かんちがい音楽評論[JAZZ編]

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  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779117565

感想・レビュー・書評

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  • この本の書評については、高野雲氏 はじめ、ジャズに精通した多くの方が明快なコメントを出している。

    私は、「素人目線」の率直な感想を述べることにする。

    はっきり言って、「つまらない」。

    まず、文章が簡潔でない。だから読んでいて疲れる。

    そして、前述の高野雲氏の持論、「もっとジャズを楽しみたい」との気持ちでこの本を買うと、
    がっかりする。
    これは単なる、自称他称を含め「ジャズ評論家」と名乗る人の、狭い業界で巻き起こされてきた、
    「コップの中の争い」の暴露本であり、さらに言えば、著者の「愚痴」のオンパレードではなかろうか。

    要するに、「村社会の中で小難しいゴタクをならべている」ようにしか思えず、
    こんな本がまかり通るから、ジャズという音楽ジャンルが、
    「ヘンクツ者が聴く音楽」とのレッテルを貼られてしまうように感じられてならない。

    これからジャズに触れようとする人、ジャズを純粋に楽しみたい人にとっては、
    この本に書かれてあることなど、どうでもいいことであろう。

    だいたい、「ジャズって、こんなに楽しい音楽なんだよ」ということをわからせる努力が、
    世に蔓延る有象無象の「ジャズ評論家」から、一部の例外を除きほとんど見えてこないのである。

    「上から目線」の独善的持論を閉鎖空間でぶつけ合っている、つまらない泥仕合。
    すべて、とは言わないものの、いわゆる「ジャズ評論家」の世界の本質はそういうことであるように思えてきた。

    ならば、「ジャズ本」などに惑わされず、
    自分なりの価値判断をしていけばいい。妙な洗脳などされないほうがいい。
    そして、その価値判断を、閉鎖社会でしか通用しない論理であれこれ査定され、
    それに一喜一憂する必要など全くない。
    ゆがんだ村社会で正論とされることは、世間一般の尺度で測れば、
    えてして奇妙奇天烈な非常識論であろう。


    この本から得た収穫。
    「ジャズが好きなら、ジャズ本に惑わされるな」

著者プロフィール

1952年大阪生まれ。『スイングジャーナル』編集長を経て音楽評論家。ロックにも造詣が深くビートルズ系の本の中でも『ビートルズを笑え!』は辛口でありながら面白く書かれている。オノ・ヨーコに批判的で日本語が読めるオノに対して批判する評論家としては希有な存在。主な著書に『マイルスを聴け』(双葉社)『エヴァンスを聴け』(ロコモーションパブリッシング)『超ブルーノート入門』(集英社)『Jazz名曲入門』『Jazz名盤入門』(宝島社)『ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ』(KKベストセラ-ズ)『スイングジャ-ナル青春録』(径書房)『ビートルズ アメリカ盤のすべて』(集英社)『ビートルズ全曲制覇』(エイ出版)『ビートルズを笑え!』(廣済堂)『ディランを聴け』(講談社)『音楽中心生活』(径書房)『超ビートルズ入門』(音楽之友社)『クワタを聴け!』(集英社新書)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』(NTT出版)等がある。

「2012年 『かんちがい音楽評論[JAZZ編]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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