けないなんてトンマな生き物だなんて思ってごめんなさい。うそだけど。
あと、この作者の絵は線と線の間に奥行きがある感じがして銅版画みたいなとこが好きだなあと今回読んでいて思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
萩尾望都、『トモちゃん』以外苦手なこと思い出した。導入は素敵。ラストも。
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ストーリー、イラスト、装丁、どれをとっても素晴らしすぎて切なくなる。
ストーリーについてはこれまで読んだ鳩山作品の中ではシンプルな構造かも。といっても哲学的で理解が難しい部分もあるんだけども。もうわかるわからないよりも感じとるのが正解な気もしてくる。
伝書鳩と寝台列車を掛け合わせるなんて発想、どこから思いつくんだろう。旅は夢のようなのに、戦争の残酷さと少年たちの痛みがどうにも悲しくて、それでいて美しかった。
イラストの方はどのページ、どのコマをとっても一枚の絵画みたいに綺麗。特にエピローグの見開きのイラストは美しすぎてしばらく目が離せなかった。アナログイラストだよね…?すごい手が込んでるけど締切に間に合ってるのかな、とか邪な疑問もわいてしまったw -
2016-11-27
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美しい…。
絵も言葉も、物語も。
読み終わって、胸が締め付けられる感じ。
「飛ぶか、死ぬか」
その二択しかない彼らは
きっと死ぬまで飛ぶのだろうと思う。 -
少年ダヴィーが寝台列車の中でたどり着いた寝台車両には、たくさんの傷付いた少年たちが居た。彼らはその脚に着けた信書管を託そうとする。
かつて戦地の通信手段として遣われていた、軍鳩をモチーフにした物語。
鳩山郁子さんの作品独特の玻璃のような果敢なさに加え、この作品には力強く痛ましい雰囲気も。どうか無数に散った迷える鳩たちが、彼らの家に帰れますように。 -
久しぶりの鳩山世界。
変わらずに独自の世界観を描いていてくれて、うれしくなった。