発達障害と向き合う (幻冬舎ルネッサンス新書 た-6-1)

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著者 : 竹内吉和
  • 幻冬舎ルネッサンス (2012年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779060618

発達障害と向き合う (幻冬舎ルネッサンス新書 た-6-1)の感想・レビュー・書評

  • 複数ある発達障害に関する本の中で、大分読みやすい本だと思う。発達障害の人の考える経緯が書いてあるし、子供~大人まで、幅広く対応している。
    自分自身、当てはまる項目が多すぎる…。

  • がっつり引き込まれました。

    「発達障害とは何か」の考察が、丁寧でわかりやすかったです。
    聴覚的短期記憶の障害、という認識は今までなかったので、示されてみて「そうか、なるほど」とすっきりしました。

    多くの学びが得られる一冊ですが、中でもADHDの反社会的行動への移行についての説明が、特に参考になりました。
    不注意、多動性、衝動性が具体的にどのように変化していくのかが示されることによって、早めの対応がいかに重要であるかが理解できました。

    ひとつひとつの考察が丁寧で、私にはとても受け取りやすい構造の説明でした。参考文献をもとに、より学びを深めていきたいと思います。

    学校で子どもたちとかかわる大人の方にはぜひともオススメしたい一冊です。

  • 発達障害の新書なら、入門として入りやすいかと思い、手に取りました。著者は、長年教師として教育現場に立ち、生徒指導をしてきた方だそうです。
    本の中で気になったのは、「アメとムチ」で発達障害の子供に対応しては逆効果で、「アメとムシ」で対応するべきであること。また、少年犯罪と発達障害の関係性など興味深い内容が完結にまとめられていました。入門書としては、おすすめです。

  • 発達障害について大変分かりやすい記述で、勉強になった。同じく発達障害のある人とかかわっていく時に感じる事や、その周辺で感じる事をサクッと表現してあり、共感が持てた。全く知らない人にも分かりやすい内容になっているのではないだろうか?

  • これは社会にいる「理解できない人」を知るための翻訳書である
    「ワザとではない」んである。

  • とても、しっくりくる内容でした。
    「学ぶ力がない子どもたち」の章で、聴覚的短期記憶に課題のあるケースについて書いてあります。
    こちらが指示をしても、ぼーっとしている子の中には、このケースがあると感じました。
    僕自身、多くのことを一度に言われると、何を言われているのか分からなくなることが良くあります。だから、会議は好きではありません...、これはちょっと違いますね(^^)

    人には凸凹がある、と良く言いますが、凸凹に合わせた対応も心がけなければならないのでしょうね。

  • 2012年刊。
    著者は特別支援学校勤務の特別支援教育士スーパーバイザー。


     本当に久々の発達障害関係本。
     症状の外形的表れ方でアスペルガー症候群とも、注意欠陥多動性障害とも、自閉性スペクトラム症候群とも称される発達障害。
     脳機能の先天的障害に起因する本症候群につき、著者は、「聴力的記憶(短期の記憶)の機能不全」と見て解説を加えていく。

     この点、本書の診断方法や各種症候群の解説に特に異論はないのだが、新書で子供の教育問題から「大人の発達障害」、その社会的対応策まで議論するのは、風呂敷を広げ過ぎの感が強い。
     これでは療育現場を俯瞰してみることのできる特別支援学校の勤務歴が活きてこない。


     加えて、後半は、社会制度の議論ではなく、関係構築の対処方法という体験談的な叙述に止まっているのが残念だ。


     もっとも、アスペルガー症候群を含め、これら広汎性発達障害に罹患する人々に対する、社会的認知の誤謬を多少なりとも正すには、こういう書が不可欠なんだろうなぁとも思う。
     本書の叙述の誠実性は買いだからだ。


     個人的には、頭頂葉の機能不全、入力情報の選別の困難性(例えば、賑やかな繁華街や電車内で、知人の声を聴き分ける力)が、通常の記憶容量を遥かに超える情報入力を来した。
     結果、海馬を含めた記憶(特に短期)の作業を、それこそ乳児期から行い得なかった結果、記憶の力の成長を妨げられてしまったことが障害要因という印象を持っている。
     そういう意味で、聴力的な記憶力に問題があって、それが学習や関係性構築の困難を招来しているとの著者の目の付け所は納得のそれである。

  • 子供との関わりを改めて見直したい

  • 2階書架 : WS350.6/TAK : 3410155103

  •  LDやADHDなどの「発達障害」という言葉はこれまで耳にしたことがあったのですが、それが具体的にどういうものかわからなかったので、書店に並んでいた本書を手に取りました。
     発達障害について知れば知るほど、塾で教えてたあの子やこの子、趣味サークルにいたあの失礼な女のことが思い出されました。特に前者については、あのとき発達障害の知識があればもっとしてあげられることがあったんじゃないのか、という思いも浮かんできます。

     本書でなるほどと思ったのは、聞く力とは「聴覚的短期記憶」であるという指摘です。これについては82頁以下にわかりやすい例があるので、少しご紹介します。
     先生が「みんな、お外に出ましょう」と言ったのに、外に出ずに教室内でうろうろしている子供がいるとします。この子は先生の話を聞いていないのではなく、聴覚的短期記憶が弱いので、先生が言ったことを記憶できていないだけなのです。
     この子に対して「何してるの。今、外に出なさいと言ったでしょう」ということが禁句だということがおわかりいただけるでしょうか。先生の話はちゃんと聞いていて、別に殊更先生の指示に逆らおうとしたわけではないのに、先生からいきなりこう言われるのですから、この子が全人格を否定されたように思うことがあっても不思議ではありません。
     この場合、先生としては口答の指示に加え、「おそとに行く」と板書してあげればよかったのです。字も読めない子であれば、外の写真や絵を見せてあげればいいのです。

     この話を読んだ時、発達障害を越えて、学習指導法・勉強法が人によって向き・不向きがあることの理由ってここにあるんじゃないかな、と思いました。
     視覚的な情報処理に優れている人は、何度も教材を見返すのが向いていますし、聴覚的な情報処理が優れている人は、見る回数を増やすよりも音読をするなどして聴覚的な働きかけをした方が能率的だと言うことになります。自分が視覚的か聴覚的かのどちらかであるかを押さえておけば、自分の情報処理におけるアプローチの偏りを自覚でき、人にモノを教える時にそのアプローチのバイアスを修正することもできます。大人数相手の講義が上手い人というのは、実は視覚的アプローチと聴覚的アプローチが上手い人のことを言うのかもしれません。

     後半では、子供・大人の発達障害への対応と、社会の取り組みについて書かれています。
     何らかの発達障害を抱えた子に対し、大人がそのことに無理解なまま責めることで、子供が意欲そのものを失っていったり、あるいは疎外感を感じて反社会的な性格を形成していく(不良になる)、というのは、それが全てではないと思いますが、少なからぬ子供達に妥当する一つの有力なメカニズムだとも思わされます。
     塾講師をしていて、今説明したことができない子供と出会ったことがあります。僕は発達障害という概念をおぼろげながら知っていたので、その子の能力に合わせて粘り強くやったつもりですが、それでも今思い返すとその子にとっては苦痛だったかもしれません。また、別の講師が「ちゃんとやってこい!」「何でこんなこともできんのや!」と頭ごなしに叱るところを目撃した時は、正直胸が締め付けられる思いがしました。もちろんその時は本書を読む前でしたから、その先生に対する具体的な反論なり答えなりを持ち合わせてはいなかったのですが、それでも、あの説教でその子が変わることはなく、いたずらにその子を傷つけるだけに終わると思えたからです。
     発達障害についての知識と理解は、学校だけでなく塾(特に個別指導方式)でも持っておかなければならない、と今、強く思うところです。

     あと、クレーマーやモンスター・ペアレントなども、実は発達障害の可能性があり、意思疎通が上手く行ってないことで問題がこじれるという指摘も興味深かったです。

     人間が怒る理由の一つに、理解できないことに対して、というのがあります。発達障害の人に対して「何でこんなことも…」と怒るのは、そのメカニズムと相手のことが理解できていないからです。
     しかし、発達障害のメカニズムと、相手のそれに気づき、理解できれば、怒りは消えます(たとえ消えなくてもかなり軽減されるはずです)。少なくとも、自分が怒ることは何の解決にもならず、何らの改善も望めない、ということだけはハッキリわかるはずです。
     本書を読んで、発達障害に対する理解を超え、コミュニケーションの本質についてまで考えさせられました。そういう意味でも是非広く読まれて欲しい一冊です。

  • 「発達障害をもつ子どもやその親を孤立させたくない」という、著者の思いが全編を通じて強く感じられました。
    ADHDが招く反社会性について多くの紙幅が割かれていて、それが主にアスペルガーについて知りたい私の私の期待と少しずれていたので☆1つマイナスだけれど、とてもよい本だと思いました。
    発達障害を障害として受け取るのではなく、大小の差こそあれ誰にでもある「認知の凸凹」ととらえて、あらゆる凸凹をもつ子どもたちが学びやすいやり方に教育がパラダイムシフトされていくべきだ、という著者の意見にはとても共感できます。小さな個人経営の学習塾の先生でしかない私ですが、それが実現されて、みんなが生きやすい世の中になることを願います。とても長い道のりではあるだろうけれど。

  • 広島県の学校の先生による人生経験の集大成。

    発達障害の多くは「短期的聴覚記憶」が弱いためであるという説は目新しかったが、他の部分はあまり得るところがなかった。しかも聴覚記憶が弱いと何が問題なのか、弱いのであればどうすれば良いのかといった肝心な部分は読み取れなかった。

    障害を持つ者に暖かい目をと書く一方、都合の悪いあらゆる事柄を「反社会的」「認知に凹凸」で片付けるなど、個人的には好感を持てなかった。

    ただし、数多くの生徒・保護者からの相談を受けている第一線の方の経験が個人レベルで埋もれるのを防ぐという意味では、本書も意義があると思う。10年~20年後にもう一度本を出版されることを期待します。

  • 特別支援教育をかじるものとして、読んでおくべきかと思って読んだら、良書であり、著者の熱い思いが伝わってくる、訴えかけるものがある本であった。

    発達障がいをもつ子どもと関わっていく上で、大切なことをまとめている。発達障がいの子どもへの指導として、まだまだ学校現場では発達障がい児の特性(衝動性、こだわり、注意散漫など)を否定し、注意することで治していこうとすることが多い。自分もそのタイプであった。

    しかし、日々の実践の中で、「特性を否定する」ことで「治す」ことができるのか、という疑問を抱いていた。発達障がいや認知の凹凸を抱える生徒に、自分自身の特性についての現実を突きつけるのは、その子の人生のためであると信じているのであるが、後で落ち込んでいる姿を目にすると、自分の指導方法が正しいのか考えさせられる。

    自分は怒鳴る方ではない。ただ、「そのような認知の弱さがあって、それを認めないままだと、自分が社会に出てから損をするぞ」と教えている(つもりである)。

    この「つもりである」というところは、自分が自信を持って言い切れないために、そのように記したのである。

    本書を読むことで、こうして自分の実践を振り返ることができたのが最大の収穫である。

  • 分かりやすかった。発達障害を持つ子供への対応の仕方が具体的で参考にしてみようと思う。ここ数年の少年犯罪の原因はその少年本人ではなく、周囲の大人や社会の責任、という指摘にハッとさせられる。

  • 発達障害系の本の中ではダントツにわかり易かった

  • 学校教育の現場から発達障害に関ることになった著者の視点からかかれた発達障害の良書。
    具体的な対応方法、DVと発達障害の関係など教育者ならではの視点が随所でいきている。

    参考文献に草薙厚子著を引用してくるのはどうかと思った。2006年の奈良事件で精神科医を陥れている人物である。しかしその点を差し引いてもわかりやすい本である。

  • 何という熱い本! 良書はジャンルを超えて人生とは何かを語りかけてくるということを実感。特に
    「知識のない愛は力にならない」
    という著者の主張には感激。
    確かに,私は教育の現場で愛のあふれる先生を何人も見かけてきたが,そんな先生でも発達障害について知識をもっていないがために,発達障害児を大声で叱り飛ばしたり,こだわりを力づくでやめさせていたりしていた。それくらい,発達障害への理解は広まっていない。
    にもかかわらず,発達障害の問題はもはや学校の中だけのものではなく,社会全体が解決していかなければならない課題になってきている。少年の問題行動やニートなども,発達障害に起因することが多いと筆者は語っている。
    より多くの人が知識を身につけることで,この社会の不幸が少しでも減るのではないかと思う。

  • いい本でした。説得力がありつつも押し付けがましくないというか。
    子どものことが中心だけど、大人のことも一章分書いてあります。ほんの少しだけど、スキルもあって参考になりました。

    ただ、紹介されてる本が、私があまり好感触じゃなかった本で、紹介されてる人がホンマでっかの某人たちで、
    個人的主観なんだけど、うーんそこかぁと思ってしまいました。

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